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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 01月 19日

報恩抄文段 下二一

三月十二日

初めに正義(しょうぎ)を明かすとは

如是我聞(にょぜがもん)の上の妙法」に略して二義あり。一には就法(じゅほう)、二には功帰(こうき)なり。
 初めの就法に亦二意を
(ふく)む。一には名通(みょうつう)、二には義別なり。

記の八本四十に妙楽(みょうらく)云く「略して経題を()ぐるに、(げん)に一部を(おさ)む」と文。「略して経題を挙ぐ」とは(すなわ)ち是れ名通なり。「玄に一部を収む」とは是れ義別なり。故に(せん)六本十六に云く「一部の始終(しじゅう)二門を()でず」と文。籤の一本二十に云く「妙法の両字は通じて本迹(ほんじゃく)(せん)す」と文。「妙法」の両字は名通なり。「通じて本迹を詮す」は、(あに)義別に(あら)ずや。

初めに広く名通(みょうつう)(そう)を明かすとは

  一には一代の妙法。提婆品(だいばほん)に云く「広く衆生(しゅじょう)(ため)に妙法を()かん」文。補記(ふき)八・二十六に此の文を釈して云く「通じて一代を()して(とも)に妙法と名づく」文。

二には阿含(あごん)の妙法。中阿含の第三に云く「(しゃ)利子(りし)の所説は妙中の妙」文。浄名疏(じょうみょうしょ)二・二十二に云く「生滅(しょうめつ)四諦(したい)を妙法と名づく。()く衆生をして(ふる)きを()えて新しきを造らざらしむ。(これ)を妙法と()う」文。

 三には(ほう)(とう)の妙法。(こん)光明(こうみょう)(きょう)第六四天王品に云く「()の国土に於て()の経有りと(いえど)も、(いま)(かつ)流布(るふ)せしめず乃至無量(むりょう)の諸天をして此の(じん)(じん)の妙法を聞くことを()ざらしめ、甘露(かんろ)(あじ)わい(そむ)き正法の(ながれ)を失わしむ」文。

 四には般若(はんにゃ)の妙法。文の八・三十三に大論七十九を引いて云く「般若は()れ三世の諸仏の妙法なり。(まさ)に知るべし、般若も(また)妙法と称す」文。

 五には迹門(しゃくもん)の妙法。(せん)一末二十二に云く「()(ごん)を開せざれば妙の名立たず」云云。(つぶさ)に玄文の第二巻より第六巻に至り、広く(これ)を釈するが如し云云。

 六には本門の妙法。玄の七・四十四に云く「発釈(ほっしゃく)顕本(けんぽん)の故に別して妙と称す」と文。妙楽(みょうらく)云く「(ほつ)とは開なり」と。(また)玄文第七に略して之を釈するが如し。


つづく

報恩抄文段下 目次



by johsei1129 | 2016-01-19 21:24 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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