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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 01月 12日

一切の事は国により時による事なり、仏法は此の道理をわきまうべきにて候、と説いた【上野殿御返事 】

【上野殿御返事】
■出筆時期:弘安四年年(1281)九月二十日 六十歳御作
■出筆場所:身延山中 草庵にて。
■出筆の経緯:本抄をしるされた弘安四年九月は、大聖人が御遷化なされる約一年前で、南条時光(上野殿)も大聖人の病状のことは伝え聞いていたと思われ、滋養に良い、いも・ごぼう・大根を身延山中に届けられます。
本抄はその時光の真心のご供養にいする返書となっております。大聖人は「千金の金をもてる者もう(飢)えてしぬ。一飯をつと(苞)につつめる者に、これをと(劣)れり」と記され、師の体を気遣う時光のご供養の品々は、時に適ったものであると称えられておられます。
さらに結びでは「一切の事は国により時による事なり、仏法は此の道理をわきまうべきにて候」と短いながら自身滅後の広宣流布を託す、時光に重々の指導ををなされておられます。

尚、御年四十一歳(弘長二年二月十日)に流罪地の伊豆・伊東で著された【教機時国抄】では、「仏教を弘めん人は必ず時を知るべし、譬えば農人の秋冬田を作るに種と地と人の功労とは違わざれども一分も益無く還つて損す一段を作る者は少損なり。一町二町等の者は大損なり、春夏耕作すれば上中下に随つて皆分分に益有るが如し、仏法も亦復是くの如し、時を知らずして法を弘めば益無き上還つて悪道に堕するなり」と説かれておられます。
■ご真筆:現存しておりません。

【上野殿御返事 本文】

いゑのいも一駄・ごばう一つと(注:苞)・大根六本。
いもは石のごとし、ごばうは大牛の角のごとし、大根は大仏堂の大くぎのごとし。あぢわひはとう利天の甘露のごとし。

石を金にかうる国もあり・土をこめ(米)にうるところもあり。千金の金をもてる者もう(飢)えてしぬ。
一飯をつと(苞)につつめる者に、これをと(劣)れり。

経に云く「うえたるよには、よねたつとし」と云云。一切の事は国により時による事なり、仏法は此の道理をわきまうべきにて候、又又申すべし、恐恐謹言。

弘安四年九月廿日 日 蓮 花 押
上野殿御返事

※注一つと(苞):食料品を運ぶためにわらなどを束ねたもの。この当時の人々はその苞(つと)に食品を包んで運んだ。



by johsei1129 | 2016-01-12 21:07 | 南条時光(上野殿) | Trackback | Comments(0)
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