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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 01月 10日

大聖人の病状を知り、当時としては貴重な生和布(なまわかめ)を供養された池上宗仲の師を思う志を称え られた書【大夫志殿御返事】

【大夫志殿御返事】
■出筆時期:弘安四年(1281)十二月十一日日 六十歳御作
■出筆場所:身延山中 草庵にて。
■出筆の経緯:本抄は池上兄弟の兄・宗仲(大夫志殿)が大聖人の病状を知り、体に良いものとして酒、味噌また当時としては貴重な生和布(なまわかめ)をご供養されたことへの返書となっております。
大聖人は晩年特に佐渡流罪中の辛労、また身延山中の寒さが影響したのか胃腸が弱り痩せ病、下痢などの症状になります。
これに対して医術の心得のある四条金吾が煎じた薬で回復したことを記された御書【中務左衛門尉殿御返事(二病抄)】も残されております。

本抄を送られた弘安四年十二月は御遷化なされる十ヶ月ほど前で、病状も一層悪化していたものと思われ、それを知った宗仲は、恐らく親しい医師等に大聖人の病状を伝え、その上で体に良いものを取り揃え、脚力(飛脚)を使って直ぐに大聖人の下へ届けられたものと思われます。

大聖人は特に生和布に喜ばれるとともに、この宗仲の大聖人を思う志を「生和布は始めてにて候、将又病の由聞かせ給いて不日に此の物して御使をもつて脚力につかわされて候事心ざし大海よりふかく善根は大地よりも厚し、かうじんかうじん」と称えられておられます。
■ご真筆:現存しておりません。

【大夫志殿御返事 本文】

聖人(すみざけ)一つつ、味文字一をけ(桶)、生和布一こ。
聖人と味文字は・さてをき候いぬ生和布は始めてにて候。
将又病の由聞かせ給いて、不日に此の物して御使をもつて脚力につかわされて候事心ざし、大海よりふかく善根は大地よりも厚し、かうじんかうじん、恐恐。

十二月十一日    日蓮 花押
大夫志殿御返事

注[脚力]:大化の改新(646年)により西暦701(大宝1)年、通信物を運ぶ「脚力」(飛脚)の制度が定められた。 ※参照「年賀状博物館」より。




by johsei1129 | 2016-01-10 19:01 | 池上兄弟 | Trackback | Comments(0)
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