2016年 01月 02日
然るに啓蒙に云く「日本に始めて法華最第一の法華の行者なることを顕す。故に結して『亦為れ第一』等と云うなり」と云云。此の義穏やかならず。既に六宗に責め勝ちて根本大師と成る故に、結して「亦為れ第一」と云うなり。例せば「天台」の下の釈の如し。之を思い合すべし。撰時抄上二十二、下二十二見合わすべし。 問う、蓮祖は如何。 答う、既に諸宗を責め落して前代未聞の妙法を弘通す。豈「亦為れ第一」の法華の行者に非ずや。 故に撰時抄下二十三に「日蓮は日本第一の法華経の行者なり肩を双ぶる者はあるべからず」云云。 問う、蓮祖は諸宗に責め勝つと雖も、未だ大師と成らず。若し爾らば「亦為れ第一」に非ざるや。 答う、宗祖云く「賢王・聖主の御世ならば日本第一の権状にもをこなわれ現身に大師号もあるべし乃至と・をもひしに其の義なかりし」等云云。 故に知んぬ、大師の徳有りと雖も大師号なきことは、賢王・聖主ならざるが故なり。大師号無しと雖も、実に是れ大師なり。 故に血脈抄に云く「本門の大師日蓮」等云云。 豈「亦為れ第一」の行者に非ずや。有徳の君子、在位の君子、之を思い合すべし。 一 之を月氏・漢土・日本等文。 此の下は次に結文、亦二と為す。初めに正しく結し、次に「秀句」の下は引証。 文に云う「但三人計りこそ於一切衆生の中に於て亦為れ第一にては候へ」とは、 問う、二人は然るべし。何ぞ釈尊を以て衆生と名づくるや。 答う、衆生の名は一往因果に通ずる故なり。止の五・二十四に云く「大論に云く『衆生の無上なるは仏是れなり』と」云云。故に通の辺に約して「三人」等と云う。故に下に「釈尊を加へ奉りて」と云う。之を思うべし。 文に云う「秀句に云く、浅きは易く深きは難し」とは、当に知るべし、三説九易は随他意の故に易信易解なり。故に「浅きは易く」と云う。法華の六難は随自意の故に難信難解、故に「深きは難し」と云うなり。此くの如き難易は釈尊の所判なり。三説九易の浅きを去って、法華の六難の深きに就くは、是れ如来の本意なり。丈夫」とは如来の別号なり。 一 仏滅後・一千八百余年等。 此の下は次に正しく希有を示す、亦二有り。始めに正しく示し、次に「外典」の下は引例。堅に一千八百年間、横に月・漢・日三箇の国内に法華経の行者唯三人のみあり。豈希有に非ずや。 問う、所化の弟子は如何。 答う、師を挙げて弟子を摂す。皆是れ釈尊、皆是れ天台・伝教、皆是れ日蓮なり。「我が如く等しくして、異なること無からしめん」「本門寿量の当体蓮華の仏」之を思い合すべし。是れは事に約して之を釈す。若し義に約して是れを釈せば、法妙なるが故に人尊し。故に皆是れ「亦為れ第一」の法華の行者なり。 一 聖人は一千年に一たび出で賢人は五百年に一たび出づ。 王子年の拾遺記に云く「黄河は千年に一たび清む。黄河清みて聖人出ず」と文。文選五十九に云く「五百年に賢人生る」文。晋書の註に云く「千年に一たび賢人の出ずるを見、五百年に一賢を見る」等云云。 問う、伝教誕生の神護景雲元年より蓮祖誕生の貞応元年まで、凡そ四百五十五年なり。故に大数は正しく五百年に当れり。若し爾らば、蓮祖は但是れ賢人にして聖人に非ざるや。 答う、孟子十四・三十二「孟子曰く、尭・舜由り湯に至り五百有余歳」云云。註に「趙氏曰く、五百年にして聖人出ずるは天の常なり。然るに亦遅速有り。正しく五百年なることを能わず。故に有余と言う」等云云。 「兼ねて未萌を知る」「三度のかうみよう」之を思い合すべし。宗祖云く「日蓮は一閻浮提第一の聖人なり」等云云。 当に知るべし、元祖の誕生、貞応元年より享保六年に至るまで正しく第五百年に当る。今年は五百一年なり。故に伝教誕生より九百五十六年なり。 文に云う「黄河は涇渭ながれを・わけて」等とは、朝抄、啓蒙を見るべし。
by johsei1129
| 2016-01-02 13:42
| 日寛上人 御書文段
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