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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 01月 02日

報恩抄文段 上三二

文に云う「大日如来(ばか)り」等とは、

 問う、多宝と云わず、何ぞ大日と云うや。

 答う、(ここ)二意あり。

一には(しばら)く他師に順ずる故なり。啓蒙(けいもう)十八・三十四に賢記を引いて云く「多宝を大日と云う事は、不空(ふくう)法華(ほっけ)儀軌(ぎき)に両部の大日を脇士と()す。法華の多宝を不二(ふに)の大日と名づけて中央と為す」等云云。若し爾らば主従(しゅじゅう)分明(ふんみょう)なり。

二には所表に(したが)う故なり。朝抄に云く「多宝を大日と云う事は、多宝は法仏を表する釈の意なり。故に(ただ)(ほっ)(しん)と云う事なり」と云云。若し此の()()らば、(まさ)(なんじ)が家の権教の法身は、我が法華経の法身の(しょ)(じゅう)なりと云うべきなり。

 文に云う「教主釈尊は北の上座(じょうざ)()かせ給う」とは、

 問う、何ぞ南を下座(げざ)と為し、北を上座(じょうざ)と為すや。

 答う、(これ)に多義あり。

一には(ごん)抄に云く「釈尊の説法は東に向くなり、多宝は西に向くなり。故に宝塔の南は釈尊の右に当る、故に下座と為す。宝塔の北は釈尊の左に当る、故に上座と為す」取意。今(いわ)く、(がっ)()風俗(ふうぞく)()勝左劣(しょうされつ)なり。何ぞ左勝右劣に約せんや。

 二には啓蒙(けいもう)十四・四十一に古抄を引いて云く「天竺(てんじく)礼法(らいほう)は南を下座と為し、北を上座と為す。漢土(かんど)・日本の風俗は南を上座と為し、北を下座と為す。(ただ)し車内は(これ)に反す」等云云。今謂く、()くの如き風俗、(まさ)しく(いず)れの典籍(てんせき)に出でたるや。(おそ)らくは本拠(ほんきょ)からんか。

 三には啓運抄三十・十七に云く「南道北滅の時は、南は道諦(どうたい)の因、北は滅諦(めったい)の果なる故に、因下(いんげ)果上(かじょう)なれば北を上座と為し、南を下座とするなり」云云。今謂く、四諦の表示、当抄に()って(はなは)だ是れ疎遠(そえん)なり。学者見るべし。

 四には又云く「釈迦の報仏を表するは(すなわ)ち是れ智なり。多宝の法仏を表するは即ち是れ理なり。理智を本迹(ほんじゃく)(わか)つに、迹門は理なり、本門は智なり。今本門の本尊なれば、智を賞翫(しょうがん)して智仏の()る方を上座(じょうざ)とするなり。故に北の上座と云うなり」取意。今(いわ)く、智仏北に居るが故に北を上座と為さば、智仏南に()りたまわば、亦南を上座と為さんや。(すで)に智仏の居る方を上座と為すと云うが故なり。

 今(いわ)く、月氏の風俗は定めて是れ()勝左劣(しょうされつ)なり。故に左右を(もっ)て上下と為す。謂く、宝塔既に是れ西向(にしむき)なり。故に北は是れ右勝なり、故に上座と為す。南は是れ左劣(されつ)なり、故に下座と為すなり。

 問う、月氏の風俗、右勝左劣の証文如何(いかん)

 答う、(しばら)く一文を引かん。謂く、諸経の中の偏袒(へんたん)右肩(うけん)右遶(うにょう)三匝(さんそう)等及び身子(しんし)は右面の弟子、目連(もくれん)は左面の弟子等是れなり。(ほぼ)本尊抄の下に之を示すが如し。(つぶさ)()出品(じゅつほん)の愚記の如し。

 文に云う「()れ即ち法華経の行者(ぎょうじゃ)」とは、此の(しも)、次に(けつ)(もん)なり。

 問う、(まさ)に「此れ即ち法華経の教主なり」と云うべし。何ぞ「法華経の行者」と云うや。

 答う、言う所の行とは自行(じぎょう)有り()()有り。今は是れ化他に約す。仏は化他の為に説いて云く「(もろもろ)の経法の中に(もっと)()れ第一なり」「(しょ)(きょう)の中に於て最も()の上に()り」等云云。(あに)法華の行者に(あら)ずや。

 文に云う「南北に()()ちて現身に大師となる」とは、是れ「亦()れ第一」の()(あらわ)すなり。

文に云う「六宗(りくしゅう)にせめかちて日本の始第一の根本(こんぽん)大師(だいし)となり給う」とは、又「亦為れ第一」を顕すなり。

「日本の始め第一の」とは「日本」の二字は漢土(かんど)(えら)ぶなり。「第一」の言に()いて、(ひろ)く二義あり。

一には最勝(さいしょう)(ごく)を第一と名づく、即ち「最も()れ第一」の如し。

二には衆次の(はじめ)を第一と名づく、即ち「序品(じょほん)第一」の如し。今「第一」とは、是れ衆次の首の義なり。(まさ)に知るべし「始め第一」とは是れ「根本」の二字の意を(あらわ)すなり。(いわ)く、(さき)に望むるに日本元始(がんし)の大師なり、故に根本大師と云う。(のち)に望むるに第一の大師なり、故に根本大師と云う。故に前後に望んで()の意を顕すなり。


                    つづく
報恩抄文段上 目次



by johsei1129 | 2016-01-02 13:28 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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