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日蓮大聖人『御書』解説

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2016年 01月 01日

報恩抄文段 上三十


  第七段 日本に法華の
行者(ぎょうじゃ)なきを明かす



一 (そもそ)も法華経の第五等

  此の下は(まさ)しく(れん)()弘通(ぐつう)を明かす、亦二と()す。初めに釈、次に「()の事、日本国」の下は結。

初めの釈、亦二と為す。初めに文を引き、次に「法華経・天台(てんだい)」の下は()に約して釈す。初めの文を亦二と為す。初めに経文を引き、次に釈の文を引く。初めの経文を引くに亦二と為す。初めに所持(しょじ)の法華最上の文を引き、次に能持(のうじ)行者(ぎょうじゃ)第一の文を引く。初めの文、亦二と為す。初めに(まさ)しく行じ、次に「此の経文」の下は経文を釈す。

  初めの文に云う「此の法華経は諸仏如来の秘密(ひみつ)(ぞう)なり。諸経の中に於て、(もっと)()(かみ)()り」とは、

  問う、秀句(しゅうく)所引(しょいん)の如くんば、第八()の下に於て、所持・能持一連の文有り。何ぞ()の所持第一の文を引かずして、今別して此の文を引くや。

  答う、実に(しょ)(もん)の如し。(しか)るに元意(がんい)(すい)するに、(おそ)らくは真言宗を()せんが(ため)に、別して此の文を引くなり。此れに二意有り。

一には、彼の宗は大日経を(もっ)(すなわ)ち秘密と名づく。釈尊は法華経を以て、別して秘密と名づく。故に経に「秘密の(ぞう)」と云うなり。

 問う、()(しか)らば、彼は秘密ならざるや。

 答う、彼は是れ隠密(おんみつ)にして()(みつ)(あら)ざるなり。

二には、()の宗は金剛(こんごう)(ちょう)経を以て衆経の頂上(ちょうじょう)と為す。釈尊は(まさ)しく法華経を以て衆経の頂上と為す。故に「諸経の中に於て(もっと)()(かみ)()り」と云うなり。

 慈覚の金剛頂経(しょ)一・六に云く「人の身に(いただき)を最勝と為すが如し」等云云。御書二十三云云。

文に云う「最も其の上に在り」とは、法華経は衆経の頂上に()する故なり。(たと)えば(しゅ)()の頂に帝釈(たいしゃく)の住するが如く、(りん)(おう)の頂に如意(にょい)(じゅ)の有るが如く、(しゅ)(もく)(いただき)に月の宿れるが如く、諸仏の頂に(にく)(けい)の住するが如し。故に「(もっと)()(かみ)()り」と云うなり。今「衆経の頂上」と云うは是れなり。

文に云う「()の経文」等とは、此の(しも)、次に経文を釈す、亦二と()す。始めに(まさ)しく釈し、次に詰難(きつなん)す。

一 法華経の第七に(いわ)く等

 此の下は次に能持(のうじ)行者(ぎょうじゃ)第一の文を引く、亦二と為す。正しく引き、次に経文を釈す。

 文に云う「此の経文」等とは、此の下は経意を(さぐ)って之を釈す。故に通じて(じゅう)()を通して能持の人第一を(あらわ)すなり。其の故は法妙なるが故に人(とうと)し、(あに)十喩に通ぜらんや。(しか)して(ただ)六喩を(いだ)すは、是れ玄文第一・二十二に(じゅん)ずるが故なり。

 文に云う「法華経の行者は乃至諸王の中の大梵(だいぼん)(のう)なり」とは、宗祖の正像(しょうぞう)二千年の大王よりも、東寺七大寺の(せき)(とく)よりも、南無妙法蓮華経と(とな)うる白癩(びゃくらい)の人は勝れたり」(取意)と云いたもうは是れなり。


つづく



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by johsei1129 | 2016-01-01 16:41 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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