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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 12月 31日

報恩抄文段 上二八


問う、本理(ほんり)大綱集(たいこうしゅう)に云く「(けん)(みつ)(こと)なりと(いえど)も、大道(たが)うこと無し」云云。(また)等海抄十七に云く「山家の釈に云く、真言と止観と()(むね)(いつ)なり。故に一山に於て両宗を弘むと」等云云。(これ)()の文は(いかん)

答う、本理大綱集は(しん)偽未決(ぎみけつ)の抄なり。又等海の所引(しょいん)(また)是れ分明(ふんみょう)ならず。()伝教(でんぎょう)大師の真作ならば、(づなわ)ち亦是れ(やっ)(きょう)一往(いちおう)の義なり。(かみ)(じゅん)じて知るべし。

文に云う「()(かく)智証(ちしょう)と日蓮とが伝教大師の御事を」等とは、此の下は伏難を(しゃ)するなり。

(いわ)く、難じて云く「慈覚・智証は伝教大師の(じき)(てい)なり。日蓮は是れ後世(こうせい)末学(まつがく)なり。仮令(たとい)日蓮、智(かしこ)しと(いえど)も、伝教大師の御事(おんこと)に於ては、何ぞ慈覚・智証等に及ばんや」等云云。

之を()するに進・退の両釈あり。初めに退(しりぞ)いて之を会し、次に「玄奘(げんじょう)」の下は進んで之を会するなり。文義見るべし。

文に云う「宝蔵(ほうぞう)法師(ほうし)」とは、応に「(ほう)(ぼう)法師」に作るべし。宋高僧伝の第四・七云云。法宝法師は悲相の見惑(けんなく)を以て玄奘(げんじょう)三蔵(さんぞう)を難ず。此の難を通ずる為に婆沙(ばしゃ)の中に更に一十六字を加えたり。

(ほう)()三蔵は(ぞく)累品(るいほん)を以て経末に()く。(みょう)(らく)大師は記の第十に之を()す。法宝法師と妙楽大師とは、梵本(ぼんぽん)を見ずと(いえど)も、(しか)も梵本所覧の玄奘・法護を難じたもう。日蓮も(また)(しか)なり。後世(こうせい)末学(まつがく)なりと雖も直弟の(かく)(しょう)を難ずるに、何ぞ不可(ふか)有らんや。是れ(すなわ)正文(しょうもん)に相違する故なり。

一 伝教大師の依憑集(えひょうしゅう)と申す(ふみ)は等

此の(しも)は次に正文相違の(とが)を責む、亦二と()す。初めに文を引き、次に(いん)(もん)を釈す。初めの文を引くに、亦二と為す。初めに序の文を引き、次に正宗(しょうしゅう)の文を引く。

文に云う「新来の真言家(しんごんけ)は則ち筆授(ひつじゅ)相承(そうじょう)(ほろぼ)し」とは、諌迷(かんめい)七・六十、啓蒙(けいもう)七・五十五、同十四・三十四、其の(ほか)云云。

今謂く、此の序の文の意に(あるい)は二意有り。謂く、(しばら)文相(もんそう)(じゅん)ずるに、(ただ)元祖(がんそ)の依憑を挙げて、以て末弟の偏執(へんしゅう)を破するなり。()いて義意に(じゅん)ずるに、彼の元祖の依憑は、(すなわ)ち盗台に当るなり。其の故は天台法華の()に依憑して、宗々の()(きょう)誇耀(こよう)する故なり。(たと)えば大海の徳を取って()(しゃく)(たん)じ、王者の法を(もち)いて民家に()するが如し。(あに)誑惑(おうわく)に過ぐべけんや。故に宗祖は常に此の序の文を(もっ)て、(ただ)ちに元祖を()する義と()すなり。開目抄下十三に云云。撰時抄下七に云く「(ただ)し依憑集と申す一巻の秘書(ひしょ)あり乃至()の文の序に真言宗の誑惑一筆みへて候」等云云。

文に云う「(しょう)(しん)の心酔を(おお)う」とは、板点不可なり。秀句十勝抄九に輔の三・二十五を引き「(のち)に章安の義記(ぎき)を借るに()って(すなわ)(いよいよ)浅深に達し、体()け口(つぐ)み、身踊り心()う」云云。此の文何ぞ「心酔を(たい)()す」と点ずるを得んや。

文に云う「(こう)(にん)の七(ひのえ)(さる)の歳」とは、彼の最末に「弘仁四年」と云う。故に知んぬ、序は後に之を述するか。

文に云く「天竺(てんじく)の名僧、大唐(だいとう)天台の教迹(きょうしゃく)最も(じゃ)(しょう)(えら)ぶに()えたりと聞いて、渇仰(かつごう)して訪問する縁」云云。(まさ)に此くの如く点ずべし。「録」の字は(あやま)りなり。

文に云う「魯人(ろひと)のごとし」とは、補註(ふちゅう)十・四十に云く「魯の国の人(ちゅう)()(うやま)わず、(これ)を東家の丘と()えり。仏を学する(ひと)天台(てんだい)の妙教を敬わず、(また)魯人の如し」と云云。朝抄等は不可なり。

文云う「()の書は法相(ほっそう)三論(さんろん)華厳(けごん)・真言」等とは、是れ四宗の元祖(がんそ)()するなり。



                    つづく
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by johsei1129 | 2015-12-31 15:54 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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