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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 12月 26日

報恩抄文段 上二二

一 止観・真言の二宗の(しょう)(れつ)

  此の下は三に二宗の勝劣を明かす、亦二と()す。初めに釈、次に「()れば釈迦」の下は結。初めの釈、亦三と為す。初めに道理を明かし、次に「(しか)れども大事」の下は、伏疑を(しゃ)し、三に「(ただ)依憑集(えひょうしゅう)」の下は引文(いんもん)結示。初めの道理を明かすに(すなわ)ち二重あり。一には宗名を(けず)る故に、二には傍依(ぼうえ)るが故なり云云。守護章の上の中二十九。

文に云く「弟子等にも分明(ふんみょう)に教え給わざりけるか」等文。

一意(いちい)には謂く、末法に()めさせんがために分明に教えざるなり。撰時抄下七。

一 (ただ)依憑集と申す文に(まさ)しく真言宗等

  此の下は三に引文(いんもん)結示(けつじ)

依憑集に云く「大唐の真言宗の沙門(しゃもん)一行(いちぎょう)天台(てんだい)の三徳、()(そく)三諦(さんたい)()に同じ」等云云。

一行阿闍(あじゃ)()、大日経の(しょ)に天台円家の()(そく)(かん)を引いて彼の経の三落(さんらく)(しゃ)の文を釈す。又天台の三徳の義を挙げて菩提心・慈悲・慧等の義を(じょう)ず。又天台の三諦の義を引いて阿字(もと)不生の義に(どう)ず。(しか)れば(すなわ)ち、其の法門の建立(こんりゅう)(しか)ながら天台の正義を(ぬす)み取り、大日経に入れて理同の義を成ずること歴然(れきぜん)たり。故に「天台の正義を盗み取る」等と云うなり。朝抄に(ふんみょう)なり。

一 に云う「()の宗は天台宗に落ちたる宗なり」とは、

是れ依憑(えひょう)の辺を(もっ)て天台宗に落つと云うなり。改宗を()うには(あら)ざるなり。

一 (りゅう)()菩薩に()(たてまつ)り等

  問う、記の十に(ただ)「僧有って」と云いて「竜智」とは云わず。何ぞ今治定(じじょう)して竜智と云うや。

  答う、是れ諸文の意に()って竜智なること分明なるが故なり。(とう)()三十・十六の不空(ふくう)三蔵の下に云く「智(ぼっ)して(のち)()(きょう)を奉じて西のかた天竺(てんじく)(あそ)び、師子(しし)国に至り、竜智に()う」等云云。付法伝の第二も之に同じ。

(また)伝法護国論に云く「天台大師、名は三国に(ふる)う。竜智天竺に()り、(さん)じて云く、(しん)(たん)の小釈迦、広く法華経を(かい)す」等云云。又云く「不空三蔵(した)しく天竺に遊ぶ。(かしこ)に僧有り、問うて云く、大唐に天台の教迹(きょうしゃく)あり。(もっと)(じゃ)(しょう)(えら)(へん)(えん)(あきら)むるに()えたり。()(これ)(やく)して(まさ)()()に至るべしやと。含光(がんこう)(こい)を受け、竜智(しょう)(たん)す」等云云。此の文に分明なり。「邪正を簡び、偏円を(あきら)むる」は(あに)称歎(しょうたん)に非ずや。


                    つづく

報恩抄文段上 目次



by johsei1129 | 2015-12-26 21:36 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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