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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 12月 19日

報恩抄文段 上十五  天台大師の弘通(ぐつう)十八段を説く


一 法華経の(しょ)四巻あり等

  此の(しも)は三に光宅(こうたく)(めい)(らん)を結するなり。撰時抄上十二に云う、之を見合すべし。()の師の意は、法華経は阿含(あごん)(ほう)(とう)般若(はんにゃ)等に対すれば、真実の経、(りょう)義経(ぎきょう)(しょう)(けん)の経なり。涅槃経に対すれば、不了義経、無常経、邪見経なり云云。玄文第二に(つまび)らかに光宅を()す、見るべし。

一 法雲法師・御死去(ごしきょ)ありて等

  此の下は次に天台(てんだい)弘通(ぐつう)の正判を明かす、(また)十段と為す。

  第一に天台出世。(りょう)()(てい)の大通三年(つちのと)(とり)三月二十七日に法雲法師御死去有って(まさ)しく第十年に当る大同四年(つちのえ)(うま)、智者の誕生(たんじょう)(わず)かに十年を(へだ)つ。故に「いくばくならざるに」と云うなり。智者の誕生せし梁の武帝の大同四年より(ちん)の始め(えい)(てい)元年に至るまで(ただ)二十年なり。故に「梁の末・陳の始」と云うなり。

  第二に師資(しし)(ゆう)()南岳(なんがく)大師、大乗止観に(えん)(ゆう)無碍(むげ)の法門を明かすに、(ただ)華厳(けごん)を引いて法華を引かざる等なり。故に「師の義も不審(ふしん)」と云うなり。

  第三に三五高覧(こうらん)啓蒙(けいもう)に六文を引く。所謂(いわゆる)太子伝(たいしでん)本朝(ほんちょう)(もん)(ずい)十二・往生(おうじょう)要集(ようしゅう)二・同記の第三・沙弥(しゃみ)威儀(いぎ)経疏(きょうしょ)註梵網(ちゅうぼんもう)等、(なら)びに一切経を転読(てんどく)すること一十五(へん)等と云う等云云。故に「度度(たびたび)御らん」と云うなり。御書三十九・十五。

  第四に華厳(けごん)礼文(らいもん)。智証大師、興定聚(よじょうじゅ)に云く「天台大師十五遍一切経を読み、古華厳(こけごん)に至って(ひと)功力(くりき)を致し、別に礼文を()えて、日日(これ)を行ず」と文。

  第五に()()不審(ふしん)()し他人の(しょ)()(あき)らめずんば、我が()(しゃく)(あた)るべからざる故なり。

  第六に()(けん)発明(はつめい)。文の如く見るべし。

  第七に悲歎思(ひたんしゅ)()。亦是れ文の如し。

  第八に呵責謗法(かしゃくほうぼう)

  第九に怨敵(おんてき)蜂起(ほうき)

  第十に(ちん)殿(でん)対論

 亦八段と為す。

第一には天子臨莚(りんえん)

第二には諸師巨難(こなん)別書見るべし。

第三には智者反難(はんなん)、亦二と為す。初めに総じて光宅(こうたく)(しょ)(りゅう)の証文を責め、次に別して責む、亦二と為す。初めに華厳(けごん)第一の義を責め、次に涅槃(ねはん)第二、法華第三の義を責む、亦二あり。初めに涅槃経の文を引き、次に法華の文を引く、亦二あり。初めに「()(こん)(とう)」の文を引き、次に「(しか)して(のち)」の下は(まさ)しく責む。初めの文に亦三あり。初めに如来の金言、次に多宝証明(しょうみょう)、三に分身(ふんじん)助舌(じょぜつ)

第四には怨敵(おんてき)承伏(じょうふく)朗詠(ろうえい)()に云く「(かん)(こう)三尺の剣、()して諸侯(しょこう)(せい)す」と云云。

第五には大師()(みょう)

第六には王臣(らい)(ぎょう)

第七には法華(こう)()

第八には高誉(こうよ)讃歎(さんだん)

(しん)(たん)小釈迦(しょうしゃか)等云云。



                       つづく


報恩抄文段上 目次 



by johsei1129 | 2015-12-19 19:29 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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