日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 12月 11日

弘法・慈覚・智証・三大師の法華経誹謗の大科四百余年の間隠せる根露れ枝枯る、今 日蓮之を糾明せり、と断じた【実相寺御書】

【実相寺御書】
■出筆時期:建治四年(1278年)正月十六日 五十七歳御作
■出筆場所:身延山中の草庵にて。
■出筆の経緯:本書は日興上人の教化で弟子となり大聖人に帰依された岩本実相寺の住僧・豊前房から、同じく実相寺の住呂(住僧)尾張阿闍梨が、法華玄義の文を誤って捉え「大聖人の折伏は経及び天台の釈に違背している」と主張していると報告された事への返書となっております。

大聖人は本書の前段で「小乗を以て大乗を破し、大乗を以て小乗を破する者盲目とならば、弘法大師・慈覚大師・智証大師等は、されば盲目となり給いたりけるか、善無畏・金剛智・不空等は盲目と成り給うとの給うかとつ(詰)めよ」と、破折の論点を示されるとともに、後段では「根露るれば枝枯れ、源竭れば流れ尽くと云う本文虚しからざるか。弘法・慈覚・智証・三大師の法華経誹謗の大科四百余年の間隠せる根露れ枝枯る、今日蓮之を糾明せり。拘留外道が石と為つて数百年、陳那菩薩に責められ石即ち水と為る、尼けんが立てし塔は馬鳴之を頽す、臥せる師子に手を触れば瞋りを為す等是なり」と、断じられておられます。
尚文中で「麁」の字を度々使用されておられますが、粗末で、粗いことを意味します。
■ご真筆:現存しておりません。古写本:日興上人筆(北山本門寺蔵)

[実相寺御書 本文]

新春の御札の中に云く駿河の国・実相寺の住侶尾張阿闍梨と申す者、玄義四の巻に涅槃経を引いて、小乗を以て大乗を破し大乗を以て小乗を破するは盲目の因なりと釈せる由申し候なるは、実にて候やらん不審に候。

反詰して云く小乗を以て大乗を破し大乗を以て小乗を破する者・盲目とならば弘法大師・慈覚大師・智証大師等は・されば盲目となり給いたりけるか、善無畏・金剛智・不空等は盲目と成り給うとの給うかとつ(詰)めよ。

玄義の四に云く「問う法華に麁開して麁皆妙に入る、涅槃何の意ぞ更に次第の五行を明すや。
答う法華は仏世の人の為に権を破して実に入れ復麁有ること無く教意整足せり、涅槃は末代の凡夫の見思の病重く一実を定執して方便を誹謗し甘露を服すと雖も事に即して真なる能わず、命を傷つけて早夭するが為の故に戒・定・慧を扶けて大涅槃を顕す。法華の意を得れば涅槃に於て次第の行を用いざるなり」と。

籤の四に云く「次の料簡の中・扶戒定慧と言うは事戒・事定・前三教の慧並びに事法を扶くるが為の故なり具には止観の対治助開の中に説くが如し、今時の行者或は一向に理を尚ぶときは則ち己れ聖に均しと謂い及び実を執して権を謗ず、或は一向に事を尚ぶときは則ち功を高位に推り及び実を謗じて権を許す、既に末代に処して聖旨を思わず其れ誰か斯の二の失に堕せざらん、法華の意を得れば則ち初後倶に頓なり、請う心を揣り臆を撫で自ら浮沈を暁らん」等云云。

此の釈に迷惑する者か、此の釈の所詮は或は一向尚理とは達磨宗に等しきなり、及び執実謗権とは華厳宗・真言宗なり、或は一向尚事とは浄土宗・律宗なり、及び謗実許権とは法相宗なり。

夫れ法華経の妙の一字に二義有り一は相待妙・麁破して妙を顕す。二は絶待妙・麁を開して妙を顕す。爾前の諸経並びに法華已後の諸経は破麁顕妙の一分之を説くと雖も・開麁顕妙は全く之無し。爾るに諸経に依憑する人師・彼れ彼れの経経に於て破顕の二妙を存し或は天台の智慧を盗み或は民の家に天下を行うのみ。設い開麁を存すと雖も破の義免れ難きか、何に況や上に挙ぐる所の一向執権・或は一向執実等の者をや。

而るに彼の阿闍梨等は・自科を顧みざる者にして嫉妬するの間自眼を回転して大山を眩ると観るか、先ず実を以て権を破し権執を絶して実に入るは釈迦・多宝・十方の諸仏の常儀なり、実を以て権を破する者を盲目と為せば釈尊は盲目の人か乃至天台伝教は・盲目の人師なるか如何、笑う可し、返す返す。

四十九院等の事、彼の別当等は無智の者たる間、日蓮に向つて之を恐る。小田一房等怨を為すか、弥彼等が邪法滅す可き先兆なり。

根露るれば枝枯れ、源竭れば流れ尽くと云う本文虚しからざるか。弘法・慈覚・智証・三大師の法華経誹謗の大科四百余年の間隠せる根露れ枝枯る、今日蓮之を糾明せり。拘留外道が石と為つて数百年、陳那菩薩に責められ石即ち水と為る、尼けんが立てし塔は馬鳴之を頽す、臥せる師子に手を触れば瞋りを為す等是なり。

建治四年正月十六日          日 蓮 花 押
駿河国実相寺豊前公御房御返事





by johsei1129 | 2015-12-11 19:56 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)
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