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2015年 12月 08日
【故阿仏房讃歎御書】 ■出筆時期:弘安二年(1279年)三月以降 五九歳歳御作 ■出筆場所:身延山中の草庵にて。 ■出筆の経緯:佐渡流罪の時の献身的な外護、また遥々佐渡から三度も身延の草庵に見参された強信徒の阿仏房が、弘安二年三月二十一日、九十一歳で大聖人に随順された尊い生涯を終えられた。このことを知った大聖人は法華経二十八品中最重要の偈・如来寿量品第十六「自我偈」の文を引かれ、「故阿仏房は一心欲見仏の者なり」と讃えられておられます。 大聖人が阿仏房の死を知ったのは、本書で「あに臨終の時、釈迦仏を見まいらせ候はざらむ」と記されておられることから、恐らく千日尼から夫の死去の直後に、一報を大聖人の元に送られたものと推察され、本書は千日尼に宛てられた返書の消息であると推察されます。 本書の御真筆は僅かに第四紙のみが新潟県三条市の本成寺に残されておりますが、大聖人はその文中で、如来寿量品第十六の『自我偈』の文「方便現涅槃・而実不滅度及び一心欲見仏」を引いて故阿仏房の法華経への志を称えられるとともに、佐渡で大聖人に帰依して以来、生涯随順された阿仏房を「あに臨終の時、釈迦仏を見まいらせ候はざらむ」と弔われておられます。 佐渡で行われた「塚原問答」での大聖人の他宗派の僧侶との法論に感銘し、直ちに念仏を捨て大聖人に帰依した阿仏房は法華経の研鑽に励み、大聖人に度々法華経のご文について問われておられます。そのなかで、法華経 見宝塔品第十一で説かれている大地より出現する「宝塔」について問われたことへの大聖人の返書が『阿仏房御書』)として残されております。この中で大聖人は「末法に入つて法華経を持つ男女のすがたより外(ほか)には宝塔なきなり、若し然れば貴賤上下をえらばず南無妙法蓮華経と・となうるものは我が身宝塔にして我が身又多宝如来なり<中略>然れば阿仏房さながら宝塔・宝塔さながら阿仏房・此れより外(ほか)の才覚無益なり」説かれるとともに「あまりにありがたく候へば宝塔をかきあらはしまいらせ候ぞ。子にあらずんばゆづる事なかれ、信心強盛の者に非ずんば見する事なかれ」と記され、御本尊を阿仏房・千日尼夫妻に下付されておられます。 ■ご真筆:新潟県三条市 本成寺(第四紙)所蔵。 [故阿仏房讃歎御書 本文] 方便現涅槃・而実不滅度ととかれて、八月十五夜の満月の雲にかくれてをはするがごとく、いまだ滅し給はず候なれば、人こそ雲にへだてられてみまいらせず候とも、月は仏眼・仏耳をもってきこしめし御ら□□(む・あ)らむ。 其の上故阿仏房は一心欲見仏の者なり。あに臨終の時、釈迦仏を見まいらせ□□□□(候はざら)む。其の上 ※本抄の前後の文は残されておりません。尚、□□( )の表記は判読不明箇所を推定した文です。 【妙法蓮華経 如来寿量品第十六・自我偈】 自我得仏来 所経諸劫数 無量百千万 億載阿僧祇 常説法教化 無数億衆生 令入於仏道 爾来無量劫 為度衆生故 方便現涅槃 而実不滅度 常住此説法 我常住於此 以諸神通力 令顛倒衆生 雖近而不見 衆見我滅度 広供養舎利 咸皆懐恋慕 而生渇仰心 衆生既信伏 質直意柔軟 一心欲見仏 不自惜身命 時我及衆僧 倶出霊鷲山 [和訳] 自から我(釈尊)仏を得て以来、へたる諸の劫(長遠な時間)の数は、無量百千万億載阿僧祇なり。 常に法を説きて無数億の衆生を教化し、仏道に入ら令めて以来、無量劫なり。 衆生を度すが為の故に、方便にて涅槃を現わすも 実には滅度せずして常に此(娑婆)に住して法を説くなり。 我、常に此に住して諸の神通力を以て、(心が)顛倒している衆生をして、(仏)が近くにいると謂えど、(衆生は我を)見ることあたわず。 衆(生)は我が滅度を見て、広く舎利(遺骨)に供養し、ことごとく皆、(仏に)恋慕を懐いて、渇仰の心を生ずる。 衆生は既に(仏に)信伏して、質直にして意(こころ)柔軟になり、一心に仏を見んと欲して、自から身命を惜しまざれば、その時、我及び衆僧は、倶に、此の霊鷲山に出ずるなり。
by johsei1129
| 2015-12-08 19:53
| 阿仏房・千日尼
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