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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 12月 07日

報恩抄文段 上三 仏弟子、此の大恩を報ぜずんば畜類にも劣るべし


一 当抄の入文

  (まさ)に此の抄を(しゃく)せんとするに、大に(わか)ちて三と()す。初めに仏弟子は必ず(まさ)に恩を知り、恩を報ずべきの道理を明かし、次に「此の大恩」の(しも)は報恩の要術(ようじゅつ)を明かし、三に「されば花は根」の下は総結なり。蒙抄(もうしょう)大科(だいか)(おだ)やかならざるなり。

  問う、啓蒙の細科(さいか)に云く「初めに総じて恩を報ずべき旨を明かす、亦二あり。初めに世間(せけん)有為(うい)の報恩を明かし、二に『(いか)(いわん)や』の下は出世(しゅっせ)無為(むい)の報恩を明かす」等云云。此の義如何(いかん)

  答う、当抄の大意は、出世無為の中に於て唯沙(ただしゃ)(もん)の報恩に約して、無智(むち)の男女に約さず。沙門の報恩の中に於て、意は(れん)()自身の報恩に約すに在り。何ぞ「世間有為の報恩を明かす」と云うべけんや。

(ただ)し当文の意は(ちく)()げて(にん)(きょう)し、世の賢人(けんじん)を挙げて(もっ)て仏弟子を況す。畜生(ちくしょう)すら()くの如し(いわん)や人倫をや。世の賢人すら()くの如し、(いか)に況や仏弟子をや。仏弟子、()し此の大恩を報ぜずんば、(まさ)彼々(かれがれ)の賢人にも(おと)るべし。(ただ)彼々の賢人に劣るのみに(あら)(そもそも)(また)畜類にも劣るべし。故に仏弟子は必ず応に恩を知り、恩を報ずべしとなり。是れ(すなわ)ち其の道理なり。

 開目抄上十三に云く「聖賢(せいけん)の二類は(こう)の家よりいでたり(いか)に況や仏法を(がく)せん人・()(おん)報恩なかるべしや、仏弟子は必ず四恩を()つて知恩報恩をいたすべし」。
 乃至三十六に云く「若し
ほう()ぜずば(かれ)(がれ)の賢人にも・()とりて不知恩の畜生なるべし乃至畜生すら(なお)恩をほうず」等云云。


つづく


報恩抄文段上 目次



by johsei1129 | 2015-12-07 22:13 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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