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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 12月 05日

報恩抄文段 上一 報恩抄は正しく本門の三大秘法を顕す

報恩抄文段上本

  享保(きょうほう)七年(みずのえ)(とら)二月二十四日  日寛之を記す

       序


一 当抄の大意

 ()そ此の抄は()()五十五歳、(けん)()二年丙子(ひのえね)六月、(どう)善房(ぜんぼう)逝去(せいきょ)(よし)伝聞(でんぶん)したまい、報恩謝徳の(ため)に之を述べ、同じき七月下旬、()延山(のぶさん)より清澄(きよすみ)(じょう)顕房(けんぼう)義浄房(ぎじょうぼう)両人の(もと)へ送りたまう御抄(ごしょう)なり。

(ろく)()第三・十二の報恩抄送文に云く「道善御房の御死去(ごしきょ)の由・(いぬ)る月(ほぼ)(うけたま)わり候乃至()の文は随分(ずいぶん)大事の大事どもをかきて候ぞ」等云云。

「大事の大事」とは、(およ)そ五大部の中に、安国論は佐渡()(ぜん)にて(もっぱ)ら法然の謗法(ほうぼう)を破す。故に(ただ)(ごん)(じつ)相対(そうたい)にして(いま)本迹(ほんじゃく)名言(みょうごん)(いだ)さず。(いわん)(さん)大秘法(だいひほう)の名言を出さんや。
 開目抄の中には広く五段の教相を明かし、専ら本迹を判ずと
(いえど)(ただ)「本門寿量の文底(もんてい)秘沈(ひちん)」と云って、(なお)未だ三大秘法の名言を明かさず。
 
撰時抄の中には「天台(てんだい)未弘(みぐ)大法(だいほう)経文の(おもて)顕然(けんねん)なり」と判ずと雖も、(しか)も浄・禅・真の三宗を破して、未だ三大秘法の名義(みょうぎ)を明かさず。

(しか)るに(いま)当抄の中に於て、(つう)じて諸宗の謗法を折伏(しゃくぶく)し、(べっ)して真言の誑惑(おうわく)責破(しゃくは)し、(まさ)しく本門の三大秘法を(あらわ)す。是れ(すなわ)ち大事の中の大事なり。故に「大事の大事」と云うなり。吾が祖は是れを(もっ)(すなわ)ち師恩報謝に()したもうなり。当抄下巻二十二及び本尊問答抄録外の十四善無畏(ぜんむい)抄等、()いて見よ。道善房の(こと)明らかなり。


つづく


報恩抄文段上 目次



by johsei1129 | 2015-12-05 16:54 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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