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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 11月 29日

撰時抄愚記 下一九 日蓮大聖人、滅後の符合に三事あり


  十五日

  問う、宗祖の兼知未萌(けんちみぼう)の現世符合(ふごう)の事、(すで)に命を聞き(おわん)ぬ。又現世の御言、滅後符合の事(これ)有りや

  答う、実に所問の如し。今(しばら)く現世の三事に(じゅん)じて滅後符合(ふごう)の三事を出さん。 

  一には、下山抄二十六・五十二に云く「教主釈尊より大事なる行者を法華経の第五の巻を以て日蓮が(こうべ)を打ち十巻(とも)に引き散して散散(さんざん)(ふみ)たりし大禍(たいか)は現当二世にのがれたくこそ候はんずらめ」云云。

此の大科(つい)(まぬか)れずして、(へいの)左衛門尉(より)(つな)も宗祖滅後二十一年に当って一類(みな)滅亡せり。

鎌倉将軍()に云く「弘安七年十月、時宗(ときむね)の子息(さだ)(とき)十四歳、家督(かとく)()いで執権(しっけん)す。同八年四月、貞時、(さがみ)(のかみ)に任ず。

(頼綱、泰盛の子宗景(むねかげ)が藤原氏を改めて源氏と為し、(ひそか)謀叛(むほん)して将軍たらんと欲すと()ぐ。十一月、泰盛、宗景(ちゅう)に伏す。()の党皆(たいら)ぐ。(ここ)に於て頼綱(ひと)()(ふる)う)。

永仁元年四月、鎌倉大地震、死者一万余人。貞時の家令(かれい)頼綱、剃髪(ていはつ)して()(えん)と号す。権威()に盛んなり。其の次男安房(あわの)(かみ)廷尉(ていじょう)に任じ、飯沼殿と号す。(ひそか)に安房守を立てて将軍と為さんと(はか)る。果円が長子(むね)(つな)、以て貞時に告ぐ。貞時、果円及び安房守等を誅す。宗綱も(また)佐渡国に流さる。(其の後之を(ゆる)す)一族滅亡す」等云云。

  今案じて云く、平左衛門入道果円の首を()らるるは、是れ(すなわ)ち蓮祖の御顔を打ちしが故なり。最愛の次男安房守の首を刎ねらるるは、是れ則ち安房国の蓮祖の御頸(おんくび)を刎ねんとせしが故なり。嫡子(ちゃくし)宗綱の佐渡に流さるるは、是れ則ち蓮祖聖人を佐渡島に流せしが故なり。其の事、(すで)に符号せり、(あに)大科(まぬか)れ難きに非ずや。

問う、頼綱の滅亡は(まさ)しく(あつ)(はら)の法華宗の首を切りしが故なり。謂く、駿州(すんしゅう)富士熱原の郷の住人、神四郎・田中の四郎・広田弥太郎を始めとして多くの信者有り。然るに駿河(するが)の国は(こう)殿(どの)(ごり)(ょう)(こと)に富士(ごおり)後家(ごけ)(あま)御前達の内の人々多し。故に最明寺(さいみょうじ)・極楽寺の御敵(おんかたき)(いか)り給う故にや、平左衛門頼綱、弘安()年の秋の(ころ)、彼の神四郎・田中の四郎・広田の弥太郎等二十四輩を生け()りて(ろう)に入れ、其の年の冬、三人の者は法華宗の張本として頭を刎ねらる。其の(ほか)の者をば残らず追却(ついきゃく)せり。

  されば蓮祖大聖人、彼等籠者(ろうしゃ)の問の御書二十二・三十三に云く「彼のあつわら(熱原)愚癡(ぐち)の者ども・()はげ()まして・をどす事なかれ、彼等にはただ()えん()におもい切れ・()からんは不思議わる()からんは一定(いちじょう)とをもへ」已上。

  又(くび)切られて後、上野殿への御書三十二・十八に云く「()つはら()のものども・かく()しませ給へる事は・(しょう)(へい)将門(まさかど)・天喜の(さだ)(とう)のやうに此の国のものどもは・おもひて候ぞ、是れはひと()へに法華経に命を()つるがゆえなり、まつたく主君にそむ()く人とは天・御覧(ごらん)あらじ」已上。

  其の後、日興上人、彼の菩提(ぼだい)(とぶら)中に御本尊書写し給う。其の端書(はしが)きに云く「駿河国富士下方(しもかた)熱原郷の住人、神四郎、法華宗と号して(へいの)左衛門尉が為に(くび)()らるる三人の内なり。(へいの)左衛門入道、法華宗の頸を切るの(のち)十四年を経て、謀叛(むほん)(くわだ)つる間、(ちゅう)せられ、其の子孫、跡形(あとかた)も無く滅亡し(おわ)んぬ。徳治三年(つちの)(えさる)卯月(うづき)八日、日興在判」云云。

  故に頼綱の滅亡は熱原の現罰なり。何ぞ蓮師打擲(ちょうちゃく)の大科と云うや。

  答う、現報に遠近(おんごん)あり。遠くは蓮師打擲の大科に()り、近くは熱原の殺害(せつがい)に由るなり。故に興師は近く現報を論じ、今は遠く(これ)を論ずるが故なり。


                      つづく
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by johsei1129 | 2015-11-29 20:41 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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