日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 11月 11日

撰時抄愚記 上二九


一 
文句(もんぐ)十巻等

  (また)略して文句の大旨(たいし)を示さん。

(およ)そ文句の十巻に於て二十八品を釈す。第一巻に於ては()ず一経三段、二経六段の分文を明かす。(まさ)しく一経三段を以て総分と()し、二経六段を以て所含(しょがん)と為して迹本二門の文々句々を釈するなり。

次に総じて因縁・(やっ)(きょう)・本迹・観心の四釈の大旨(たいし)を示し、次に正しく経文を釈するに、第一巻より第三の(なか)ばに至るまで序の一品を釈す。第三の半ばより第四の終りに至るまで方便品を釈する中に、()ず題号を釈するに法用(ほうゆう)能通(のうつう)()(みょう)の三種の方便を明かし、次に一切皆権(かいごん)・一切皆実(かいじつ)・一切亦権(やくごん)(やく)(じつ)・一切非権非実の四句の権実を明かし、正しく第三の亦権亦実の句に()いて(さら)(じっ)(そう)の権実を開するなり。所謂(いわゆる)、事理・理教・教行・(ばく)(だつ)・因果・体用(たいゆう)(ぜん)(とん)・開合・通別・(しつ)(だん)なり。

此の十双を釈するに八番の解釈あり。(いわ)く、列名(れつみょう)生起(しょうき)解釈(げしゃく)・引証・結権実・分別照諦(しょうたい)・約諸経・約本迹なり云云。所詮(しょせん)、三種の中には秘妙方便、四句の中には(また)権の一半、十双中の意は(そく)(じつ)の権、即ち今の方便品の題号なり。次に入文を釈する中に、第三の巻には略開三(りゃっかいさん)顕一(けんいち)の文を釈し、第四の巻に広開(こうかい)三顕一の文を釈するなり。中に(おい)()ずは十門の料簡(りょうけん)を明かすなり。

十門の料簡とは、一には()(つう)()(べつ)、二には有声聞(うしょうもん)・無声聞、三には(わく)()厚薄(こうはく)、四には(てん)(こん)・不転根、五には()()・不悟、六には領解(りょうげ)・無領解、七には得記(とっき)・不得記、八には悟有(せん)(じん)、九には(やく)()権実、十には(たい)()・不待時なり。次に巻を(おわ)るまで正しく広開の文を釈するなり。

第五は()()品、第六は(しん)()品、第七巻の中には薬草(やくそう)()品・授記(じゅき)品・()(じょう)()品・五百品・人記品、此の五品を釈するなり。第八巻の中には法師(ほっし)・宝塔・提婆(だいば)勧持(かんじ)・安楽の五品を釈するなり。第九の巻の中には涌出(ゆじゅつ)・寿量・分別の三品を釈し、第十巻には隨喜(ずいき)已下(いげ)の十一品を釈するなり。此の品々(ほんぽん)の一々、章々、段々の一字一句に(みな)因縁等の四釈を用うるなり。(たと)い文は略すと雖も、其の義は宛然(おんねん)なり。

因縁とは()(しつ)(だん)なり。約教とは四教・五時なり。本迹とは迹門の中には体用(たいゆう)本迹(ほんじゃく)を借用するなり。本門の中には即ち()(ごん)本迹なり。観心とは(ただ)是れ託事(たくじ)・附法の二観なり。(いま)だ約行の観を()べざるなり。

()後、妙楽大師は疏記(しょき)十七巻を(じゅつ)し、本疏の欠略(けつりゃく)を補い、文句の義意を釈するなり。(また)私志記、東春の輔記(ふき)箋難(せんなん)真記(しんき)(ずい)(もん)等に本末(ほんまつ)の意を指南するなり。


          
                   つづく
撰時抄愚記上 目次



by johsei1129 | 2015-11-11 22:05 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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