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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 10月 24日

謗法の罪の浅深軽重の義を問わせ給う事、誠に有難き女人にておはすなり、と説いた【阿仏房尼御前御返事】

【阿仏房尼御前御返事】
■出筆時期:建治元年(1275年)九月三日 五十四歳御作
■出筆場所:身延山中の草庵にて。
■出筆の経緯:千日尼が謗法の浅深軽重とその罪報について手紙で尋ねられた事に対し、詳しく丁寧に法門を説かれておられます。文末では結論として「浅き罪ならば我よりゆるして功徳を得さすべし、重きあやまちならば信心をはげまして消滅さすべし」と諭されるとともに「尼御前の御身として謗法の罪の浅深軽重の義をとはせ給う事まことに有難き女人にておはすなり<略>法華経の義理を問う人は難しと説かれて候、相構えて相構えて力あらん程は謗法をばせめさせ給うべし、日蓮が義を助け給う事、不思議に覚え候ぞ不思議に覚え候ぞ」と、法華経の法門について問われた阿仏房尼御前を稀有な女人であると称えられておられます。
■ご真筆:佐渡・妙宣寺に存在したと伝えられておりますが、現在は所在不明です。

[阿仏房尼御前御返事 本文]

御文(ふみ)に云く謗法の浅深軽重に於ては罪報如何(いかが)なりや云云。
夫れ法華経の意は一切衆生皆成仏道の御経なり、然りといへども信ずる者は成仏をとぐ謗ずる者は無間大城に堕つ、「若し人信ぜずして斯の経を毀謗せば即ち一切世間の仏種を断ぜん、乃至其の人命終して阿鼻獄に入らん」とは是なり、謗法の者にも浅深・軽重の異あり、法華経を持ち信ずれども誠に色心相応の信者・能持此経の行者はまれなり、此等の人は介爾ばかりの謗法はあれども深重の罪を受くる事はなし、信心はつよく謗法はよはき故なり、大水を以て小火をけすが如し、涅槃経に云く「若し善比丘法を壊る者を見て置いて呵責し駆遣し挙処せずんば当に知るべし、是の人は仏法中の怨なり、若し能く駆遣し呵責し挙処せば是れ我が弟子真の声聞なり」云云、此の経文にせめられ奉りて日蓮は種種の大難に値うといへども・仏法中怨のいましめ(誡)を免れんために申すなり。

但し謗法に至つて浅深あるべし、偽り愚かにしてせめざる時もあるべし、真言・天台宗等は法華誹謗の者いたう呵責すべし、然れども大智慧の者ならでは日蓮が弘通の法門分別しがたし、然る間まづまづ・さしをく事あるなり立正安国論の如し、いふと・いはざる(不言)との重罪免れ難し、云つて罪のまぬがるべきを見ながら聞きながら置いていまし(禁)めざる事・眼耳の二徳忽に破れて大無慈悲なり、章安の云く「慈無くして詐り親むは即ち是れ彼が怨なり」等云云、重罪消滅しがたし弥利益の心尤も然る可きなり、軽罪の者をば・せむる時もあるべし・又せめずしてをくも候べし、自然になを(直)る辺あるべし・せめて自他の罪を脱(まぬがれ)れて・さてゆる(免)すべし、其の故は一向謗法になれば・まされる大重罪を受くるなり、彼が為に悪を除けば即ち是れ彼が親なりとは是なり。

日蓮が弟子檀那の中にも多く此くの如き事共候、さだめて尼御前(ごぜ)も・きこしめして候らん、一谷(いちのさわ)の入道の事・日蓮が檀那と内には候へども外は念仏者にて候ぞ・後生は・いかんとすべき、然れども法華経十巻渡して候いしなり。

弥信心をはげみ給うべし、仏法の道理を人に語らむ者をば男女僧尼必ずにくむべし、よしにくまばにくめ法華経・釈迦仏・天台・妙楽・伝教・章安等の金言に身をまかすべし、如説修行の人とは是れなり、法華経に云く「恐畏(くい)の世に於て能く須臾も説く」云云、悪世末法の時・三毒強盛の悪人等・集りて候時・正法を暫時も信じ持(たも)ちたらん者をば天人供養あるべしと云う経文なり。

此の度大願を立て後生を願はせ給へ・少しも謗法不信のとが候はば無間大城疑いなかるべし、譬ば海上を船にのるに船おろそ(粗)かにあらざれども・あか(水)入りぬれば必ず船中の人人一時に死するなり、なはて(畷)堅固なれども蟻の穴あれば必ず終に湛(たた)へたる水のたまらざるが如し、謗法不信のあかをとり・信心のなはてを・かたむべきなり、浅き罪ならば我よりゆるして功徳を得さすべし、重きあやまちならば信心をはげまして消滅さすべし。

尼御前の御身として謗法の罪の浅深軽重の義をとはせ給う事・まことに・ありがたき女人にておはすなり、竜女にあにをとるべきや、「我大乗の教を闡いて苦の衆生を度脱せん」とは是なり、「其の義趣を問うは是れ則ち難しと為す」と云つて法華経の義理を問う人は・かたしと説かれて候、相構えて相構えて力あらん程は謗法をばせめさせ給うべし、日蓮が義を助け給う事・不思議に覚え候ぞ不思議に覚え候ぞ、穴賢穴賢。

九月三日  日蓮花押
阿仏房尼御前御返事

by johsei1129 | 2019-10-24 21:57 | 阿仏房・千日尼 | Trackback | Comments(0)
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