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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 11月 07日

撰時抄愚記 上二四

九月十八日

  

第十四段 (のう)()の師徳を顕す


一 此の事
一定(いちじょう)ならば等文

此の下は第二、謗者(ぼうしゃ)の現罰の大なるに寄せて、能弘の師徳の大なることを顕す。文を分ちて五と為す。初めの四字は上を()けて下を起す。二に「闘諍(とうじょう)」の下は正釈。三に「提婆(だいば)」の下は先例を引いて以て当来(とうらい)を示す。四に「教主」の下は疑念を(しゃ)す。五に「此等」の下は結成(けつじょう)なり云云。

初めの「此の事一定」とは、上の必ず(まさ)に流布すべきを()けて、下の能弘の師徳を起すなり云云。

一 闘諍(とうじょう)堅固(けんご)の時

此の下は正釈、又二あり。初めに外用(げゆう)(せん)(ごん)の故に「仏の御使(おつかい)」と云う、日蓮は即ち是れ上行菩薩なり云云。

(けだ)し門流の意は、(なお)是れ外用浅近と習うなり。「日本国の王臣と並びに万民」等とは是れ能謗(のうぼう)の人を()ぐるなり。「仏の御使」等とは即ち所謗(しょぼう)の蓮祖聖人の御事なり。()し要文所引(しょいん)句逗(くとう)の如くんば「日本国の王臣と並びに万民」は(すなわ)ち是れ「仏の御使」なり。恐らくは当抄の意に(たが)うなり。学者之を思え。

一 (しか)るに法華経をひろむる者等云云

此の下は正釈の中の第二に内証深秘(じんぴ)あり。故に「主師親」と云うなり。蓮祖即ち是れ()(おん)元初(がんじょ)本因(ほんにん)(みょう)の教主釈尊なり。秘すべし、秘すべし云云。

一 日月(にちがつ)いか()でか彼等(かれら)

大師の光明(こうみょう)文句に云く「(たちま)ちに恩に(たが)い義に(そむ)いて、而して(せつ)(ぎゃく)を行わんや。天は大なりと(いえど)も此の人を(おお)わず、地は(あつ)しと雖も此の人を()せず」等云云。光明記の三・四十一。

一 地神いか()でか彼等の足等文

録外四・二十紙、()いて見よ。

一 提婆(だいば)(だっ)()

此の下は第三に、先例を引いて以て当来を示すなり。(いわ)く「提婆」等は先例なり。「蒙古の()め」は当来の事を示すなり。(いわ)く、当抄は建治元年(1275)(きのと)()の述作なり。第三の「高名(こうみょう)」の下、之を思え。

(しか)(のち)第七年に当り、弘安四年(1281)五月、蒙古数万の軍兵を(ひき)いて日本国に寄せ来れり。今此の事を指して「蒙古の()め」と云うなり。当来を示すに非ずや。



 つづく


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by johsei1129 | 2015-11-07 16:01 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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