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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 11月 07日

撰時抄愚記 上二三

    九月十五日

  
  第十三段 妙法流布の必然を明かす


一 今末法に
()り等

第五の闘諍(とうじょう)堅固(けんご)、文を二と為す。初めに仏記の(むな)しからざるに約し、(まさ)しく妙法の必ず(まさ)流布(るふ)すべきことを明かす。次に「此の事一定(いちじょう)」の下は謗者の罰に寄せて(のう)()の師徳を明かす。初めを(また)二と為す。初めに大集(だいしつ)経の文、亦三あり。初めに標、次に「伝え聞く」の下は現を引いて以て釈し、三に「闘諍」の下は結成(けつじょう)なり云云。

一 徽宗(きそう)欽宗(きんそう)文。

十八史略の第七巻、()いて見よ。及び啓蒙に云云。

一 大蒙古国の皇帝に()められぬ

是れ大元の老皇帝の事なり。太平記第三十八巻及び抄、()いて見よ。

一 今の日本国等

(おそ)らくは是れ文永十一年(1274)の事なり。

一 (これ)をもって案ずるに等

此の下は仏記(むな)しからざる中の第二、法華経の文なり。(また)文を三と為す。初めに標、次に「彼の大集」の下は権を以て実を(きょう)し、三に「大地」の下は結成云云。

一 法華経の結縁(けちえん)なき等

問う、()(しか)らば法華経に結縁ある者の為にも未顕真実に非ずや。

答う、正像の衆生は権大乗を縁と()し、法華の下種を熟す、故に(いっ)(こう)の未顕真実には非らざるなり。(けだ)し末法の衆生は法華経の結縁無し。何ぞ権大乗を以て縁と為して之を熟せんや。故に一向の未顕(みけん)真実なり。更に(かんが)えよ。

一 六道・四生乃至(ないし)寸分もたが()はざりける

問う、顕謗法抄十二・十五の意には、爾前の諸経は文々句々(みな)是れ未顕真実なり云云。(あに)相違するに非ずや。

答う、彼の文の意に云く、若し爾前に於て成仏往生(おうじょう)を明かすの文々句々は、皆是れ未顕真実なり云云。何ぞ相違と云わんや。啓蒙(けいもう)一・六十九。

一 (ごの)五百歳に一切の仏法の滅せん時等

此の文に三意あり。所謂(いわゆる)

一には白法(びゃくほう)隠没(おんもつ)の時来るが故に。

二には本化(ほんげ)なれば付嘱(ふぞく)せられ給うが故に。

三には(ほん)()()(ぜん)の機有るが故に云云。

迹化(しゃっけ)未弘(みぐ)の三義に対して見るべし。一切の仏法滅せん時、此の本門深秘(じんぴ)の大法広宣流布するなり。是れ時の(きた)れるなり。(すで)に本化の菩薩なるが故に本門深秘の大法を付嘱せられ給うなり。既に付嘱を受く、何ぞ()(つう)せざらんや。現に「謗法(ほうぼう)一闡提(いっせんだい)」なることは是れ本未有善の故なり。「白癩(びゃくらい)病」は謗法一闡提に(たと)うるなり。既に本未有善の機有り、何ぞ深秘の大法を下種と()ざらんや。



              
 つづく


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by johsei1129 | 2015-11-07 11:32 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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