2015年 10月 28日
八月二十八日
是れ正像未弘、末法流布を指して「此の事」と云うなり。故に答の下に広く其の相を弁ずるなり。学者之を思え。 一 夫仏の滅後等文。 此の下は第一の解脱堅固なり。入涅槃の相及び舎利を分つ等、統紀第四の巻の如し云云。
八月二十九日
一 迦葉尊者文。 迦葉の始終は統紀の第五初一、止観の第一初等の如し云云。(文句一五十)補注の六・六に「迦葉の袈裟は直十万両金」云云。 一 仏の付嘱をうけて二十年等文。 付嘱に三義あり。 一には弘宣付嘱。謂く、四依の賢聖、釈尊一代所有の仏法を時に随い機に随って演説流布するなり。 嘱累品に云く「若し善男子・善女人有って如来の智慧を信ぜん者には、当に為に此の法華経を演説して聞知することを得せしむべし。其の人をして仏慧を得せしめんが為の故なり。若し衆生有って、信受せざらん者には、当に如来の余の深法の中に於て示教利喜すべし」文。 此の中に「余の深法」と云うは爾前の諸経なり。既に「此の法華経」に対して「余」と云うが故なり。若し台家の意は「余の深法」は只是れ別教、余法深法は則ち三教に通ず云云。但次第三諦所摂を以ての故に、爾前の諸経は即ち是れ三教なり。故に大義は異なり無きなり。 二には伝持付嘱。謂く、四依の賢聖、如来一代の所有の仏法を相伝受持し、世々相継いで住持するが故なり。 涅槃経第二・八十七に云く「我今所有の無上の正法を悉く以て摩訶迦葉に付嘱す。当に汝等の為に大依止と作ること、猶如来の如くなるべし」等云云。統紀の四・七に此の文を釈して云く「迦葉は能く世を継いで伝持するを以てなり」と。又五・六に云く「迦葉独り住持に任ず。是れを以て祖々相伝住持して断えざるなり」文。楞厳疏に云く「覚性三徳秘蔵に安住し、万善の功徳を任持して失わず、故に住持と謂うなり」云云。今、寺主を以て通じて住持と云うは此等の意に依るなり。 三には守護付嘱。謂く、国主・檀越等、如来一代所有の仏法を時に随い、機に随い、能く之を守護して、法をして久住せしむるなり。 涅槃経第三・十一に云く「如来今、無上の正法を以て諸王・大臣・宰相・比丘・比丘尼・優婆塞・優婆夷に付嘱す。是れ諸の国王及び四部の衆、応当に諸の学人等を勧励して、戒定慧を増長することを得せしむべし」等云云。又涅槃経に云く「内に智慧の弟子有って甚深の義を解し、外に清浄の檀越有って仏法久住す」等云云。此の中の「戒定慧」とは一代及び三時に通ずるなり。若し末法にあっては文底深秘の三箇の秘法なり。具には依義判文抄に曽て之を書するが如し。故に今は是れを略するのみ。 当に知るべし、今言く「迦葉尊者は仏の付嘱を受く」とは、是れ第一・第二の付嘱に当るなり。謂く、嘱累品の時、弘宣付嘱を受け、涅槃会の時、伝持付嘱を受くるなり。 嘱累品の時に弘宣付嘱を承くとは、太田抄二十五・十七に云く「釈尊然して後、正像二千年の衆生の為に宝塔より出でて虚空に住立して、右の手を以て文殊・観音・梵天・帝釈・日月・四天等の頂を摩でて、是くの如く三反して法華経の要より外の広略の二門、並びに前後一代の一切経を此等の大士に付嘱す。正像二千年の機の為なり。爰を以て滅後の弘教に於ても仏の所属に随い弘法の限り有り。然れば則ち迦葉・阿難等は一向に小乗教を弘通して大乗教を申べず。竜樹・無著等は権大乗を申べて一乗を弘通せず。南岳・天台は広略を以て本と為し、肝要に能わず。此れ偏に付嘱を重んずるが故なり」略抄。 「前後一代の一切経」とは即ち是れ「余の深法」の中の文意なり。「此等の大士」とは、其の意は新得記の声聞を含むなり。開顕の後は皆菩薩と名づくるが故なり。 正付嘱の相とは、高橋抄三十五・四十三に云く「我が滅後の一切衆生は皆我が子なりいづれも平等に不便にをもうなり。乃至一切衆生にさづけよ」等云云。 涅槃会の時に伝持付嘱を受くとは、即ち前に経文及び統紀を引くが如し。 問う、涅槃説法の時は迦葉其の会に在らず、何ぞ付嘱を受けんや。 答う、其の座に無しと雖も仏既に大衆に対して「所有の正法を摩訶迦葉等に付嘱す」と云う。是れ迦葉を以て独り住持に任ずるなり。今猶その例多し云云。読教の十五・八、統紀の五・六、金山の九・六十四、諌迷の九終、中正の十八・五十四、皆宗祖の意に非ざるなり。 今得意して云く、二箇の相承は正しく是れ弘宣・伝持の付嘱なり。 謂く「日蓮一期の弘法、白蓮阿闍梨日興に之を付嘱す。本門弘通の大導師たるべきなり」とは、是れ弘宣付嘱なり。故に「本門弘通」等と云うなり。 「釈尊五十年の説法、白蓮阿闍梨日興に相承す、身延山久遠寺の別当たるべきなり」とは、是れ伝持付嘱なり。故に「別当たるべきなり」等と云うなり。秘すべし、秘すべし。
八月晦日
統紀の第五、御書の十六・二十五の十法界因果抄云云。
九月朔日
統紀の第五、御書の十三の妙法尼抄。 一 優婆崛多二十年文。 統紀云云。
by johsei1129
| 2015-10-28 20:51
| 日寛上人 御書文段
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