日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 10月 16日

予が所存は止観法華の勝劣は天地雲泥なり<略>法華迹門の分斉に似たりと説いた【立正観抄送状】

【立正観抄送状】
■出筆時期:文永十二年(1275年)二月二十八日 五十四歳御作
■出筆場所:
■執筆の経緯:本抄は佐渡塚原三昧堂での法論を聞いて大聖人に帰依した天台宗の学僧・最蓮房日浄から、当時天台宗で盛んに論じられていた「止観は法華経に勝れ禅宗は止観に勝る」との主張に対して大聖人の考えを問われたことへの返書となっております。
大聖人は本抄で天台の摩訶止観について「予が所存は止観法華の勝劣は天地雲泥なり。若し与えて之を論ぜば止観は法華迹門の分斉に似たり」と断じられておられます。
さらに文末で「委細の旨は別に一巻書き進らせ候なり、又日蓮相承の法門血脈慥に之を註し奉る」と記され、詳細は本抄とともに送った[立正観抄]に書き記したのでそれを読了するよう指導されておられます。

尚、最蓮房も大聖人と同時期に佐渡に流罪されていますが、本抄冒頭で大聖人が「種種の御志慥に給候い畢んぬ」と記されておられますで、この時点ではすでに佐渡流罪を御赦免となり、比叡山に帰還されていたと思われます。
■ご真筆:現存しておりません。古写本:日朝筆(日蓮正宗・富久成寺所蔵)、日進筆(身延山久遠寺蔵)。

[立正観抄送状 本文]

今度の御使い誠に御志の程顕れ候い畢んぬ又種種の御志慥に給候い畢んぬ。

抑承わり候、当世の天台宗等止観は法華経に勝れ禅宗は止観に勝る、又観心の大教興る時は本迹の大教を捨つと云う事先ず天台一宗に於て流流各別なりと雖も慧心・檀那の両流を出でず候なり、慧心流の義に云く止観の一部は本迹二門に亘るなり謂く止観の六に云く「観は仏知と名く止は仏見と名く念念の中に於て止観現前す乃至三乗の近執を除く」文、弘決の五に云く「十法既に是れ法華の所乗なり是の故に還つて法華の文を用いて歎ず、若し迹説に約せば即ち大通智勝仏の時を指して以て積劫と為し寂滅道場を以て妙悟と為す、

若し本門に約せば我本行菩薩道の時を指して以て積劫と為し本成仏の時を以て妙悟と為す本迹二門只是此の十法を求悟す」文、始の一文は本門に限ると見えたり次の文は正しく本迹に亘ると見えたり、止観は本迹に亘ると云う事文証此に依るなりと云えり、次に檀那流には止観は迹門に限ると云う証拠は弘決の三に云く「還つて教味を借つて以て妙円を顕す○故に知んぬ一部の文共に円成の開権妙観を成ずるを」文、此の文に依らば止観は法華の迹門に限ると云う事文に在りて分明なり。

両流の異義替れども共に本迹を出でず当世の天台宗何くより相承して止観は法華経に勝ると云うや、但し予が所存は止観法華の勝劣は天地雲泥なり。若し与えて之を論ぜば止観は法華迹門の分斉に似たり、其の故は天台大師の己証とは十徳の中の第一は自解仏乗・第九は玄悟法華円意なり、霊応伝の第四に云く「法華の行を受けて二七日境界す」文、

止観の一に云く「此の止観は天台智者己心中に行ずる所の法門を説く」文、弘決の五に云く「故に止観に正しく観法を明すに至つて並びに三千を以て指南と為す○故に序の中に云く己心中に行ずる所の法門を説く」文、己心所行の法とは一念三千・一心三観なり三諦三観の名義は瓔珞・仁王の二経に有りと雖も一心三観一念三千等の己心所行の法門をば迹門十如実相の文を依文として釈成し給い畢んぬ。

爰に知んぬ止観一部は迹門の分斉に似たりと云う事を若し奪つて之を論ぜば爾前権大乗・即別教の分斉なり其の故は天台己証の止観とは道場所得の妙悟なり所謂天台大師・大蘇の普賢道場に於て三昧開発し証を以て師に白す師の曰く法華の前方便陀羅尼なりと霊応伝の第四に云く「智顗・師(南岳)に代つて金字経を講ず一心具足万行の処に至つて(智)顗・疑有り思・為に釈して曰く汝が疑う所は此乃ち大品次第の意なるのみ未だ是法華円頓の旨にあらざるなり」文、講ずる所の経既に権大乗経なり又次

第と云えり故に別教なり、開発せし陀羅尼又法華前方便と云えり故に知んぬ爾前帯権の経・別教の分斉なりと云う事を・己証既に前方便の陀羅尼なり止観とは己心中所行の法門を説くと云うが故に、明かに知んぬ法華の迹門に及ばずと云う事を何に況や本門をや、若し此の意を得ば檀那流の義尤も吉なり此等の趣を以て止観は法華に勝ると申す邪義をば問答有る可く候か、委細の旨は別に一巻書き進らせ候なり、又日蓮相承の法門血脈慥に之を註し奉る、恐恐謹言

文永十二乙亥二月二十八日             日 蓮 花押
最蓮房御返事

by johsei1129 | 2015-10-16 18:11 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)
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