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2020年 01月 28日
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此の下は第三、「况や」は結なり云云。 「時鳥」は時を知る鳥なり。此の鳥の異名多し。或は子規、或は杜鵑、或は杜宇、或は蜀魂、或は蜀魄等なり。中に於て今、時鳥の字を用うるは少しく意有るか。 又朗詠並びに順の和名に時鳥を以て郭公と為す。並びに是に非ず。郭公は鳲鳩なり。本草綱目、爾雅等の意爾なり云云。谷響の一に之を弁ずるが如し云云。又時鳥と書く事は耕作の時を知って教ゆる故に、別して時鳥と云うなり。 問う、この鳥は春鳴くとせんや。夏鳴くとせんや。 答う、国に依って同じからず。若し漢土に於ては多くは春鳴くと見えたり。文選の二十八・二十三の註に云く「時鳥は春鳴く鳥なり」と云云。事文後集四十四・六には「春至れば則ち鳴く」と云云。又春より夏に至って鳴く処あり。本草の四十九・十四に時珍が云く「春暮れて即ち鳴き、夏に至って尤も甚だし」云云。古詩に云く「如かず、口を緘じて残春を過さんには」と云云。 又楚国に於ては臘月の比より鳴き始めて、三月の時分には鳴き止むなり。「楚塞の余春に聴くこと漸く稀なり」と云う是れなり。三体抄絶句三十一に云云。 正に日本に於ては夏至れば則ち鳴くなり。故に詩歌倶に夏の部に入るるなり。今は和国に約する故に「春を送り」と云うなり。是れ併しながら暖国・寒国の異なりのみ。啓蒙の義は恐らく理を尽すに非ざるなり。 問う、此の鳥の鳴きよう如何。 答う、本草に時珍が云く「其の鳴くことは不如帰去と曰うが若し」云云。古詩の意皆爾なり。又健抄に云く「早作・田過・時・不熟と鳴くなり」云云。和俗に云く「本尊かけたかと鳴くなり」云云。 今謂く、又其の人に由って之を聞くこと同じからず。旅客の耳には専ら不如帰と聞こゆ、故に古郷を忍ぶなり。或る宮方の田舎に流されて詠じたもう。 鳴けば聞く 聞けば都の恋しきに 此の里過ぎて鳴け時鳥 云云。 其の里には今に至って此の鳥鳴かずとなん申し伝え侍り。又農人の耳には「早作田過時不熟」と聞く、故に此の鳥の鳴くを待って農事を務むるなり。事文後集に云く「惟うに田家には其の鳴くを候いて則ち農事を興す」と云云。 又我等が耳には「本尊掛けたか」と聞くなり。 御遺状に云く「日興が身に宛て給わるところの弘安二年の大本尊、日目に之を授与す。本門寺に掛け奉るべし」云云。 この鳥の意に云く「最早、広宣流布の時も来るべし、本門寺を建立して本尊掛けたか、本尊掛けたか」と鳴くなり。然れば広宣流布の時を待つ鳥なるが故に時の鳥と云うか云云。此れは是れ観心の釈の意なるのみ。 之に因んで思い出せることあり。季吟発句に云く 一声に 本迹いかに 時鳥 云云。 予曽て之を伝え聞いて笑って云く 声は本 響は迹よ 時鳥 云云。 古歌に云く「山彦の 答うる山の時鳥 一声啼けば二声ぞきく」。又古詩に云く「雲は老樹を埋む空山の裏、千声に彷彿として一度飛ぶ」云云。之を思え。此れは是れ本迹の釈の意なるのみ。 一 鶏鳥は暁をまつ文 亦是れ時を知る鳥なり。即ち第五の徳なり。事文後集に云く「鶏に五徳あり。冠を戴くは文なり。距を以て搏つは武なり。敢んで闘うは勇なり。食を見て相呼ぶは仁なり。夜を守って時を失わざるは信なり」と云云。 問う、この鳥の鳴きよう如何。 答う、一説に云く「夜既に暁に近し、我が脛即ち寒ゆ。里人早く驚きて、夢の世を厭離せよと鳴くなり」と。一説に云く「可見路と鳴くなり」と。 故に当山に於ては、鶏鳴に即ち起きて螺を吹き、鐘を撞いて勤行を務むるなり。是れ鶏の時を知るが故なり云云。 谷詩に云く「晨、鶏催せども起きず、被を擁して松風を聴く」と云云。 慎みて怠ること勿れ。
by johsei1129
| 2020-01-28 06:56
| 日寛上人 御書文段
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