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日蓮大聖人『御書』解説

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2024年 09月 21日

佐渡から鎌倉の高弟に真言を破折した秘書『真言見聞』を送った時の送り状【弁殿御消息】

【弁殿御消息】
■出筆時期:文永九年(1272年)七月二十六日 五十一歳御作
■出筆場所:佐渡国一の谷の屋敷にて。
■出筆の経緯:本書は佐渡から鎌倉の留守を守る三人の高弟、弁殿(日昭)・大進房・三位房に真言宗を破折した秘書『真言見聞』を送った時の送り状となっております。
大聖人は竜の口の法難で法華経の行者から末法の本仏へと発迹顕本し、流罪先の佐渡の地で人本尊開顕の書「開目抄」、法本尊開顕の書「観心本尊抄」を著します。そして邪宗の批判は念仏宗から亡国の宗たる真言への批判を強めていきます。
佐渡で大聖人に常随給仕された日興上人、伊予房(日頂上人)等は直接大聖人から法門を聞くことができたが、留守を預かる弟子たちはその僥倖に浴する事ができないため、大聖人は「問う、真言亡国とは証文何なる経論に出ずるや・・・・」で始まる『真言見聞』を送ったものと思われます。

本消息では「不審有らば諍論無く書き付けて一日進らしむべし」と記され、不明な点は弟子の間で論争しないで日蓮のもとに書状を送りなさいと指導されておられます。さらに「これよりぐして・いたらん人にはよりて、法門御聴聞有るべし。互ひに師弟と為らんか」と記され、私の説法を聞いて佐渡から鎌倉に行く弟子から、入門の先後に関係なく互いに師弟関係でよく聞いてくださいと諭されておられます。

結局佐渡で大聖人に常随給仕されることのなかった最古参の高弟・弁殿(日昭上人)は大聖人を末法の本仏とは理解できず、また大進房、三位房は熱原の法難で敵方に寝返り、横死することになります。
この事実は、大聖人の法門を理解するためには、如何に大聖人に常随給仕することがを大事かを、如実に示していると思われます。
■ご真筆:甲府市 信立寺(全文一紙)所蔵。
佐渡から鎌倉の高弟に真言を破折した秘書『真言見聞』を送った時の送り状【弁殿御消息】_f0301354_22462617.jpg


[弁殿御消息 本文]

(真筆上段)

不審有らば諍論無く書き付けて一日進らしむべし。
此の書は随分の秘書なり、已前の学文の
時もいまだ存ぜられざる事・粗之を載す。
他人の御聴聞なからん已前に御

(真筆下段)

存知有るべし。
総じては・これよりぐして・いたらん人にはよりて
法門御聴聞有るべし、互ひに師弟と為らんか。恐恐謹言。

七月二十六日         日蓮花押            

弁殿 大進阿闍梨御房 三位殿 

           


by johsei1129 | 2024-09-21 20:32 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)


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