一 又弥勒菩薩疑請して云く等文。
此の下は次に本門正宗の文を引く、亦二あり。初めに動執生疑の文を引き、次に「寿量品」の下は広開近顕遠の文を引くなり。
初めの文、亦二と為す。初めに正しく引き、次に流通に属する所以を明かすなり。
文に云く「我等は復仏の随宜の所説、仏所出の言未だ曽て虚妄ならず、仏の所知は皆悉く通達し給えりと信ずと雖も」と。応に此くの如く点ずべし。証真・日遠倶に是れ謬りなり。何ぞ仏に対して「我等仏の所知は皆悉く通達す」と云うべけんや云云。次に文の意に謂く、寿量品の法門は滅後の為に之を請ず。故に流通段に属するなり云云。
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