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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 09月 11日

観心本尊抄文段 下一六

文に云く「爾前迹門の円教すら尚仏因に非ず」等とは、此の下は次に滅後(めつご)に約するなり。

問う、今大旨(たいし)に准ずるに、(ただ)在世に約して(まさ)其の義を明かすべし。何ぞ(また)滅後に約して之を(しゃく)するや。

答う、此れに所以(ゆえ)あり。謂く、此の第五の中の正宗(しょうしゅう)(まさ)しく末法の(れん)()(ため)なるが故に「末法の本門」と名づくるなり。(また)其の序分の経々は正像流布の宗々の()(きょう)なり。故に滅後に約して序分の()を以て正宗の()(あらわ)すなり。

問う、正像(しょうぞう)流布(るふ)の宗々、何ぞ末法弘通(ぐつう)の序分と()るや。

答う、宗祖の妙判(みょうはん)分明(ふんみょう)の故なり。

下山抄に云く「迹化(しゃっけ)他方の大菩薩に法華経の半分・迹門十四品を(ゆず)り給う、()は又地涌(じゆ)の大菩薩・末法の初めに出現せさせ給いて本門寿量品の肝心(かんじん)たる南無妙法蓮華経の五字を一閻(いちえん)浮提(ぶだい)切衆生に唱えさせ給うべき先序(せんじょ)為なり」と云云。

撰時抄の下に云く「法然選択(せんちゃく)を作る。本朝同に念仏者なり。(ごん)大乗の題目の流布するは、実大乗の題目の広宣流布せんずる序に(あら)ずや」(取意)等云云。

此の下の文、分ちて亦二と()す。初めに台宗の()(きょう)()()げ、次に「(いか)に況や」の下は七宗の依経の非を明かす。

初めの文に云く「爾前・迹門の円教」等とは、即ち是れ台宗の()(きょう)なり。故に守護章上中二十九に云く「今山家(さんけ)所伝の円教宗の依経は(しょう)に法華及び無量義に()り、(ぼう)は大涅槃(ねはん)乃至(ないし)諸大乗所説の円教等に()」等なり云云。

文に云く「況や阿含大日経等の諸小乗経」等とは、啓蒙(けいもう)に云く「『阿含』の二字は(えん)(もん)なり。古本(みな)『況や大日経』と云うなり」と云云。故に大日経とは即ち是れ()(かく)智証(ちしょう)()(きょう)なり。故に文意に(いわ)く、天台(てんだい)(ぶつ)(りゅう)宗の所依の()(ぜん)・迹門の円教は、久遠(くおん)元初(がんじょ)の仏種を明かさざれば(なお)仏因に非ず。(いわん)や慈覚・智証等の所依の大日経等の小乗教をや云。

問う、何ぞ天台・伝教(でんぎょう)弘通(ぐつう)を以て序分の()に属すべけんや。

答う、此れに二意あり。

一には謂く、彼の師は像法適時(ちゃくじ)の弘通なり。何ぞ非分に属せん。(ただ)()の依経の()(ぜん)・迹門の円教(なお)序分の非に属するなり。彼々(かれがれ)の経々に久遠元初の仏種を明かさざる故なり。

二には謂く、彼の師の依経は像法熟益(じゅくやく)の法にして末法下種の法に非ず。(しか)るに彼の末弟、時機を知らず、今末法に(おい)(なお)之を弘通す。故に(たと)い彼の師の如く法の(まま)の弘通なりと雖も、今末法に(いた)っては去年(こぞ)(こよみ)の如し。(いか)(いわん)や慈覚已来(いらい)謗法(ほうぼう)に同ずるをや。故に序分の()に属するなり。

文に云く「何に況や華厳」等とは、文の意に(いわ)く、天台仏立宗の依経すら(なお)仏因に非ず。何に況や論師(ろんし)人師(にんし)の所立の宗々の依経をやと。

此の下の文、分ちて二と為す。初めに「況や」は標の文を()だす。次に「与えて之を論ずれば」の下は(しゃく)二と為す。初めに法に約し、次に「譬えば」の下は(にん)に約す。

初めの文意に(いわ)く、彼の論師(ろんし)人師(にんし)の宗々の依経は、与えて之を論ずれば前三教を出でず。(うば)って之を論ずれば蔵通に同ず。其の故は、(たと)い華厳・真言等の経々に初地(しょじ)の即身成仏を明かし、法は(じん)(じん)なりと(しょう)すと(いえど)も、(いま)だ種熟脱を論ぜざれば(かえ)って二乗の灰断(けだん)に同ず、故に蔵通(ぞうつう)に同ずるなり云云。

次の文意に謂く、彼の七宗の論師・人師の(そん)()なること、(たと)えば王女の如し。蔵通の下劣(げれつ)経々(きょうぎょう)を受持するは畜種を懐妊(かいにん)するが如し。故に其の下賎(げせん)なること、(なお)殺者(せっしゃ)屠者(としゃ)にも劣るなりと。

文に云く「此等は且く之を()く」とは、彼の宗々の非分に()いて種々の義ありと雖も、(これ)()(しばら)く之を()くとなり。古来の諸師の義は未だ(いん)(とう)ならざるか。正宗(しょうしゅう)()なるを(あらわ)すこと、前に反するを知るべし云云。(注:允当=よくあてはまること)

                     つづく

文段下 目次



by johsei1129 | 2015-09-11 21:54 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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