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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 09月 05日

観心本尊抄文段 下十一


一 (また)本門十四品の経に(じょ)(しょう)流通(るつう)有り等

此の下は本門脱益(だっちゃく)の三段、五と()す。には(まさ)しく三段を明かし、二には能説の教主、三には所説の法体(ほったい)、四には迹本の勝劣(しょうれつ)、五には()(どう)始終(しじゅう)なり。

初めの正しく三段を明かす中に「寿量品と前後の二半」とは、是れ天台の(はい)(りゅう)の如く(りゃっ)(こう)(かい)(けん)の「一品(いっぽん)二半」なり。下の「品二半」に同じからざるなり。

次に能説の教主は、即ち是れ久遠実成の仏にして()(じょう)正覚(しょうがく)の釈尊に非ざるなり。

「所説の法門も(また)天地の如し十界久遠の上に国土世間(すで)(あら)われ念三千(ほと)んど(ちく)(まく)(へだ)つ」とは、是れ三に所説の法体を明かすなり。此の所説の法体を明かすに、二と為す。初めに(ただ)ちに迹門に対して以て本門を明かし、次に重ねて文底に望みて(かえ)て本迹を判ずるなり。

初めに直ちに迹門に対して以て本門を明かすとは、(いわ)く、彼の迹門の所説は本無(ほんむ)(こん)()の百界千如なり。此の本門の所説は本有(ほんぬ)常住(じょうじゅう)の三千世間なり。(あに)所説の法門(また)天地の如くに非ずや。

次に「十界久遠」の下は、重ねて文底に望んで(かえ)って本迹を判ずるなり。(まさ)此の文を消せんとするに、初めに異解(いげ)を破し、次に正義(しょうぎ)を明かす。

一には本迹抄に云く「国土世間と十如是と、(ただ)開合の異なり。故に竹膜を隔つと云うなり」と。

二には決疑抄に云く「九界の一念三千と仏界の一念三千と、(ただ)竹膜を隔つるなり」と。

三には又云く「(のう)()の十界も(しょ)()の国土も(すで)念に具する故に但竹膜を隔つるなり」と。

四には幽微録(ゆうびろく)に云く「迦化の内証(ないしょう)自行の辺と宗門の自行化他の()(しょう)と但竹膜を隔つるなり」と。

五には又云く「始成の仏を指すと()成仏(じょうぶつ)久成の十界を説くとは、(ほとん)ど竹膜を隔つるなり」と。

六には又云く「在世の機情の(ごん)(じょう)に執する迷いと(ぶつ)()の悟りと、殆ど竹膜を隔つるなり」と。

七には又云く「十界久遠の大曼荼羅(まんだら)念三千と殆ど竹膜を隔つるなり」と。

八には又云く「法相(ほっそう)約する時は本有(ほんぬ)の三千なり。行者に約する時は念三千なり。既に少分の異なりの故に竹膜を隔つと云うなり」と。

九には又云く「『殆ど隔つ』の上に(かい)()の二字を添入(てんにゅう)して見るべし。例せば証を取ること(たなごころ)(かえ)すが如し」云云。

十には日朝抄に云く「迹門は理円、本門は事円、事理の心地(ただ)(ちく)(まく)(へだ)つるなり」と。

十一には又云く「本門の一念三千(すで)(あらわ)(おわ)れば、自己の一念三千と只竹膜を隔つるなり」と。

十二には(きょう)抄に云く「迹門には(いま)だ国土世間を説かず、本門には之を説く。此の不同の相、(ほとん)ど竹膜を隔つるなり」と。

十三には安心録(あんじんろく)に云く「念三千は(ぼん)(しょう)同体なり、迷悟(めいご)之を隔つること(なお)竹膜の如きなり」と。

十四には(もう)抄に云く「寿量品の因果国の説相と一念三千の本尊と只竹膜を隔つるなり」と。

十五には忠抄に云く「十界久遠の上に国土世間(すで)(あらわ)れたると念三千の法門と只竹膜を隔つるなり」と。

十六には(しん)抄に云く「念三千の始めの相違は竹膜の如し。終わりの相違は天地の如し。(いわ)く、迹門の妙法蓮華経を念三千と名づくると、本門の妙法蓮華経を念三千と名づくると、(ほとん)ど竹膜を隔つるなり。()し種熟の流通(るつう)に約して本化(ほんげ)迹化(しゃっけ)の三千の不同を論ずれば天地水火の如きなり」云云。

十七には日我の抄に云く「『一念三千殆ど竹膜を隔つ』とは()(じょう)()(じょう)と、事の念三千と理の念三千となり。『雖近(すいごん)()()(けん)』の(たぐい)なり。近き処の事の念三千を知らざるを竹膜を隔つと云うなり」略抄。

(いわ)く、諸説(みな)是れ人情なり、何ぞ(せい)()(かかわ)らん云云。()し破決の義は、其の(つい)に成立せざるが故に今之を略す。

                つづく
文段下 目次



by johsei1129 | 2015-09-05 14:51 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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