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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 07日

自らの死期がそう遠くないことを阿仏房に率直に吐露されたご消息【阿仏房御返事】

【阿仏房御返事】
■出筆時期:弘安元年(1278年)六月三日 五十七歳 御作。
■出筆場所:身延山中 草庵にて。
■出筆の経緯:本書は阿仏房から大聖人の病状について何がしかのお尋ねあったと思われ、それへの返書となっております。
大聖人は大覚世尊(釈尊)が入滅間際に説かれた涅槃経の文を引くとともに「今月六月一日に至り連連此の病息むこと無し、死ぬる事疑い無き者か」と、自身の死期がそう遠くないことを率直に吐露されておられます。さらに「今は毒身を棄てて後に金身を受ければ、豈歎くべけんや」と記し、来世に金身を受けるのであるから嘆くことではないと、病状を心配する阿仏房を諭されておられます。

尚、この消息を受け取った阿仏房は、直ぐに佐渡から身延山中の草庵を訪れ大聖人を見舞います。この事について翌月の七月二十八日の妻千日尼御前に宛てた消息[千日尼御前御返事]で「弘安元年太歳戊寅七月六日、佐渡の国より千日尼と申す人、同じく日本国甲州・波木井郷の身延山と申す深山へ同じき夫の阿仏房を使として送り給う」と記されていることからもよくこの時の状況が伺えます。

それでは何故大聖人は、自身の死期が近づいている事を語られたのかという点ですが、釈尊も自身がまもなく涅槃すると弟子たちに度々伝えております。釈尊も大聖人の振る舞いも、その意味の一つは、仏に対する渇仰心を呼び起こす事とともに、実際に滅度した時の信徒の喪失感を、少しでも和らげたいと思う仏の慈悲であろうと推知いたします。
■ご真筆:現存されておりません。

[阿仏房御返事 本文]

御状の旨、委細承り候い了んぬ。大覚世尊説いて曰く「生老病死・生住異滅」等云云。

既に生を受けて齢(とし)六旬に及ぶ老又疑い無し、只残る所は病死の二句なるのみ。
然るに正月より今月六月一日に至り連連此の病息(や)むこと無し、死ぬる事疑い無き者か。
経に云く「生滅滅已(しょうめつめっち)・寂滅為楽(じゃくめついらく)」云云。

今は毒身を棄てて後に金身を受ければ、豈(あに)歎くべけんや。

六月三日    日  蓮 花 押

阿仏房

by johsei1129 | 2019-11-07 21:22 | 阿仏房・千日尼 | Trackback | Comments(0)
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