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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 08月 22日

開目抄愚記 下二十  牛跡に大海を入るる事なかれ


   第三十六段 諸経の浅深勝劣を判ず

一 此の経文の()は等

  此の下は初めに略して示す。意に云く、此の経文の六難九(ろくなんく)()、一代諸経の浅深(せんじん)勝劣(しょうれつ)()の明かなること晴天の日輪、白面の(ほくろ)のごとし。(しか)れども(いき)(めくら)等の者は見がたし。我が門弟の道心あらん者にしるし(とど)めて見せん。(まこと)王母(おうぼ)が桃、輪王の(どん)()よりもあいがたし。(しか)るに一代(いちだい)諸経の勝劣、諸宗の元祖並びに末弟と伝教・日蓮との諍論(じょうろん)は、(たと)えば(はい)(こう)項羽(こうう)等の如し。中に於て此の法華経の正義(しょうぎ)の顕るることは、(ただ)伝教・日蓮のみなりと知るべし。此の諸経の勝劣は、釈迦・多宝・分身の来集(らいじゅう)して定め給いしなり云云。

一 各謂(かくい)自師(じし)の者。

  先師の(びゅう)()(ただ)さざる者なり。「(へん)(しゅう)家」とは、自宗を(かた)く信ずる者なり。故に此の二句は末流を()すか。

一 西王母(せいおうぼ)

  列仙伝の一・四、胡曽(こそう)()中・終。

一 (りん)(のう)出世等。

  文の四・二十三、私志十二・三十八、其の(ほか)処々に()でたり云云。

一 沛公(はいこう)項羽(こうう)等。

  十八史略の第二、太平の二十八、朝は史記を引く。

一 (より)(とも)(むね)(もり)等。

  治承(じしょう)四年より文治(ぶんじ)元年に至るまで、始終(しじゅう)六年なり。(しか)るに北条時政、残党を治罰(じばつ)して文治二年三月、鎌倉に帰す。故に七年と云うか。

一 (あき)津嶋(つしま)

  神代合(じんだいごう)(かい)一の三、徒然(つれづれ)文段の一・二十一、韻鏡大成七・二十、啓蒙(けいもう)二十九・七十四。

一 修羅(しゅら)帝釈(たいしゃく)

  註の五・三十九、(こっ)(きょう)三・十二、太平抄の二十三・二。

一 金翅(こんじ)(ちょう)

  文二六十七に、両翅(りょうし)の相去ること三百三十六万里と。名義(みょうぎ)三十九。

一 日本国。

  義楚(ぎそ)二十一・五、随筆の三・三十。

一 問うて云く華厳(けごん)経等

  此の下、次に(しゃく)、亦三あり。初めに異解(いげ)を破し、次に「法華経に云く、已今当」の下は正しく釈し、三に「密厳経」の下は相似(そうじ)の文を()す。初めの異解を破す、亦二あり。初めに四宗の異解を(ちょう)し、次に「日蓮なげいて云く」の下は正しく破す。初めの四宗の異解を牒す、(また)二あり。初めに元祖(がんそ)を出し、次に「此の四宗」の下は末弟。

一 華厳経と法華経と六難の内・名は二経なれども所説・乃至理()同じ文。

  華厳宗の意は、彼の経第七巻に六難相似(そうじ)の文あり。次下に御所引の如く「大乗を求むることは(なお)(やす)しと()し、()く是の法を信ずるは(はなは)(かた)しと為す」等云云。故に所説同じと云うか。又二経の理(ひと)しくして差別無し。例せば「四門(しもん)(かん)(べつ)なれども、真諦(しんたい)を見ることは同じ」の如し。故に理同じと云うなり。

一 四門(かん)(べつ)

  止観六・二十五の文なり。次の文に云く「城に四門有れども、会通(えつう)すること異ならざるが如し」と云云。是れは教々の中の有門(うもん)空門(くうもん)等に約するなり。故に真諦(しんたい)を見ること同じきなり。

一 第三時の教・六難の(うち)なり

  法相(ほっそう)宗の意は、一乗方便・三乗真実と云うと(いえど)も、或る時は(また)華厳(けごん)・法華・深密を(とも)に第三時の教に属するなり。(げん)(さん)一・二十に云く「教三と言うは、一には多く有宗を説く、阿含(あごん)等は(これ)なり。二には多く空宗を説く、即ち中論・百論・十二門・般若(はんにゃ)等是なり。三には非空(ひくう)()宗、即ち華厳・深密・法華等是なり」と已上。

()の宗は深密経に()って三時の教を立つ。一には有相(うそう)、二には無相教、三には中道教なり。故に彼の所依(しょえ)の経文、次下二十一に御所引の如し。此等の義、実に()(しゃく)に大海を()るるが如きなり云云。


         つづく
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by johsei1129 | 2015-08-22 18:52 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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