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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 08月 17日

観心本尊抄文段 下一  伝教大師云く「霊山(りょうぜん)報土は劫火(ごうか)にも焼けず」等云云。


  第七段 略して本尊を明かす

一 ()れ始め寂滅(じゃくめつ)道場(どうじょう)華蔵(けぞう)世界より等

此の下は次に本尊を明かす、亦二と()す。初めに略釈(りゃくしゃく)、次に「問う正像」の下は広釈(こうしゃく)

初めの略釈、三と為す。初めに権迹(ごんしゃく)熟益(じゅくやく)の本尊を明かし、次に「今本時の」の下は本門脱益(だっちゃく)の本尊を明かし、三に「此の本門の肝心」の下は文上熟脱の本尊を(えら)びて、文底下種の本尊を(あらわ)すなり。

問う、初めの文に()し熟益の本尊を明かさば、(まさ)に教主の身相及び脇士(きょうじ)等を明かすべし。何ぞ(ただ)変土無常(むじょう)の相のみを明かすべけんや。

答う、実に所問の如し。(しか)るに教主の身相は(さき)(すで)之を明かせり。故に今文には之を略するなり。(いわ)く、上の文に云く「教主釈尊は()(じょう)正覚(しょうがく)の仏四十(しじゅう)()(ねん)の間、四教の色身を示現(じげん)()(ぜん)迹門(しゃくもん)涅槃(ねはん)経等を演説(えんぜつ)して」等云云。

若し脇士(きょうじ)等は後に(まさ)之を明かさんとす。故に(また)之を略するなり。(いわ)く、下の文に云く「正像二千年の間は小乗の釈尊は迦葉(かしょう)阿難(あなん)を脇士と()、権大乗並に涅槃(ねはん)・法華経の迹門等の釈尊は文殊(もんじゅ)()(げん)等を以て脇士と為す」等云云。

今、文には略すと(いえど)も、其の義は宛然(おんねん)なり。今大旨(たいし)を考え、以て其の文を(しょう)す。学者(ただ)文にのみ随って()を生ずること(なか)れ。云云。

一 華蔵(けぞう)(みつ)(ごん)

「華蔵」は即ち是れ実報土(じっぽうど)なり。「密厳」は亦是れ寂光土(じゃっこうど)なり。「(さん)(ぺん)」とは即ち宝塔(ほうとう)品の所変なり。「四見」とは即ち涅槃経の所見(しょけん)なり。(しゃく)(せん)の第七の意は、三変土田(どでん)を以て正しく同居(どうこ)(じょう)に約し、兼ねて実報・方便と為す。故に「三変」は同居の浄土・方便・実報なり。「四見」は(すなわ)ち同居・方便・実報・寂光なり。故に「三土四土」とは即ち「三変四見」の所変・所見の()を示すなり。(みな)成劫(じょうこう)の上の無常(むじょう)()」とは即ち是れ三界同居(どうこ)穢土(えど)なり。「(のう)(へん)の教主」とは今日(こんにち)同居出世の釈尊なり。「所変の諸仏」とは方便土の勝応(しょうおう)(じん)、実報土の()受用(じゅゆう)(しん)、寂光土の(ほっ)(しん)、安養の弥陀(みだ)浄瑠璃(じょうるり)の薬師、(みつ)厳土(ごんど)の大日如来等なり。今日出世の釈尊涅槃(ねはん)に入れば此等の諸仏は随って滅尽(めつじん)するなり云云。

一 今本時の(しゃ)()世界は等

此の下は本門脱益(だっちゃく)の本尊を明かす、(また)二と()す。初めに(まさ)しく明かし、次に迹門には(いま)だ説かざる所以(ゆえん)を示す。

初めの正しく明かすに亦二と()す。初めに正しく脱益の本尊を明かし、次に「此れ即ち」の下は在世(ざいせ)の観心を明かすなり。

文に云う「今本時」等とは、(しばら)文を引いて以て当文を(しょう)せん。経に云く「()()(ぎゅう)(しゅ)(そう)()(しゅつ)(りょう)鷲山(じゅせん)」等云云。「時」は即ち本時なり。「我」は即ち仏なり。「衆僧」は是れ所化(しょけ)なり。「倶出」は即ち同体なり。(いわ)く、師弟(とも)三世(さんぜ)常住(じょうじゅう)なり。故に「倶出」「(ぎゅう)」は同体を云うなり。(げん)の真記の第九に云く「経に『時我及衆僧倶出霊鷲山』と云云。()れは師弟の三世常住を明かすなり」と云云。「霊鷲山」は即ち三災を離れ、四(こう)を出でたる常住の浄土なり。故に伝教(でんぎょう)大師云く「霊山(りょうぜん)報土(ほうど)劫火(ごうか)にも焼けず」等云云。

文に云う「仏(すで)に過去にも滅せず」等とは、経に云く「(にょ)()()成仏(じょうぶつ)已来(いらい)乃至常住(じょうじゅう)不滅(ふめつ)」と云云。故に経文の相は正しく是れ過去常住なり。故に「過去にも滅せず」と云う(しか)るに大師、此の四字に寄せて以て未来常住を明かす。故に「未来にも()ぜず」と云うなり。


          つづく


文段下 目次



by johsei1129 | 2015-08-17 20:55 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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