日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 08月 02日

開目抄愚記 下八  「本土」は常住の故に浄土なり、「迹土」は無常の故に穢土(えど)なり。


  第三十二段 脱益の三徳を明かす

一 此の過去(かこ)(じょう)(あらわ)るる時等

此の下は本門第二に脱益(だちゃく)(さん)(とく)を明かす。(おのずか)ら三あり。初めに十方(じっぽう)の諸仏は(なお)釈尊の眷属(けんぞく)なることを明かし、次に「仏は久遠」の下は迹化・他方等も尚釈尊の()弟子(でし)なることを明かし、三に「而るを天台宗」の下は、釈尊は正しく是れ下種(げしゅ)の父なることを明かすなり。初めの十方の諸仏も亦釈尊の眷属(けんぞく)なることを明かすに、亦二有り。初めに標、次に「()(ぜん)・迹門」の下は釈。

一 諸仏、皆釈尊の分身(ふんじん)なり

 釈尊は是れ天上の月の如し、分身は万水に(うか)ぶ影の如し等云云。二十八・二十一ヲ、九・五ヲ

一 ()(ぜん)迹門(しゃくもん)の時等

 此の下は釈、亦二有り。初めに正しく釈し、次に所領の()を明かす。

一 諸仏を本尊とする者等

  取要抄六に云く「或る人師は釈尊を(くだ)して大日如来を仰崇(ぎょうすう)し、或る人師は世尊は無縁(むえん)なり阿弥陀(あみだ)有縁(うえん)なり、或る人師は小乗の釈尊と、或は華厳経の釈尊と、或は法華経迹門(しゃくもん)の釈尊と」云云。

一 今華厳(けごん)の台上等

  言う所の「今」とは、即ち是れ顕本(けんぽん)の時なり。爾前・迹門の時は、(たと)えば(りっ)(こく)の諸侯、各々王と称するが如し。(いま)顕本の時は、六国皆(しん)に帰するが如し。故に諸仏は皆釈迦の眷属(けんぞく)と云うなり。

一 諸仏は皆釈()の眷属

  (げん)(もん)第六・五二に云く「性親愛の故に眷と名づけ、(たがい)(あい)順するが故に属と名づく」と云云。是れ(しょ)(あい)(のう)(じゅん)を以て眷属と名づくるなり。所愛能順は即ち是れ子なり、即ち弟子なり、即ち所従なり。今は所従を取って眷属と云うなり。

取要抄五に云く「教主釈尊は(すで)に五百(じん)(てん)(ごう)より已来(このかた)妙覚(みょうかく)()(まん)の仏なり。大日如来・阿弥陀(あみだ)如来・薬師如来等の(じん)十方(じっぽう)の諸仏は我等が本師教主釈尊の(しょ)(じゅう)等なり、天月の万水に浮ぶ(これ)なり」と文。(まさ)に知るべし、十方の諸仏は(なお)釈尊の所従なり。(いか)(いわん)や其の已下(いげ)をや云云。二十八・二十を見合すべし。

一 仏三十成道

  此の下は所領の土を明かす、亦二あり。初めに所知の前後を示し、次に「今、()(ぜん)・迹門」の下は所説の前後を示す。

一 大梵天(だいぼんてん)(のう)

  取要抄四に云く「釈尊と梵王等と始めには知行の前後(これ)(じょう)(ろん)す。(しか)りと(いえど)も一指を()げて之を(こう)(ふく)してより已来(このかた)梵天(こうべ)を傾け魔王(たなごころ)を合わせ」等云云。一指を挙げて之を降伏して奪取したまうなり。今、久遠実成(あらわ)れぬれば、実に是れ五百塵点劫より已来(このかた)、此の娑婆世界の本主にて(ましま)すなり。

一 今爾前・迹門等

  言う所の「今」とは、亦是れ顕本の時なり。今の字勢は(まさ)しく「打ち()へして」已下(いげ)に冠するなり。

一 此の土は本土となり等

  娑婆即寂光の法門は(ただ)本門に限るなり。

  本尊抄十六に云く「始め寂滅(じゃくめつ)道場・華蔵(けぞう)世界より沙羅(しゃら)(りん)に終るまで五十余年の間、(けぞう)(みつ)(ごん)(さん)(ぺん)()(けん)等の三土(さんど)四土(しど)は皆成劫(じょうこう)の上の無常の()変化(へんげ)する所の方便・実報・寂光・安養(あんよう)浄瑠璃(じょうるり)・密厳等なり。(のう)(へん)の教主涅槃(ねはん)に入りぬれば、所変の諸仏(したが)つて(めつ)(じん)す。()も又以て是くの如し。今本時の娑婆世界は三災を離れ、四劫を()でたる常住の浄土なり。仏(すで)に過去にも滅せず未来にも生ぜず、所化(しょけ)以て同体なり。此れ即ち()(しん)の三千具足・三種の世間なり。迹門十四品には未だ之を説かず、法華経の内に於ても時機(じき)未熟(みじゅく)の故か」と文。

(まさ)に知るべし「本土」は常住の故に浄土(じょうど)なり、「迹土」は無常(むじょう)の故に穢土(えど)なり。



                   つづく
開目抄愚記下 目次



by johsei1129 | 2015-08-02 22:05 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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