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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 04日

日蓮初めて此の大白牛車の一乗法華の相伝を申し顕はせりと説いた【大白牛車書】

【大白牛車書】
■出筆時期:建治三年(1277)十二月十七日 五十六歳御作
■出筆場所:身延山中 草庵にて。
■出筆の経緯:本書は南条時光に与えられた書と思われます。
本書で大聖人は法華経譬喩品第三に説かれる大白牛車の譬を引いて「一念三千・久遠実成・即身成仏は法華に限れり」と示すとともに、「弘法大師は是をも真言の経にありと直せり」と弘法大師の邪義を破折しております。さらに文末では「生死の二法は一心の妙用、有無の二道は本覚の真徳なり」「十如は只是れ乃至今境は是れ体」と天台、伝教の文を引いて「此の文釈能能案じ給うべし」と諭されておられます。

尚、譬喩品に説かれる大白牛車の譬とは、法華経で説かれる7つの喩えの一つ「三車火宅」の事です。
内容は、ある時長者の古い広大な屋敷で火事が起きる。その屋敷の一角で多数の長者の子供達が遊びに夢中なっていた。長者は子供を脱出させようと説得するが、全く言うことを聞かない。そこで長者は一計を案じ、子供たちが前から欲しがっていた「羊車・鹿車・牛車の三つの車を門の外に置いたので、好きな車を早い者勝ちで選びなさい」と誘って、子供たちを無事脱出させる。その後子供たちは長者に約束した車をくれるようお願いすると、長者は全員に立派な大白牛車を与えた。

この喩えは長者は仏(釈尊)、火宅は苦界の娑婆世界、子供たちは六道を輪廻している衆生、三車は声聞・縁覚・菩薩の三乗を象徴している。つまり三車は、爾前教の三乗の教えを示し、大白牛車は一乗(仏乗)を示している。釈尊は舎利弗を対告衆として方便品を説いたあと、譬喩品で舎利弗を未来世で華光如来になると記別を与え、爾前教で説いた二乗不作仏を、自ら打ち破る。この理由を三車火宅の喩えを用いて、わかりやすく法華経の座に連なった弟子たちに説いている。つまり三車火宅の喩えは、最初に三乗を説いて衆生を苦界から引き上げ、最後に法華経で一乗(仏道)を説くという釈尊の巧みな化導を示している。
■ご真筆:現存していない。
[大白牛車書 本文]

夫れ法華経第二の巻に云く「此の宝乗に乗り直ちに道場に至る」と云云。

日蓮は建長五年三月二十八日、初めて此の大白牛車の一乗法華の相伝を申し顕はせり。
而るに諸宗の人師等・雲霞の如くよせ来り候。中にも真言・浄土・禅宗等、蜂の如く起りせめたたかふ。

日蓮、大白牛車の牛の角(つの)最第一なりと申してたたかふ。両の角は本迹二門の如く二乗作仏・久遠実成是なり。
すでに弘法大師は法華最第一の角を最第三となを(直)し、一念三千・久遠実成・即身成仏は法華に限れり、是をも真言の経にありとなをせり。かかる謗法の族(やから)を責めんとするに返つて弥(いよいよ)怨をなし候。

譬えば角(つの)を・なをさんとて牛をころしたるが如くなりぬべく候ひしかども、いかでさは候べき。
抑(そもそも)、此の車と申すは本迹二門の輪を妙法蓮華経の牛にかけ、三界の火宅を生死生死とぐるり・ぐるりとまは(廻)り候ところの車なり。
ただ信心のくさび(轄)に志のあぶら(膏)をささせ給いて、霊山浄土へまいり給うべし。又心王は牛の如し・生死は両の輪の如し。

伝教大師云く「生死の二法は一心の妙用、有無の二道は本覚の真徳なり」云云。
天台云く「十如は只是れ乃至今境は是れ体」と云云。此の文釈能能(よくよく)案じ給うべし、南無妙法蓮華経・南無妙法蓮華経。

十二月十七日       日蓮 花押

【妙法蓮華経 譬喩品第三】

 汝舎利弗 我為衆生 以此譬諭 説一仏乗
 汝等若能 信受是語  一切皆当 得成仏道
 <中略>

無量億千 諸力解脱 禅定智慧 及仏余法
 得如是乗 令諸子等 日夜劫数 常得遊戲
 与諸菩薩 及声聞衆 乗此宝乗 直至道場
以是因縁 十方諦求 更無余乗 除仏方便

[和訳]  
 汝、舎利弗よ、 我(釈尊)衆生の為に 此の譬諭を以て 一仏乗を説かん。
 汝等、若し能く是語を信受せば、一切皆、当に仏道を成ずることを得るべし。
 <中略>
 無量億千の、諸の力・解脱・ 禅定・智慧及び仏の余の法あり。
 かくの如き乗(仏の乗り物)を諸子らに得さしめて、日夜、劫数(数え切れないほどの長い間)、常に楽しむことを得て、
 諸菩薩及び声聞衆は、この宝乗(大白牛車)に乗って、直ちに悟りの道場に至る。
 この因縁を以て、十方にあきらかに求めたとしても、(仏乗以外の)更に他の乗はないのだ。仏の方便の教えは除いて。







 

by johsei1129 | 2019-11-04 09:34 | 南条時光(上野殿) | Trackback | Comments(0)
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