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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 07月 19日

開目抄愚記 下一  事の一念三千とは、即ち是れ本門の本尊なり

開目抄下愚記本

第二十八段 起後(きご)の宝塔の義を明かす

一 (しか)れども霊山(りょうぜん)日浅くして等

 此の下は本門、(また)二有り。初めに正しく明かし、次に「此の過去常」の下は脱益(だっちゃく)の三徳を明かす。初めの正しく明かすに亦二有り。初めに序分、次に「仏此の疑に答えて」の下は正しく説く。初めの序分に亦二有り。初めに遠序(おんじょ)、次に「其の上に」の下は(ごん)()。初めの遠序に亦二有り。初めに略して分身の儀式を示し、次に「華厳」の下は今昔(こんじゃく)対弁(たいべん)

「霊山日浅くして」とは、八年の中にも始めなるが故なり。(しこう)して後の本門を望む意を含むなり。

一 証前(しょうぜん)宝塔(ほうとう)の上に等

  問う、証前・起後(きご)の中に(ぼう)(しょう)有りや。

  答う、起後の本門は是れ正意(しょうい)なり。何となれば、(すで)三周(さんしゅう)を説き(おわ)って後、宝塔(ほうとう)(ここ)()(げん)す。故に知んぬ、正しく後の本門を起こさんが為なり。(いわん)(さつ)(うん)経に准ずるに、多宝は正しく寿量品を()うるをや。故に文八三十一に薩雲経を引いて云く「仏、法華の無央()()()を説きたまう時に、七宝の塔あって地より()(しゅつ)す。釈尊を(たん)じて言いたまわく、我(ことさら)(きた)って供養す。願わくは我が金床に坐し、更に我が(ため)薩雲(さつうん)分陀(ふんだ)()を説きたまえと。即ち是れ三周を説いて更に寿量を(しょう)ずるなり」と文。

  問う、迹本の証明に(ぼう)(しょう)有りや。

  答う、本門は正意なり。故に文六四十九に云く「迹門の近事(ごんじ)を説いては(いま)だ古証を用いず。()し本門の遠事(おんじ)を説くには、必ず(すべから)く先ず昔を証とすべし」と文。

  問う、在滅の中に傍正有りや。

  答う、別して滅後と為すなり。(つぶさ)取要抄()の如し云云。

  (いま)元意を示さば、其の熟脱の迹本二門を証するを通じて証前迹門と名づけ、文底下種の要法を引き起すを、正しく起後本門と名づくるなり。(ここ)に文底下種の本門を引き起こすは、(ここ)に文底下種の本門を証せんが(ため)なり云云。

一 十方(じっぽう)の諸仏・来集(らいじゅう)せる等

  問う、釈尊の(ほか)、別仏有りや。若し有りといわば、既に十方の諸仏は皆我が分身(ふんしん)といい、()し無しといわば、既に(げん)(もん)第七に()(げん)経及び神力(じんりき)品を引いて更に余仏あることを明かす。如何(いかん)

  答う、一義に云く、十方等というと(いえど)も、十方を(つく)すの義に(あら)ず。是れ経文に准ずる故に十方というと。(いわ)く、経に云く「我が分身の諸仏、十方世界に(ましま)又云十方(おのおの)(もろもろ)の菩薩に告げん」と。又云く「十方の諸仏(みな)(ことごと)く来集して」等云云。

  今謂く、本門の意に()って(かえ)って此の義を判ずるに、寿量の顕本(けんぽん)(すなわ)ち二意有り。()し文上の顕本(けんほん)は、久遠実成の本果の釈尊を以て本仏と()す。故に釈尊の外にも亦余仏有り。若し文底の顕本は、久遠元初の自受(じじゅ)(ゆう)(しん)を以て本仏と為す。故に(ただ)是れ自受用身の一仏なり。是れ容易の義に(あら)ざる故に今(しばら)く是れを略す。彼の玄文の三世料簡(りょうけん)の中の初めに略して立つる中は、是れ文底の顕本に()るなり。次に問答料簡の下は、文上の顕本の意なり。宗祖の日眼女抄興師(こうし)の五重円等、是れを思い合わすべし。

  問う、分身(ふんしん)来集(らいじゅう)証前(しょうぜん)起後(きご)有りや。

  答う、実に所問の如し。今元意を示さん。証前の来集は、迹門の(じゅく)(やく)・本門の脱益(だっちゃく)(じょう)ぜんが為なり。起後の来集は、久遠本因(ほんにん)(みょう)の受持、信心の内証を引き起こさんが為なり。(さき)に准じて知るべし。

一 宝塔(ほうとう)虚空(こくう)

 問う、何事を(ひょう)するや。

 答う、因果国の三妙を表するなり。謂く、宝塔虚空は本国土妙を表し、釈迦・多宝(たほう)・分身は本果の(さん)(じん)を表し、人天大会(たいえ)は本因の九界を表するなり。此の三妙即ち事の一念三千なり。事の一念三千とは、即ち是れ本門の本尊なり。故に新尼抄に云く「今()の御本尊は(乃至)宝塔品より事をこり」と云云。

            つづく
開目抄愚記下 目次



by johsei1129 | 2015-07-19 12:48 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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