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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 07月 18日

観心本尊抄文段 上一五

   

  第一段 一念三千の出処を明かす

一 摩訶止(まかし)(かん)第五等

当抄入文、大に三段と()す。

第一に一念三千の出処(しゅっしょ)を示す。第二に「問うて曰く、出処」の下は(まさ)しく観心本尊を明かす。第三に「一念三千を識らざる者には」の下は総結。

第一に一念三千の出処を示す文を、(わか)ちて二と為す。初めに正しく示し、次に「問うて曰く百界」の下は、一念三千は情・非情(ひじょう)(わた)るを明かす。

初めの正しく示すに(また)三と為す。初めに止観第五正観章の文を出し、次に「問うて云く玄義」の下は玄文並びに止観の(さき)の四に一念三千を明かさざるを示し、三に「夫れ智者」の下は結歎(けったん)。初めの止観の第五正観章の文を出すに、先ず開結(かいけつ)()し、後に異本を示す。

一 世間と(にょ)()と一なり開合の異なり

此の文は先ず開釈(かいしゃく)結成(けつじょう)の二文を会するなり。文の意は止観(しかん)第五に一念三千を明かす文に(また)二筋あり。(いわ)く、初め開釈の中の意は百界は(のう)()、世間は(しょ)()、世間は能具、如是は所具なり。故に百界・三百世間・三千如是と成るなり。

次に結成(けつじょう)の中の意は百界は能具、如是は所具、如是は能具、世間は所具なり。故に百界・千如・三千世間と成るなり。(しか)るに開釈の中に如是に約して法数を成ずる時も、(ただ)是れ三千なり。結成の中に世間に約して法数を成ずる時も、唯是れ三千なり。故に「世間と如是と一なり」と云うなり。(ただ)し開釈の中には世間を合して三百と()し、如是を開して三千と為す。若し結成の中には如是を合して千如と為し、世間を開して三千と為す。(ただ)此れ開合の異のみにして三千は別ならず。故に「開合の異なり」と云うなり。

問う、大師は一念三千を明かすこと、(まさ)しく今経の十如の文に()る。故に(まさ)に如是に約して数量を結すべし。何ぞ結成の中に至って世間に約してこれを結するや。

答う、迹門には(いま)だ国土世間を明かさず。故に一念三千その義を(つく)すに(あら)ざるなり。正しく本門に至って十界久遠の上に国土世間(すで)(あらわ)る。故に大師は迹門を以て(おもて)()、本門を以て裹と為して一念三千其の義を尽すなり。故に開釈(かいしゃく)の中には迹門の文に()って数量を(じょう)じ、結成(けつじょう)の中には本門の意に依って法数を成ずるなり。

問う、止追加の義に云く「開釈・結成(とも)に十如に約す。而して結成の中に十如を世間と名づくることは、(もと)三世間(おのおの)十如を具す。故に其の本に従って世間と名づくるなり。是れ(すなわ)ち一念三千は正しく法華の十如に依る。何ぞ余文に()って数量を成ぜんや」と云云。此の如何(いかん)

答えて云く、十章抄に云く「止観に十章あり。(さき)の六重は(みょう)()、迹門の意、第七の正観は本門の意なり。一念三千の出処は(りゃっ)(かい)(さん)の十如実相なれども義分は本門に限る」(取意)等云云。

四吾釈迦仏供養抄()に云く「一念三千の法門と申すは三種の世間よりをこれり」等云云。

(にち)(おん)(いか)んぞ此の文を引いて和会(わえ)せざるや。

問う、妙境要義に云く「開釈は法華に()る、故に十如に約す。結成は涅槃(ねはん)大論に依る、故に世間に約す」等云云。此の義如何。

答う、此の義は大旨(たいし)を失するなり。

問う、朝抄の一義に云く「正釈(しょうしゃく)は迹門の意。結成は本門の(ずい)(えん)()(えん)の義なり」と云云。

今謂く、本迹は然るべし。随縁事円は今に()っては便ならざるか。

問う、(にち)()の抄に云く「十如は開なり、三世間は合なり。又合すれば十如、開すれば三世間なり。又十如を離れて三世間無く、三世間を離れて十如(これ)無し。故に一と云うなり」と云云。

問う、日忠の抄に云く「玄文は(にょ)に約して法数を成じ、止観(しかん)は界に約して三千を成ず。然れども()れは(ただ)同意なり。開する時は三千種の世間なり、合する時は一箇の(にょ)()に収まるなり」と云云。

(いわ)く、日我の抄・日忠の抄、(おのおの)分明(ふんみょう)ならざるか。其の(ほか)之を略す云云。


                  つづく

上巻 目次



by johsei1129 | 2015-07-18 22:28 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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