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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 15日

日蓮は首題の五字を汝にさづく、法華経受持の者を守護せん、と説いた【法華経兵法事】

【四条金吾殿御返事(法華経兵法事)】
■出筆時期:弘安二年(西暦1279年)十月二十三日 五十八歳御作。
■出筆場所:身延山中 草庵にて。
■出筆の経緯:本書は、四条金吾が主君である江馬入道の御勘気が解け、さらに以前より領地を加増されたことを恨んだ者から大聖人が度々心配されていたとおり襲われる事態が起きたが、無事対処できたことを直ちに大聖人に報告され、そのことへの返書となっております。
大聖人は「日蓮は首題の五字(妙法蓮華経)を汝にさづく、法華経受持のものを守護せん事疑あるべからず」と記すとともに法華経法師功徳品を引いて、法華経を受持する者は諸天が必ず守護するので「ふかく信心をとり給へ、あへて臆病にては叶うべからず候」と諭されております。
■ご真筆: 現存していない。

[四条金吾殿御返事(法華経兵法事)本文]

 先度強敵と・とりあひ(取合)について御文給いき。委(くわし)く見まいらせ候。さても・さても・敵人にねらはれさせ給いしか。前前の用心といひ・又けなげといひ、又法華経の信心つよき故に難なく存命せさせ給い、目出たし・目出たし。

 夫れ運きはまりぬれば兵法もいらず、果報つきぬれば所従もしたがはず。所詮運ものこり・果報もひかゆる故なり。ことに法華経の行者をば諸天善神・守護すべきよし属累(ぞくるい)品にして誓状をたて給い、一切の守護神・諸天の中にも我等が眼に見へて守護し給うは日月天なり。争(いか)でか信をとらざるべき。

 ことに・ことに日天の前に摩利支天まします。日天・法華経の行者を守護し給はんに、所従の摩利支天尊すて給うべしや。序品の時「名月天子・普光天子・宝光天子・四大天王・与其眷属(よご・けんぞく)・万天子倶(まんてんじく)」と列座し給ふ。まりし天は万天子の内なるべし。もし内になくば地獄にこそおはしまさんずれ。

 今度の大事は此の天のまほりに非ずや。彼の天は剣形(けんぎょう)を貴辺にあたへ此(ここ)へ下(くだ)りぬ。此の日蓮は首題の五字を汝にさづく、法華経受持のものを守護せん事疑ひあるべからず。まりし天も法華経を持ちて一切衆生をたすけ給う。「臨兵闘者皆陣列在前(りんぴょうとうしゃ・かいじんれつざいぜん)」の文も法華経より出でたり。「若説俗間経書・治世語言・資生業等・皆順正法」とは是なり。

 これに・つけても・いよいよ強盛に大信力をいだし給へ。我が運命つきて諸天守護なしとうらむる事あるべからず。
 将門は・つはものの名をとり・兵法の大事をきはめたり。されども王命にはまけぬ。はんくわひ(樊噲)・ちやうりやう(張良)もよしなし・ただ心こそ大切なれ。いかに日蓮いのり申すとも不信ならば、ぬ(濡)れたる・ほくちに・火をうちかくるが・ごとくなるべし。

 はげみをなして強盛に信力をいだし給うべし。すぎし存命不思議とおもはせ給へ。なにの兵法よりも法華経の兵法をもちひ給うべし。「諸余怨敵・皆悉摧滅」の金言むなしかるべからず。兵法剣形の大事も此の妙法より出でたり。ふかく信心をとり給へ、あへて臆病にては叶うべからず候。恐恐謹言。

 十月二十三日          日 蓮 花押

 四条金吾殿御返事


【妙法蓮華経 法師功徳品第十九】
復次常精進 若善男子 善女人 如来滅後 受持是経
若読 若誦 若解説 若書写 得千二百意功徳
以是清浄意根 乃至聞一偈一句 通達無量無辺之義
解是義已 能演説一句一偈 至於一月四月 乃至一歳
諸所説法 随其義趣 皆与実相 不相違背
若説俗間経書 治世語言 資生業等 皆順正法

(和訳)
また次に常精進(菩薩)よ、もし善男子、善女人が如来の滅後、この経を受持し
一偈一句でも、若しは読み、若しは誦じ、若しは解説(げせつ)し、若しは書写せば、千二百の意(こころ)の功徳を得る。
この清浄な意根をもって、(この経の)一偈一句を聞かんば、無量無辺の義を通達する。
この義を已に解し、一句一偈をも能く演説すること一月、四月、乃至一年に至らんに、
諸々説く所の法は、其の義趣に随して、皆、実相と相違背せず。
同様に、若し俗世(仏法以外)の間の経書、治世(政治に関する)の語言、資生(経済に関する)の業等を説いたとしても、皆正法(法華経)に順ずる。




by johsei1129 | 2019-11-15 21:51 | 四条金吾・日眼女 | Trackback | Comments(0)


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