日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 06月 09日

日月の光明の能く諸の幽冥を除くが如く斯の人世間に行じて能く衆生の闇を滅す、と説いた【寂日房 御書】

【寂日房御書】
■出筆時期:弘安二年(西暦1279)九月十六日 五十八歳御作。
■出筆場所:身延山中 草庵にて。
■出筆の経緯:本抄は日興上人が定めた六人の弟子の一人で大聖人に常随給仕された、寂日房日華上人に宛てられて書です。大聖人は本抄の文末で「此の事寂日房くわしくかたり給へ」と寂日房に指示され、文中では「父母となり其の子となるも必ず宿習なり」と記されていることから、寂日房の両親に本抄で記した法門を説き聞かせなさいと伝えたものと思われます。また大聖人は寂日房に対して「我が滅度の後に於て応に此の経を受持すべし是の人仏道に於て決定して疑い有ること無けん<中略>かかる者の弟子檀那とならん人人は宿縁ふかしと思うて日蓮と同じく法華経を弘むべきなり」と説いて、法華経弘通に更に励むよう諭されております。
■ご真筆: 現存していない。

[寂日房御書 本文]

 是まで御をとづれかたじけなく候、夫れ人身をうくる事はまれなるなり、已にまれなる人身をうけたり又あひがたきは仏法・是も又あへり、同じ仏法の中にも法華経の題目にあひたてまつる結句題目の行者となれり、まことにまことに過去十万億の諸仏を供養する者なり。

 日蓮は日本第一の法華経の行者なりすでに勧持品の二十行の偈の文は日本国の中には日蓮一人よめり。
 八十万億那由佗の菩薩は口には宣たれども修行したる人一人もなし、かかる不思議の日蓮をうみ出だせし父母は日本国の一切衆生の中には大果報の人なり。父母となり其の子となるも必ず宿習なり、若し日蓮が法華経・釈迦如来の御使ならば父母あに其の故なからんや、例せば妙荘厳王・浄徳夫人・浄蔵・浄眼の如し、釈迦多宝の二仏・日蓮が父母と変じ給うか、然らずんば八十万億の菩薩の生れかわり給うか、又上行菩薩等の四菩薩の中の垂迹か不思議に覚え候、一切の物にわたりて名の大切なるなり、さてこそ天台大師・五重玄義の初めに名玄義と釈し給へり。

 日蓮となのる事自解仏乗とも云いつべし、かやうに申せば利口げに聞えたれども道理のさすところさもやあらん、経に云く「日月の光明の能く諸の幽冥を除くが如く斯の人世間に行じて能く衆生の闇を滅す」と、此の文の心よくよく案じさせ給へ。斯人行世間の五の文字は上行菩薩・末法の始の五百年に出現して南無妙法蓮華経の五字の光明をさしいだして無明煩悩の闇をてらすべしと云う事なり、日蓮は此の上行菩薩の御使として日本国の一切衆生に法華経をうけたもてと勧めしは是なり、此の山にしてもをこたらず候なり、今の経文の次下に説いて云く「我が滅度の後に於て応に此の経を受持すべし是の人仏道に於て決定して疑い有ること無けん」と云云、かかる者の弟子檀那とならん人人は宿縁ふかしと思うて日蓮と同じく法華経を弘むべきなり、法華経の行者といはれぬる事はや不祥なりまぬかれがたき身なり、彼のはんくわいちやうりやうまさかどすみともといはれたる者は名を・をしむ故にはぢを思う故に・ついに臆したることはなし、同じはぢなれども今生のはぢは・もののかずならず・ただ後生のはぢこそ大切なれ、獄卒・だつえば懸衣翁が三途河のはたにて・いしやうをはがん時を思食して法華経の道場へまいり給うべし、法華経は後生のはぢをかくす衣なり、経に云く「裸者の衣を得たるが如し」云云。

 此の御本尊こそ冥途のいしやうなれ・よくよく信じ給うべし、をとこのはだへをかくさざる女あるべしや・子のさむさをあわれまざるをやあるべしや、釈迦仏・法華経はめとをやとの如くましまし候ぞ、日蓮をたすけ給う事・今生の恥をかくし給う人なり後生は又日蓮御身のはぢをかくし申すべし、昨日は人の上・今日は我が身の上なり、花さけばこのみなり・よめのしうとめになる事候ぞ、信心をこたらずして南無妙法蓮華経と唱え給うべし。

 度度の御音信申しつくしがたく候ぞ、此の事寂日房くわしくかたり給へ。

九月十六日          日 蓮 花押

 【妙法蓮華経 如来神力品 第二十一】

 於如来滅後 知仏所説経 因縁及次第 随義如実説
 如日月光明 能除諸幽冥 斯人行世間 能滅衆生闇
 教無量菩薩 畢竟住一乗 是故有智者 聞此功徳利
 於我滅度後 応受持斯経 是人於仏道 決定無有疑

 [和訳]
如来の滅後に、仏が説く教の因縁と次第を知りて、義に随って実の如くに説かば
 日月の光明が、諸々の幽冥(くらやみ)を能く除くように、此の人は世間に行じて能く衆生の闇を滅し、
 無量の菩薩(求道者)を究極的に一乗(仏道)に住せしめる。是故に、智慧ある者はこの功徳の利を聞いて、
 我が滅度の後に、まさにこの教を受持すべし。此の人は仏道に於いて、必ず悟を得ることに疑いはない。

by johsei1129 | 2015-06-09 22:03 | 弟子・信徒その他への消息 | Trackback | Comments(0)
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