2015年 05月 26日
第十四段 滅後の難信
一 但在世は四十余年文。 この下は権迹相対の中の第二、滅後の難信なり。これまた三に分つ。初めに難信の相を明かし、当世の体を示す。次に「日蓮云く」の下は、明証を引いて難信の信を勧む。三に「賢王」の下は結歎。初文にまた二あり。初めに難信の相を明かし、次に当世の体を示す。各標・釈あり。学者見るべし云云。 一 法華経にては・なきなり文。 文意に云く、法華経を信ずるにてはなきなりと云云。 問う、如何が信ずるを法華経を信ずると名づくるや。 答う、撰時抄下三十五の判の如し。「経文の如く已今当に勝れて法華経より外に仏道を成ずるなしと強盛に信ずる」を法華経を信ずると名づくるなり。 また報恩抄下六に云く「法華経をよむ人の此の経をば信ずるよう・なれども諸経にても得道なるとおもうは此の経をよまぬ人なり」と云云。 諸経にても得道なると思うは即ち諸経と法華経とは一という意なり。かくの如き輩は信ずるようにて而も信ぜぬにてあるなり。 一 其の故は法華経乃至阿弥陀経と一なるやう等文。 問う、これ何れの師ぞや。 答う、報恩抄下八に云く「華厳の澄観も真言の善無畏も大日経と法華経とは理は一とこそ・かかれて候へ」と云云。 また顕真座主の如く小法華経読まんとては念仏を申し、大念仏申さんとては法華経を読みたまう云云。 大覚抄十八・三十四に云く「世間に智者と思われたる人人外には智者気にて、内には仏経を弁えざる故に念仏と法華経とは只一なりなんと申すなり」と云云。 此等は並びにこれ権実一致の僻見、大謗法の根本なり。 故に報恩抄下八に云く「嘉祥大師(乃至)但法華経と諸大乗経とは門は浅深あれども心は一とかきてこそ候へ、此れが謗法の根本にて候か」と云云。 十章抄三十・三十に云く「日本国の謗法は爾前の円と法華の円と一つという義の盛なりしより・これはじまれり」等云云。 権実一致尚爾なり。何に況や本迹一致をや。宗祖の所謂「猶相違あり」と。これを思え。見るべし、愍むべし、悲しむべし。 一 別別なる等文。 爾前は無得道、法華は独り成仏云云。これ別々の相なり。 一 日蓮云く日本国等文。 この下は次に明証を引いて難信の信を勧むるなり。既に法華・涅槃の明文を引いてこの経文に符合することを明かせり。「能く能く思惟あるべし」云云。故に知んぬ、難信の信を勧むるなり。例せば多宝分身を明引して難信の信を生ずるが如し云云。 一 能く此の経を説かん是れ則ち為難し等文。 所引の意はまた蓮師に通ずるなり。 故に撰時抄上二十二に云く「よくとくと申すはいかなるぞと申すに於諸経中最在其上と申して大日経・華厳経・涅槃経・般若経等に法華経はすぐれて候なりと申す者をこそ経文には法華経の行者とはとかれて候へ、もし経文のごとくならば日本国に仏法わたて七百余年、伝教大師と日蓮とが外は一人も法華経の行者はなきぞかし」と云云。 一 賢王の世等文。 これは当世の濁世に約して難信を結歎するなり。謂く、愚王・愚人の世には非道を先とし、正法の理隠る。豈信ずること難きに非ずや。寧ぞ悲歎せざらんや。「賢王・聖人」は只これ所対にこれを挙ぐるなり。 下文三十・三に云く「闘諍の序となるべきゆへに悲理を前として濁世のしるしに召し合せられずして流罪乃至寿にも・をよばんと・するなり」と云云。これを思い合すべし。 一 此の法門は迹門と爾前と相対して等文。 これは則ち「法華経の現文」已下の権迹相対の中の第三、結文なり。既に「迹門と爾前と相対して」という。豈権迹相対に非ずや。 「此に予愚見」の下は難信難解を以て法華真実を表す、三 初めに標 次に「法華経現文」の下は釈、二 第一に権迹相対、三 一 初めに正しく明かす、二 二 初めに列名略示 三 つぎに「其の故は仏」の下は広く一仏二言を明かす、三 一 初めに一仏は実語の人なることを示す 二 次に「此の大人」の下は二言相違、二 一 先ず迹門の意を挙ぐ 二 次に爾前の文を引く 三に「而るを後八年」の下は難信の相を示す、二 一 初めに正しく明かす 二 次に「人天」の下は証明を引いて難信の信を生ずるを明かす、二 一 初めに正しく今経を出だす 二 次に権に対して弁ず、三 一 初めに諸経の相を挙ぐ 二 次に「此等を法華」の下は正しく異を弁ず、二 一 初めに略判 二 次に「華厳経」の下は広く釈す 三に「而るを華厳」の下は雑乱を破す 次に「但在世」の下は滅後の難信、三 一 初めに難信の相を示す 二 次に「日蓮」の下は明証を引いて難信の信を勧む 三に「賢王」の下は結歎 三に「此の法門」の下は結 第二に「二には教主」の下は本迹相対○ 後の如し云云 三に「されば法相宗」の下は謬解を挙げて難信を結す
by johsei1129
| 2015-05-26 22:07
| 日寛上人 御書文段
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