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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 05月 23日

開目抄愚記 上十三

第十三段 多宝・分身の証明を示す

一 (しか)るを後八箇年(八年)の法華経等

この下は第三に難信の相を明かす、また二あり。初めに正しく明 かし、次に「人天(にんでん)」の下は、証明を引いて難信の信を生ずるを明かす。

一 あらませしが(か)。

  今(いわ)く、これ在の字なり。例せば「(もし)(ちち)在者(いましなば)」の「在」の字の如し。「か」の字は濁音、前後移転の「が」なり。常ならば「ありしが」とあるべき事なれども、今は仏の上を()ぶる故に「あらませしが」というなり。例せば常には「見」は「見たまう」というを、仏の上を宣ぶる時は「見そなわしたまう」なんどというが如し。故に今の文意は、されば未顕(みけん)真実の経文はありしが、天魔の現じてこの経を説かせたまうかと疑うなり云云。(ごん)抄の「有りたれども」の義、穏便(おんびん)ならず。啓蒙(けいもう)の「あるまじ」の義、可笑(かしょう)の至りなり。

一 人天大会(だいえ)

  この下は証明を引いて難信の信の生ずるを明かす、また二あり。初めに正しく今経を(いだ)し、次に「大覚(だいかく)」の下は権に対して(べん)ずるなり。

一 (こう)長舌(ちょうぜつ)(いだ)して

  薬王品得意抄二十三・十五の意に云く「不妄語(ふもうご)戒の功徳に()って此の広長舌相を得るなり」(取意)と云云。大論八・三に云く「若し人(した)()く鼻を覆うも虚妄なし。(いわん)(ほっ)(きい)に至るをや。況や梵世に至らんをや」と云云。また四に云く「仏、広長舌相を出す、不信者の為の故に」と文。此等の文意に准じて(まさ)に今文の意を知るべきなり。

一 今十方より来り等

  問う、今、還土(げんど)閉塔の文を引く、その意は如何(いかん)

  答う、この深意は釈尊の久後(くご)真実、多宝の(かい)()真実、分身(ふんじん)の広長舌相は即ちこれ究竟(くきょう)の真実なることを(あらわ)すなり。これ(すなわ)ち釈尊及び諸仏と(いえど)も、この説を破ること(あた)わざる故なり。

上野抄三十二・二十一に云く「法華経は釈迦仏・已今当の経経を皆()()へしうちやぶりて・此の経のみ真実なりととかせ給いて候いしかば・御弟子(みでし)等用ゆる事なし、()の時・多宝仏・証明をくわ()へ十方の諸仏・(した)梵天(ぼんてん)につけ給いき、さて多宝仏はと()らをたて十方の諸仏は本土に・かへらせ給いて後は・いかなる経経ありて法華経を釈迦仏やぶらせ給うとも・他人わゑ(和会)になりて・やぶりがたし」等云云。

  報恩抄に上七に云く「法師品に云く、此の法華経は最も()れ難信難解なりと云云。多宝仏は真実なりと証明し、十方の諸仏は広長舌を梵天に付け給いて後、各各(おのおの)国国へ(かえ)らせ給う。十方の諸仏は此の座にして御判形(ごはんぎょう)を加えさせ給う。各各また自国に還らせ給いて、我が弟子等に向い給いて、法華経に優れたる御経ありと説かせ給わば、其の所化の弟子等信用すべしや」(取意)と云云。

一 大覚世尊等

  この下は次に権に対して弁ず。中にまた三あり。先ず諸経の相を()げ、次に「此等を法華」の下は(まさ)しく異を弁じ、三に「(しか)るを華厳・法相」の下は(ぞう)(らん)を破す。

一 初成道(しょじょうどう)の時等

  これは華厳の十方(じっぽう)台葉の儀式を指すなり。華厳疏抄六・三十一。

一 般若(はんにゃ)経の御時等文。

  「舌を三千にをほ()ひ」とは大論第八・二紙已下、「千仏・十方に現じ」とは大論第六十四巻十九紙云云。

一 (こん)光明(こうみょう)経等

  光明記二・五十五。「阿弥陀(あみだ)経」とは図経の十紙云云。

一 大集経等

  第一巻の初めに云云。また二十一・十二。

  問う、所引の次第、如何(いかん)

  答う、深きより浅きに至るなり。

一 此等を法華経に等

  この下は(まさ)しく異を弁ずるにまた二あり。初めに略して判じ、次に「華厳(けごん)経には先後」の下は広く(しゃく)す。「(えい)(げん)」はかすんだる目なり。「眇目(みょうもく)」はすが目なり。「(じゃ)(げん)」はよこしまに見る目なり。

一 邪眼の者は・みたがへつべし

  意は、明眼の者は見たがえざる事を(あらわ)すなり。

             つづく
開目抄愚記 上 目次


by johsei1129 | 2015-05-23 15:18 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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