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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 05月 22日

大聖人渾身の祈りで南条時光の寿命を五十年延ばしたと認められた書【伯耆公御房消息】

【伯耆公御房消息】
■出筆時期:弘安五年(西暦1281)二月二五日 六十一御作。
■出筆場所:身延山中 館にて。
■出筆の経緯:本書は南条時光の病の急変を聞いた大聖人が、日朗に口述筆記させ、日興上人(伯耆房)に法華経薬王品の文を灰に焼いて精進河の水にいれ、時光に飲ませるよう指示している。さらに時光の大病がたとえ定業(寿命)だとしても、この度ばかりは助け給えと閻魔王に請願していると記し、時光に必ず助かるのだと強く励まされている。この大聖人の祈りにより、短命の家系だった時光は五十年寿命を延ばし、元弘元年(1331年)十月、大聖人の五十遠忌の法要を兄とも慕う日興上人とともに営み、翌年の正慶元年五月一日、七十四歳で、法華経、大聖人、日興上人に殉じた潔い生涯を終えている。
■ご真筆: 富士大石寺 所蔵(日朗代筆)

[伯耆公御房消息 本文]

 御布施、御馬一疋鹿毛・御見参に入らしめ候ひ了んぬ。

 兼ねて又此の経文は廿八字、法華経の七の巻薬王品の文にて候。然るに聖人の御乳母のひとゝせ(一年)御所労・御大事にならせ給ひ候て、やがて死なせ給ひて候ひし時、此の経文をあそばし候て、浄水をもってまいらせさせ給ひて候ひしかば、時をかへず・いきかへらせ給ひて候経文なり。
  
 なんでう(南条)の七郎次郎時光は、身はちいさきものなれども日蓮に御こゝろざしふかきものなり。
 たとい定業なりとも今度ばかり・えんまわう(閻魔王)たすけさせ給へと、御せいぐわん(請願)候。
 明日、寅卯辰(とらうたつ)の刻に、しやうじがは(精進河)の水とりよせさせ給ひ候て・このきやうもん(経文)をはいにやきて(灰に焼きて)、水一合に入れまいらせ候てまいらせさせ給ふべく候。恐々謹言。

    二月廿五日        日 朗 花 押

   謹 上  は わ き 公 御 房


[妙法蓮華経 薬王菩薩本事品第二十三]
 此経則為。閻浮提人。病之良薬。若人有病。得聞是経。病即消滅。不老不死。

(訳) 此の経は則ち閻浮提の人の病の良薬なり。若し人病有らんに、此の経を聞くこと得ば、病即ち消滅して不老不死ならん。




by johsei1129 | 2015-05-22 22:41 | 南条時光(上野殿) | Trackback | Comments(0)


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