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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 03月 31日

立正安国論愚記 十三


  第四 正しく一凶(いっきょう)所帰(しょき)を明かすの下 八月五日


一、客(なお)(いきどお)りて曰く
 前には色を作し(ほぼ)憤りて問う。今は(なお)前に倍して憤りて難ず。故に「猶憤りて」というなり。憤り未だ()まずと謂うには非ざる故に「猶」というなり。
一、明王(めいおう)は天地に因って化を成し
「明王」というは、()(かんじょ)に云く「君上は人を安んずるを以て明と為す」等云云。孝経十九に云く「天の明に(のっと)り、地の義に()り以て天下(したが)う」等云云。同頭書(かしらがき)に孔の云く「聖人は天地に因り以て法を設け、民の心に(したが)って以て化を立つるなり」と云云。韻会(いんね)二十三・八に云く「化は説文に云く、教え行わるると。(ぞう)(いん)に云く、凡そ道業を以て人に(おし)ゆ、之を教と謂う。(みずか)ら上に行い、風下を動かす、之を化と謂う」と文。両字の異り分明なり。管蠡(かんれい)の第一・七に(ときあか)して云く「化と云うは、(まつりごと)を能くして悪人を善人と成して天下を太平に能く治するを云うなり」と云云。故に「化」はこれ変化の義なり。
一、聖人(せいじん)は理非を(つまび)らかにして世を治む
 君子に二あり。一には在位の君子、二には有徳(うとく)の君子なり。今「聖人」とは註に云く「在位の君子なり」と云云。既に「世を治む」という故なり。註に云く「若し理有れば則ち其の親を遠ざけ其の理を親にす。若し非あれば則ち其の(あだ)(くみ)して其の非を讎にす。故に理非を察すと云うなり」と云云。学者、応にこの意を記憶すべし。何ぞ()だ在位の君子のみならん。若しその行い此くの如くなる(とき)は、我も又是れ尭舜(ぎょうしゅん)なるのみ。
一、世上の僧侶は
 (ひろ)く諸宗の僧侶を指す。何ぞ別して専修の徒といわんや。註の意はその義(はなは)(ひく)し、之を思え。
一、聖人(しょうにん)に非ずんば
 前後は漢音なり。この一文は呉音(ごおん)之を呼べ。
一、賢哲仰ぐ可からず。
 「賢」は説文に「多才なり、哲は知なり」と。書に云く「之を知るを明哲と謂う」と云云。或る義に云く「是れ檀那(だんな)を指す」と云云。今謂く、この義は(きょく)せり云云。
一、今(けん)(せい)尊重(そんじゅう)せるを以て
 賢聖既に仰いで知る、これ正師なりという事を云云。
一、則ち竜象の(乃至)知んぬ
「竜象」というは法中の(しゅん)(けつ)に譬うるなり。才は千人に()ぐ、これを俊と謂い、智は万人に過ぐ、これを傑と謂うなり。

 大論三・二十一に云く「摩訶(まか)は大と云い、那伽(なか)は或は竜と云い、或は象と云う。水行の中に竜の力最大なり。陸行の中には象の力大なり。大象は()く大軍を破り、(とう)(じょう)(おそ)れず、水火を(はば)からず、死至れども()けず。竜王は雲を(おこ)して(あまね)(おお)い、雨を(そそ)ぎて等しく(うるお)す」略抄と。法師もまた爾なり。慈雲普く覆い、法雨等しく潤す。また能く謗者の魔軍を破り、刀杖()(しゃく)を畏れず、水火の(せめ)を難からず。殺戮(さつりく)の巨難に値うと雖も()えて以て避けず。斯くの如きの摂折時に(かな)う智行兼備の法師を竜象に譬うるなり。
一、主人の()く等
 既に上に正に問うて「誰人(だれひと)を以て悪比丘と()うや」等という。故に今の答の意、正に(ほう)(ねん)を以て悪比丘と謂う。彼は選択(せんちゃく)を作って教を破り、衆を迷わすが故なり。委細に聞かんと欲す、応にこれを示すべし。彼の選択に捨閉(しゃへい)閣抛(かくほう)という故なり云云。
一、()鳥羽院(とばいん)御宇(ぎょう)に法然と云うもの有り
 後鳥羽は人王八十二代隠岐(おき)の法皇の御事なり。「法然」とは(つぶさ)に釈書第五・十三の如し。人王七十五代()徳院(とくいん)の御宇、長承二癸丑四月七日に(うま)る。十五にして(てい)(せん)、三年の内に天台六十巻を通誦(つうじゅ)し、その外八宗の幽致(ゆうち)(きわ)めたり。後に往生要集を見て承安四年、(とし)四十二にして台山を()でて浄土門を立つ、釈書の如し。若し伝弘(でんぐ)の第二・六、法然伝記の二巻の如くんば、承安五年、歳四十三の時なり。八十四代順徳院の御宇、建暦(けんりゃく)二年正月二十五日、八十歳にして入滅す。(およ)そ十代の帝王を経歴(きょうりゃく)す。然るに後鳥羽の代に専ら法柄(ほうへい)()る、故に別して後鳥羽と標するなり。


                      つづく
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by johsei1129 | 2015-03-31 22:42 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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