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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 03月 28日

立正安国論愚記 八

一、()(よう)()(やく)尽きん
 葉はこれ華中の葉なり。枝葉の葉に同じからず。薬の字は根・枝・葉等を(おさ)むるなり。謂く、根の薬、枝の薬等なり。
一、(ただ)(じょう)居天(ごてん)を除いて

 これ色界十七天の最後の五天なり。三果・四果の聖者の所居なり。性抄(しょうしょう)の意は(くう)居天(ごてん)を指すに似たり。未だ分明(ふんみょう)ならず。
一、七味・三精気。
 (かん)(しん)()()(かん)(じゅう)(たん)、これを七味と謂う云云。
 地精気・衆生精気・法精気、これを三精気と謂う。啓蒙に云く「法精気は仏法の事なり」と。
一、解脱(げだつ)の諸の善論

 此に三意あり。一には通じて仏法を指す、二には(ただ)世間の論を指す、三には()(しゅつ)の論を指す云云。
一、希少(きしょう)にして亦(うま)からず。
 華菓(けか)希少にして味美からず。文に配して見るべし。
一、土地(ことごと)鹹鹵(かんろ)し。
 註に云く「または沙鹵(さろ)(かく)(はく)の地と謂うなり」と云云。
一、剖裂して丘澗(くけん)と成らん。
 本経は「(ほう)」の字なり。「丘」はおか、「澗」はほら。(ただ)これ高下なり。
一、之を()ること(しょう)鹿(ろく)の如くならん。
 一義に云く、僻目(ひがめ)にして人を見ること(ながしめ)に似たり、故に譬う云云。
 一義に云く、獐鹿は鹿の中にも父母を思わず、只(ひと)()ね行く者なり。止一・二十二に云く「獐鹿の(ひと)()ぬるが如し」と云云。
一、二十八宿(しゅく)
 (しゃく)(しゅう)の二音は不可無きなり。(きょう)乗法(じょうほっ)(すう)十一・三十五。
一、(ここ)()って一切の聖人。
 点の如し。(ごん)抄に多く点ず云云。
一、(しか)(ため)に彼の国土の中に来生(らいしょう)して等。
「而も来生することを為して」これ啓蒙の点なり。恐らくは(おだ)やかならざるか。

今謂く、而も為に彼の国土の中に来生して、大利益(りやく)()さん云云。普門(ふもん)品の「而も為に法を説く」の如し。
一、十六の大国等。
 七帖(しちじょう)見聞の四本七十四に云く「万国已上(いじょう)を大国と為し、万已下(いげ)四千已上を中国と為し、三千已下七百已上を小国と為し、六百已下三百已上は小にして国と名づけず、二百已下を粟散(ぞくさん)(こく)名づく」と文。
一、日月度を失い。
 仁王吉蔵疏(にんのうきちぞうしょ)・十六に云く「常道に依らざるを度を失うと名づく」と文。健抄に云く「日月行度(ぎょうど)の道は百八十あり」と云云。その日の行度を失うとは、則ち或は高く或は低く、或は遅く或は(はや)し等なり。所詮、常に異るなり。二十八宿(また)(また)(しか)なり。故に或は非処を出す等なり。

一、南斗(なんじゅ)北斗(ほくと)

一義に云く、「斗」はますなり。「じゅ」ははかるなり。南斗・北斗は七星の事なり。天竺(てんじく)()を付けたるますあり。七星彼に似たり、故に()というなり。

一、国主星等。

 国主を守る星等なり。
一、大火(たいか)国を焼き等

 「鬼火」とは、鬼の衆生を(いか)れば悪火(よる)こる。「竜火」とは、霹靂(へきれき)の火を起こす。「天火」とは麋竺(びじく)及び(おう)()が古事の如し。「山神(さんじん)()」は仙人の瞋れば火は(いかり)によって生ず云云。「(じん)()」とは人の(あやま)って火を(はな)つが如し。「樹木(じゅもく)()」とは(こう)(よう)時に過ぎ樹木の火を起す。「賊火」とは賊の火を放つ、即ち賊火と名づく。今処処の意を取る云云。山神火は註に云云。
一、冬雨ふり・夏雪ふり
 冬連日の雨なり。夏の雪、日本に於ては(まん)寿(じゅ)四年四月、大雪降る。厚さ四尺五寸、日本一覧の図にあり。また(しょう)(へい)元年六月八日、大雪降る。同二年、将門(まさかど)反逆(はんぎゃく)す云云。
一、土山(どせん)石山(しゃくせん)()らし

 後を以て初めに名づくるか。謂く、()って山の如し。故に「土山・石山」等というか。



by johsei1129 | 2015-03-28 10:15 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)


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