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日蓮大聖人『御書』解説

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2015年 03月 16日

立正安国論愚記 二

  1. この論(はじめ)()く事

(およ)そこの論はこれ国主(かん)(ぎょう)の書、兼讖差(けんしんたが)わざるの判なり。況や句法、玉を(うるお)し、義勢地を(うるお)す。故に師の自賛して云く(はく)楽天(らくてん)楽府(がふ)にも越へ仏の未来記にもをとらず」と。 (ここ)に三意あり。一には彼は前代に(たく)して諷諭(ふうゆ)し、これは(ただち)に災難の(おこり)を示す。二には彼は其の言に用捨あり、此れは(ごう)(げん)を以て暁諌(きょうかん)す。三には彼は(ただ)世間政道の(あやま)りを(ただ)す。此れは現当の為に謗法の罪を糾す。(あに)楽府(がふ)に勝るに非ずや。他国侵逼(しんぴつ)自界(じかい)叛逆(ほんぎゃく)兼讖(けんしん)(しゅう)(ごう)(たが)わず、(むし)ろ仏の未来記にも劣らざるに非ずや。この論(はじめ)に居くこと誰かこれを疑うべけんや。

一、立正の両字の事

(ぞう)(いん)に云く「正理を以て典・常・法・則を立つるを(まつりごと)()う」と文。これ「立正」の拠か。当に知るべし、立正とは破邪に対するの言なり。正直(しょうじき)(しゃ)方便(ほうべん)は邪を破するなり。但説(たんせつ)無上(むじょう)(どう)は正を立つるなり。

問う、若し爾らば邪正如何(いかん)

答う、(にち)()云く「此の論は専ら浄土所対の法門なり。故に権実相対なり。内証は本迹(ほんじゃく)(しゅ)(だつ)(これ)有るべし。()一往(いちおう)は開目抄に観心の釈なし、観心抄に教相の釈なし、安国論に本迹の文なし。是れ一箇(いっか)の相伝なり。(しか)りと雖も、権実(ごんじつ)(らっ)()の上、従浅(じゅうせん)至深(ししん)して宗旨の深意(じんい)有るべし。若し(しか)らば()()(しゃく)を捨て、其の上に在世・末法、種脱の両箇、自然(じねん)に之有るべし。(いわ)く、四味三教は邪法なり、法華の一実は是れ正法なり、是れ権実相対なり。又天台過時の迹は邪法なり、末法弘通(ぐつう)の本門は正法なり、是れ本迹相対なり。(およ)そ三大秘法は要中の要、正中の正なり。久遠下種の正法とは、末法弘通の三大秘法の事なり。故に種脱迷乱の他門家は、(ことごと)く立正に非ず、皆是れ邪法邪師なり。是れ種脱相対なり」取意と。

  1. 安国の両字の事。

荀子(じゅんし)に云く「国(やす)きこと磐石(ばんじゃく)の如し」と。これ字の出ずる所なり。「安」とは(じょ)()云く「(ねい)なり、(せい)なり」と。「国」とは天下を総じて万国という。これはこれ通称なり。別してこれを論ずれば、天子に天下といい、諸侯に国と()い、太夫(たいふ)に家と称す。今、安国とは意、柳営(りゅうえい)の諸侯等に在る故なり。

日我云く「安国とは一閻浮提(いちえんぶだい)に通ずべし。(しか)も本門弘通(ぐつう)の最初は日本国成るべし。本門日輪の行度(ぎょうど)之を思え。下の文二十二に云く『四海万邦(ばんぽう)一切の四衆其の悪に(ほどこ)さず皆()の善に帰せ』云云と。又(ただ)現世のみに非ず、未来にも通ずべし。故に下の文の終に云く『三界は皆仏国なり仏国其れ(おとろえ)んや十方は悉く宝土なり宝土何ぞ(やぶ)れんや、国に衰微(すいび)無く土に破壊(はえ)(なく)んば身は是れ安全・心は是れ禅定ならん』と」と。

今謂く、文別・意通なり。文は(ただ)日本及び現世に在り、意は(えん)()及び未来に通ずべし云云。

  1. この書を論と名づくる事。

一往は仏の説を経と名づけ、菩薩の造を論と称し、人師の作を釈といい、釈を註するを抄という。然るに南山(なんざん)の戒壇経、禅家()(のう)の壇経等あり。人師の釈を(なお)経と称す、況や論と名づけざらんや。況や其の例甚だ多きをや。智者の観心論、妙楽の錍論(こんぺいろん)、伝教の決権(けつごん)実論(じつろん)、慈覚の顕揚(けんよう)大戒論、達磨(だるま)の破相論・血脈論、弘法の十住心論(じゅうじゅうしんろん)等あり。何ぞ吾が師に限りこれを疑うべけんや。況やこの書は問答往覆(おうふく)して以てその義を顕す、(あに)論と称せざらんや。況や(また)本地は本化の菩薩なり、何ぞ論と名づけざらんや。況や(また)内証深秘の(じゅう)は「我本行菩薩道」の本因妙の大菩薩なり。別して論と称すること、()れ深意あるか。



                         つづく
立正安国論愚記 目次



by johsei1129 | 2015-03-16 21:51 | 日寛上人 御書文段 | Trackback | Comments(0)
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