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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 10月 21日

日蓮は「一閻浮提(全世界)第一の聖人なり」と宣言した【聖人知三世事】

【聖人知三世事】
■出筆時期:文永十一年(西暦1275年)十一月 五十三歳 御述作
■出筆場所:身延山 草庵にて。
■出筆の経緯:本書は富木常忍に宛てられた御書である。この年二月十四日、大聖人は佐渡流罪御赦免により、三月二十六日鎌倉に帰還。幕府に請われて四月八日、平左衛門尉に見参する。その際、執権北条時宗の命を受けた平左衛門尉より、「大蒙古国はいつか渡り候べき」と問われ「今年は一定なり(今年中には間違いなく襲来する)」と答えられている(種々御振舞御書)。また自身三度目の国家諌暁を平左衛門尉になされたが、用いられず「三度いさめんに御用いなくば山林に・まじわる(光日房御書)」との故事に習い、5月12日に鎌倉を出て5月17日身延山中に入られた。本書冒頭で「聖人と申すは委細に三世を知るを聖人と云う」と説き、立正安国論で予言した他国侵逼難が蒙古来襲で符合した事を受け「日蓮は一閻浮提第(全世界)一の聖人なり」と記され、事実上末法の本仏であることを宣言なされておられます。
■ご真筆: 中山法華経寺 所蔵(重要文化財)
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[ご真筆:冒頭部分]

[聖人知三世事 本文]

 聖人と申すは委細に三世を知るを聖人と云う。儒家の三皇・五帝並びに三聖(さんしょう)は但現在を知つて過・未を知らず。外道は過去八万・未来八万を知る、一分の聖人なり。小乗の二乗は過去・未来の因果を知る、外道に勝れたる聖人なり。小乗の菩薩は過去三僧祇菩薩、通教の菩薩は過去に動踰塵劫を経歴(きょうりゃく)せり。別教の菩薩は一一の位の中に多倶低劫(たぐていこう)の過去を知る。法華経の迹門は過去の三千塵点劫を演説す、一代超過是なり。本門は五百塵点劫・過去遠遠劫をも之を演説し、又未来無数劫の事をも宣伝す。
 之に依つて之を案ずるに、委(くわ)しく過・未を知るは聖人の本(もと)なり。教主釈尊、既に近くは去つて後・三月の涅槃之を知り、遠くは後五百歳・広宣流布・疑い無き者か。若し爾れば近きを以て遠きを推し、現を以て当を知る。如是相乃至本末究竟等是なり。
 後五百歳には誰人を以て法華経の行者と之を知る可きや。予は未だ我が智慧を信ぜず。然りと雖も自他の返逆(ほんぎゃく)・侵逼(しんぴつ)、之を以て我が智を信ず。敢へて他人の為に非ず。
 又我が弟子等之を存知せよ。日蓮は是れ法華経の行者なり、不軽の跡を紹継するの故に。軽毀(きょうき)する人は頭(こうべ)七分に破(われ)、信ずる者は福を安明に積まん。
 問うて云く、何ぞ汝を毀る人・頭破七分無きや。
 答えて云く、古昔(こしゃく)の聖人は仏を除いて已外(いげ)之を毀る人、頭破・但一人二人なり。今日蓮を毀呰(きし)する事は非(とが)一人二人に限る可らず。日本一国・一同に同じく破(わ)るるなり。所謂正嘉の大地震・文永の長星は誰か故ぞ。日蓮は一閻浮提第一の聖人なり。上一人より下万民に至るまで之を軽毀(きょうき)して刀杖(とうじょう)を加え、流罪に処するが故に、梵と釈と日月・四天と
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[ご真筆第五紙]

隣国に仰せ付けて之を逼責(ひっせき)するなり。大集経(だいしつきょう)に云く・仁王経に云く・涅槃経に云く・法華経に云く、設い万祈を作すとも日蓮を用いずんば、必ず此の国・今の壱岐・対馬の如くならん。
 我が弟子仰いで之を見よ。此れ偏に日蓮が貴尊なるに非ず、法華経の御力の殊勝なるに依るなり。身を挙ぐれば慢ずと想い、身を下せば経を蔑(あなど)る。松高ければ藤長く、源深ければ流れ遠し。
 幸ひなるかな・楽しいかな。穢土に於て喜楽を受くるは但日蓮一人なる而已(のみ)。

[ご真筆第五紙の原文]
仰付隣国逼責之也。
大集経云 仁王経云 涅槃経云
法華経云。設作万祈不用
日蓮 必此国今如壹岐
対馬。我弟子仰見之。
此偏日蓮非尊貴。法
華経御力依殊勝也。
拳身想慢下身蔑
経。松高藤長 源深
流遠。幸哉 楽哉 於穢土
受喜楽但日蓮一人而已。




by johsei1129 | 2019-10-21 17:49 | 富木常忍・尼御前 | Trackback | Comments(0)


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