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日蓮大聖人『御書』解説

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2014年 11月 11日

第十に末法流布の大法を示すとは 二 【三重秘伝抄第一】


問ふ、仏、迹化(しゃっけ)他方を止めて但本化を召す所以(ゆえん)如何。
 答ふ、天台は(すで)に前三後三の六釈を作り、之を()して末法に譲るも(なお)未だ明了ならず。故に今(つつし)んで他方・本化の前三後三迹化・本化の前三後三の十二の釈を作りて分明に之を会せん。
 問ふ、此の義前代未聞なり、若し明証無くんば誰人か之を信ぜんや。
 答ふ、今一々に文を引かん、何ぞ吾が言を加えんや。

 問ふ、若し(しか)他方・本化の前三後三の其の文如何。
 答えて曰わく、一には他方は釈尊の
(じき)(てい)に非ざる故に。()(じょう)大師の義疏(ぎしょ)第十巻に云く「他方は釈迦の所化に非ず等」云云。
 二には他方は任国不同の故に。天台大師文の九に云く「他方は各々自ら(おの)が任あり、若し此の土に住せば彼の利益を廃せん等」云云。
 三には他方は結縁(けちえん)の事浅きが故に。天台大師又云く「他方は此の土に結縁の事浅し、宣授せんと欲すと雖も必ず()(やく)なからん」等云云
 一には本化は釈尊の直弟なるが故に。天台云く「是れ我が弟子、(まさ)に我が法を弘むべし」文。
 二には本化は常に此の土に住するが故に。経に云く云云太田抄に云く「地涌千界は娑婆(しゃば)世界に住すること多塵劫(たじんこう)なり」云云。
 三には本化は結縁の事深きが故に。天台云く「縁(じん)(こう)なるを以って()く此土に遍じて益す」等云云。
 他方と本化との前三後三(おわ)んぬ。
 問ふ、迹化と本化との前三後三其の文如何。

答えて曰わく、一には迹化は釈尊初発心の弟子に非ざるが故に。太田抄に云く「迹化の大衆は釈尊の初発心の弟子に非ず」等云云。

二には迹化は功を積むこと浅きが故に、新池抄に云く「観音・薬王等智慧(いみ)じく(おぼえ)ある人々なりと雖も、法華経を学ぶの日浅く末代の大難忍び難かるべし、故に之を止む」等云云略抄。
 三には迹化は末法の利生応(りしょうまさ)に少なかるべきが故に。初心成仏抄に云く「観音・薬王等は上古の様に利生有るまじきなり。されば当世の祈りを御覧ぜよ、一切叶わざる者なり」等云云略抄。
 一には本化は釈尊初発心の弟子なるが故に。観心本尊抄に云く「地涌千界は釈尊初発心の弟子なり」等云云。

 二には本化は功を積むこと深きが故に。下山抄に云く「五百塵点劫(じんてんごう)より一向に本門寿量の肝心を修行し習い玉う上行菩薩」等云云。(編者注:この御文、御書全集に拝せず、平成新編に拝す)
 三には本化は末法の利生応に盛んなるべきが故に。初心成仏抄に云く「当時は法華経二十八品の肝心たる南無妙法蓮華経の七字(ばか)り此の国に弘まりて()(しょう)得益もあるべし、上行菩薩の御利生盛んなるべき時なり」等云云。
 迹化本化の前三後三の明文(みょうもん)見るべし。
 第四には(すで)に来たるが故に。経に云く(ごの)五百歳の中に広宣流布す」云云。撰時抄云云当体義抄に云く「(およ)そ妙法五字は末法流布の大白法なり、地涌千界の大士の付嘱なり、是の故に天台・伝教は内に(かんが)而も末法の導師に之を譲りて弘通したまわざるなり」。
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日享上人註解

○天台○前三後三六釈とは、涌出品の文である。前三義は(しゃ)詮門(せんもん)で他方の菩薩を遮止(しゃし)後三義は(ひょう)詮門(せんもん)で下方地涌の出現すべき理由を表明してある。此の天台の六釈を寛師の十二釈と対比すべき為に文順に()らずして十二釈の前に接近せしめて標出しておいた。

(なお)未だ明了ならずとは、天台の六釈は単に他方と本化とに約するから、他方と迹化との間に細密ならざる辺がある。今本師此憂ひ六釈り、り、経文り、って十二釈他方迹化との分別了に

○此の義前代未聞とは、他方と迹化との事は他門にて此れを述べたる人あれども、明了で無いから本師細釈を設けられた。其の十二釈は前代未聞なりと自問せらるゝのである。

○義疏とは、三論の吉蔵の法華義疏(ぎしょ)である。

○経に云く云云とは、涌出品に「娑婆(しゃば)世界」「娑婆世界文多に、本師云々二字省略

○第四等とは、前段の末法の四故の終わりの文である。

○経に云わくとは、薬王品の文である。

○撰時抄云云とは、抄の下巻に所々に末法流布(るふ)す。

○大士とは、菩薩摩訶(まか)(さつ)訳語である。(くわ)衆生である。()である。


第十に末法流布の大法を示すとは 三 につづく

三重秘伝抄 目次
六巻抄 目次


by johsei1129 | 2014-11-11 20:40 | 日寛上人 六巻抄 | Trackback | Comments(0)
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