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日蓮大聖人『御書』解説

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2014年 10月 19日

第一に一念三千の法門は聞き難きを示すとは【三重秘伝抄】

 
第一に一念三千の法門は聞き難きを示すとは、

 経に曰わく、諸仏は世に興出すること(はるか)遠くして値遇すること難し、正使(たとい)世に出づとも是の法を説くこと復難(またかた)し、無量無数劫にも是の法を聞くこと亦難し、能く是の法を聴く者()の人亦復難し。譬えば優曇華(うどんげ)は一切皆愛楽し、天人の希有とする所にして時々一たび出づるが如し、法を聞いて歓喜して讃めて乃ち一言をも発するに至る則は已に一切の三世の仏を供養するなり等云云。

(まさ)に知るべし、此の中の法の字は並びに一念三千なり。

記の四の末の終りに云わく、(けん)(のん)等とは、若し此の劫に准ずれば六四二万なり文。劫章の意に准ずるに住劫第九の減、人寿六万歳の時・留孫仏(くるそんぶつ)出で、人寿四万歳の時・拘那含仏(くなごんぶつ)出で、人寿二万歳の時、迦葉(かしょう)仏出で、人寿百歳の時、釈迦如来出づと云云。是れ即ち人寿八万歳より一百年に人寿一歳を減じ乃至一千年に十歳を減じ而して六四二万等に至る豈懸遠に非ずや。
 (たと)世に出づると雖も(しゅ)(せん)多仏(だぶつ)多宝如来の如きは遂に一念三千を説かず、大通仏の如きも二万劫の間之れを説かず、 今仏世尊の如きも四十余年秘して説かず、(あに)是の法を説く、復難きに非ずや。既に出興懸遠にして法を説くこと亦難し、(あに)容易に之れを聞くことを得んや。縦へ在世に生まると雖も(しゃ)()の三億の如きは(なお)見ず聞かざるなり、況んや(ぞう)(まつ)辺土(へんど)をや。
 故に安楽行品に云わく、無量の国中に於て乃至(ないし)名字をも聞くを得べからず等云云。豈聞法の難きに非ずや。聞法尚爾なり、況んや信受せんをや。応に知るべし、能く聴くとは是れ信受の義なり、若し信受せずんば何ぞ能く聴くと云はんや。故に優曇華に(たと)うるなり、此の華は三千年に一たび現わるゝなり。
 而るに今宗祖の大悲に依て一念三千の法門を聞き、若し能く歓喜して讃めて乃至一言をも発すれば則ち已に一切の三世の仏を供養するに為るなり。

日享上人 註解

○経に曰くとは、方便品比丘偈(びくげ)在り妙法稀有なる(じゅ)である

○無量無数劫とは、劫は劫波の略語で印度国で年期の絶大に長遠なる事に名づけ其れが又小劫中劫大劫等と次第に数字が増上して又其の上に無量又は無数等の多数を示す語が加へられてある、吾が国の人の知り得る億とか兆とかの大数とは飛んでもない桁違ひの想像だも及ばぬ大数である。

○優曇華とは、此れ又印度の理想とも云へる物で世界を統一する転輪聖王出現する時、其の瑞兆(ずいちょう)海中広大である、統一大出現億万年空想であって極々(ごくごく)(まれ)もの妙法容易()てある。

○一切三世仏とは、過去に出で現在に出で未来に出でんとする十方世界の有らん限りの仏の事である。

○記の四の末とは、天台大師が法華経の文々句々を釈せられたが文句(もんぐ)であ法孫(ほうそん)妙楽大師解釈疏記(しょき)である。疏記調二巻つ、其れで「る。

 六四二万とは、六万四万二万の略で次下に(くわ)

○須扇多仏とは、大品般若経にあり住する事半劫で受化の者が無いから法を説かずして入滅せられた。

○多宝如来とは、大論には法を説かずと書いてある、天台大師は此れを解して全く法を説かんでは無い、開三を得れども顕一を得ずと云はれた、顕実即一念三千なる故に今不説と書かれた、又天台は応身にして法を説かざる須扇多、多宝の如きは此の(うん)(じゅん)って二仏慈悲衆生利益(りやく)事無である。

○大通仏とは、化城喩品の中に此の仏出世して諸梵王の請いに応じて十二行法輪を転じ更に十六王子の請いを受け二万劫を過ぎて妙法蓮華経を説くとある、妙法即一念三千であるから今爾か書かれたのである。

○舎衛三億とは、舎衛国は中印度で全印度中に別して釈迦仏に因縁多き仏都であるのに、其の中の三分の一は仏を見て仏の説法を聞いたが、三分の一は仏を見た計りで法を聞かぬ、三分の一は仏を見たことも聞いたこともない、左様に見仏聞法の因縁は難物である。

○像末辺土とは、像法末法は時に約し辺土は処に約す、我が日本国は一般仏教国の上から云へば粟散(ぞくさん)辺土粟粒った小島辺鄙(へんぴ)である、像末悪時辺鄙小国国大印度三億である、大善妙法

○一言を発すとは、今末法の(せん)南無妙法蓮華経であ



                 第二に文相の大旨を示すとは  に続く

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by johsei1129 | 2014-10-19 21:54 | 日寛上人 六巻抄 | Trackback | Comments(0)


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