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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 10月 21日

末法に日本国に於て地涌の菩薩、法華経の肝心を流布せしむ可きと断じた書【曾谷入道殿許御書】三

【曾谷入道殿許御書 本文】 その三

 大覚世尊(釈尊)、仏眼を以つて末法を鑒知(かんち)し、此の逆・謗の二罪を対治せしめんが為に一大秘法を留め置きたもう。所謂法華経本門久成の釈尊・宝浄世界の多宝仏・高さ五百由旬、広さ二百五十由旬の大宝塔の中に於て、二仏座を並べしこと、宛も日月の如く十方分身の諸仏は高さ五百由旬の宝樹の下に五由旬の師子の座を並べ敷き、衆星(しゅうしょう)の如く列坐したもう。四百万億那由佗の大地に三仏二会に充満したもうの儀式は、華厳寂場の華蔵世界にも勝れ、真言両界の千二百余尊にも超えたり一切世間の眼なり。此の大会に於て六難九易を挙げて法華経を流通せんと諸の大菩薩に諌暁せしむ。金色世界の文殊師利、兜史多(とした)宮の弥勒菩薩、宝浄世界の智積菩薩、補陀落山の観世音菩薩等、頭陀第一の大迦葉、智慧第一の舎利弗等、三千世界を統領する無量の梵天、須弥の頂に居住する無辺の帝釈、一四天下を照耀せる阿僧祇の日月、十方の仏法を護持する恒沙の四天王、大地微塵の諸の竜王等我にも、我にも此の経を付属せられよと競い望みしかども、世尊都て之を許したまわず。爾の時に下方の大地より未見・今見の四大菩薩を召し出したもう。所謂上行菩薩・無辺行菩薩・浄行菩薩・安立行菩薩なり。此の大菩薩各各六万恒河沙の眷属を具足す。形貌威儀言(ぎょうみょういぎことば)を以て宣べ難く心を以て量るべからず。初成道の法慧・功徳林・金剛幢・金剛蔵等の四菩薩各各十恒河沙の眷属を具足し、仏会(ぶつえ)を荘厳せしも、大集経の欲・色二界の中間大宝坊に於て来臨せし十方の諸大菩薩、乃至大日経の八葉の中の四大菩薩も、金剛頂経の三十七尊の中の十六大菩薩等も、此の四大菩薩に比挍(ひきょう)すれば猶帝釈と猿猴と華山と妙高との如し。弥勒菩薩、衆の疑を挙げて云く「乃(いまし)一人をも識らず」等云云。天台大師云く「寂場より已降(このかた)今座より已往(さき)十方の大士来会絶えず限る可からずと雖も、我れ補処(ふしょ)の智力を以て悉く見・悉く知る。而も此の衆に於ては一人をも識らず」等云云。妙楽云く「今見るに皆識らざる所以は乃至智人は起を知り蛇は自ら蛇を識る」等云云。

 天台又云く「雨の猛きを見て竜の大なるを知り、華の盛なるを見て池の深きを知る」云云。例せば漢王の四将の張良・樊かい・陳平・周勃(しゅうぼつ)の四人を商山の四皓・綺里枳(きりき)・角里(ろくり)先生・東園公・夏黄公等の四賢に比するが如し。天地雲泥なり。四皓が為体(ていたらく)頭には白雪を頂き、額には四海の波を畳み、眉には半月を移し、腰には多羅枝を張り、恵帝の左右に侍して世を治められたる事、尭舜の古を移し、一天安穏なりし事、神農の昔にも異ならず。此の四大菩薩も亦復是くの如し法華の会に出現し三仏を荘厳し、謗人の慢幢を倒すこと大風の小樹の枝を吹くが如く、衆会の敬心を致すこと、諸天の帝釈に従うが如く、提婆が仏を打ちしも舌を出して掌を合せ、瞿伽梨が無実を構えしも地に臥して失を悔ゆ。文殊等の大聖は身を慙(は)ぢて言を出さず。舎利弗等の小聖は智を失して頭(こうべ)を低る。爾の時に大覚世(釈尊)尊寿量品を演説し、然して後に十神力を示現して四大菩薩に付属したもう。其の所属の法は何物ぞや。法華経の中にも広を捨て略を取り、略を捨てて要を取る、所謂妙法蓮華経の五字・名・体・宗・用・教の五重玄なり。例せば九苞淵が相馬の法には玄黄を略して駿逸を取り、史陶林が講経の法には細科を捨て元意を取るが如し等。此の四大菩薩は釈尊成道の始、寂滅道場の砌にも来らず如来入滅の終りに抜提河の辺にも至らず、しかのみならず霊山八年の間に進んでは迹門序正の儀式に文殊・弥勒等の発起影向(ほっきようごう)の諸聖衆にも列ならず、退いては本門流通の座席に観音・妙音等の発誓弘経の諸大士にも交わらず、但此の一大秘法を持して本処に隠居するの後・仏の滅後正像二千年の間に於て未だ一度も出現せず、所詮・仏専ら末法の時に限つて此等の大士に付属せし故なり。法華経の分別功徳品に云く「悪世末法の時能く是の経を持つ者」云云。

 涅槃経に云く「譬えば七子の父母平等ならざるに非ず、然も病者に於て心則ち偏に重きが如し」云云。法華経の薬王品に云く「此の経は則ち為れ閻浮提の人の病の良薬なり」云云。七子の中に上の六子は且らく之を置く、第七の病子は一闡提の人・五逆謗法の者・末代悪世の日本国の一切衆生なり。正法一千年の前五百年には一切の声聞涅槃し了んぬ。後の五百年には他方来の菩薩・大体本土に還り向い了んぬ。像法に入つての一千年には文殊・観音・薬王・弥勒等・南岳・天台と誕生し、傅大士・行基・伝教等と示現して衆生を利益す。

【曾谷入道殿許御書 本文】 その四に続く

by johsei1129 | 2019-10-21 21:52 | 曾谷入道 | Trackback | Comments(0)
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