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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 23日

末法の本仏の立場で法門の勝劣を本迹に立て分けて講説した相伝書【百六箇抄】六

[百六箇抄 本文]その六

【種の本迹勝劣 五十五箇条】

一、事の一念三千・一心三観の本迹
 釈迦三世の諸仏・声聞・縁覚・人・天の唱る方は迹なり、南無妙法蓮華経は本なり。

二、久遠元初直行(くおんがんじょ・じきぎょう)の本迹
 名字本因妙は本種なれば本門なり。本果妙は余行に渡る故に本の上の迹なり。久遠の釈尊の口唱を今日蓮・直(ただち)に唱うるなり。

三、久遠実成直体(じきたい)の本迹
 久遠名字の正法は本種子なり。名字童形(どうぎょう)の位の釈迦は迹なり。我本行菩薩道是なり。日蓮が修行は久遠を移せり。久遠本果成道は本の迹なり。名字の妙法を持つ処は直躰の本門なり。直に唱え奉る我等は迹なり。

四、久遠自受用報身の本迹
 男は本・女は迹、知り難き勝劣なり。能く能く伝流口決(でんる・くけつ)す可き者なり。

五、久遠の本因を事円と為すの本迹
 上行所伝の妙法は名字本有(みょうじ・ほんぬ)の妙法蓮華経なれば事理倶勝の本なり。日蓮並びに弟子檀那等は迹なり。

六、色法即身成仏の本迹
 親の義なり父の義なり。涌出品より已後我等は色法の成仏なり。不渡余行(ふとよぎょう)の妙法は本、我等は迹なり。

七、色法妙法蓮華経の本迹
 男子と成つて名字の大法を聞き、己己・物物・事事、本迹を顕はす者なり。
 又今日の二十八品、品品の内の勝劣は通号は本なり・勝なり。別号は迹なり・劣なり云云。
 妙楽の疏記の九に云く「故に知んぬ、迹の実は本に於て猶虚(なお・こ)なり」と。籤(せん)の十に云く「今日は初成を以て元始と為し爾前、迹門は大通を以て元始と為し迹門、本門は本因を以て元始と為す本門」と。此の釈は元始の本迹、遠近(おんごん)の勝劣を判ずるなり。
 本果妙は然我実成仏已来、猶迹門なり。迹の本は本に非ざるなり。本因妙は我本行菩薩道、真実の本門なり。
 本の迹は迹に非ず云云。我が内証の寿量品は迹化も知らず云云。重位秘蔵の義なり。本迹と分別する上は、勝劣は治定なれども、末代には知り難き故に云云。

八、久遠従果向因の本迹
 本果妙は釈迦仏、本因妙は上行菩薩。久遠の妙法は果、今日の寿量品は花なるが故に従果向因の本迹と云うなり。

九、本因の妙法蓮華経の本迹
 全く余行に分かたざりし妙法は本、唱うる日蓮は迹なり。手本には不軽菩薩の二十四字是なり。又其の行儀も是なり云云。

十、不渡余行法華経の本迹
 義理上に同じ。直達の法華は本門、唱うる釈迦は迹なり。今日蓮が修行は久遠名字の振舞に芥爾計(けに・ばかり)も違わざるなり。

[百六箇抄 本文]その七に続く




by johsei1129 | 2019-11-23 19:07 | 血脈・相伝・講義 | Trackback | Comments(0)


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