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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 23日

末法の本仏の立場で法門の勝劣を本迹に立て分けて講説した相伝書【百六箇抄】三

[百六箇抄 本文]その三

十一、脱益(だっちゃく)の妙法の教主の本迹
 所説の正法は本門なり、能説の教主釈尊は迹門なり。法自ら弘まらず、人・法を弘むる故に人法ともに尊し。

十二、脱益の今此三界の教主の本迹
 天上天下唯我独尊・釈迦牟尼如来は迹身門なり。密表(みっぴょう)寿量品の「今此三界」は即ち本身門なり。

十三、脱益の像法時剋弘経(じこく・ぐきょう)の本迹
 天台の本迹は倶に日蓮が迹門なり。時剋亦天地の不同之在り。

十四、脱益の迹門の修行の本迹
 正法一千年の修行の徳より、像法一日の修行の徳は勝れたるなるべし。

十五、脱益の迹門の自解(じげ)仏乗の修行の本迹
 熟益は迹、脱益は本なり。之に就いて之を思惟す可し。

十六、脱の五大尊の本迹
 他受用応仏(たじゅゆう・おうぶつ)は本、普賢・文殊・弥勒・薬王は迹なり。

   本迹天台
十七、脱の真俗二諦の本迹
 天台大師弘通の本迹は前の十四品を迹門に約し、後の十四品は本門に約す云云。「是法住法位・世間相常住」文。

十八、前十四品は悉く流通分の本迹
 如来の内証は序品より滅後正像末の為なり。薬王菩薩は像法の主・天台是なり。密表(みっぴょう)の法師品に云く「今此三界」と。

十九、脱益の理観一致の本迹
 「本迹殊なりと雖も不思議一」と云うは、今日乃至中間の本迹は本迹と分別すれども、本因妙を下種として説く所の本迹なれば、迹の本は本に非ず云云。

二十、脱益の戒体の本迹
 爾前・迹門、熟益の戒躰を迹とし・脱益の戒躰を本とするなり。迹門の戒は爾前大小の戒に勝れ、本門の戒は爾前迹門の戒に勝るるなり。

二十一、脱の迹化(しゃっけ)七面の本迹
 像法には理観を本と用うるなり。故に天台は迹を本と為し、本を迹と行ずるなり。

二十二、脱の迹化の本尊の本迹
 一部を本尊と定むるに・前の十四品は迹、後の十四品は本なり云云。是は一部八巻なり云云。

二十三、脱益の守護神の本迹
 守護する所の法華は本、守番(しゅばん)し奉る処の明神等は迹なり。本因妙の影を万水に浮べたる事治定なり云云。

二十四、脱益の山王の本迹
  久遠・中間に受くる処の法華は本、夫れより守り来る所は垂迹なり。下種は本因妙なり云云。

二十五、脱迹の十羅刹女の本迹
 久遠・中間・今日の理事は本、中間・大通・今日出世して冥守(みょうしゅ)する処は垂迹なり。下種は前の如し云云。

二十六、脱迹の付属の本迹
 脱益の迹化付属は中間・大通を本とし、今日初住の終はりを迹とするなり。受くる正法は本、持(たも)つ方は迹なり。

二十七、 脱迹の開会の本迹
 大通の初を開と云い、今日初住の終りを会と云うなり。本は大通、迹は初住なり。初めて顕るるを開と云い、終はりを合するを会と云うなり云云。案位(あんい)も理上の案位なり。

二十八、 脱益の成仏の本迹
 寿量品は本、応仏は迹なり。無作三身が寂光土に住し、三眼・三智を以て九界を知見す云云。

二十九、脱迹の三種教相の本迹
 二種は迹にして開会なし、一種は本有の開会なり。一種は開顕、二種は不開会にして、所従眷属の教相なり云云。

三十、 脱の五味所従の本迹
 天台・伝教の五味は横竪(おうじゅ)ともに所従なり。五味は本、修行の人は迹なり。在世以て此くの如し云云。

[百六箇抄 本文]その四に続く




by johsei1129 | 2019-11-23 18:59 | 血脈・相伝・講義 | Trackback | Comments(0)


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