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日蓮大聖人『御書』解説

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2019年 11月 05日

末法の本仏の立場で法華経一部二十八品を直弟子日興上人に口伝した書【御義口伝 下】十

[御義口伝 下 本文]その十

神力品八箇の大事】
 第一 妙法蓮華経 如来神力(じんりき)の事

 文句の十に云く「神は不測(ふしき)に名け、力は幹用(かんゆう)に名づく。不測は即ち天然の体深く、幹用は則ち転変の力大なり。此の中・深法を付属せんが為に十種の大力を現ず。故に神力品と名づく」と。
 御義口伝に云く、此の妙法蓮華経は釈尊の妙法には非ざるなり。既に此の品の時、上行菩薩に付属し給う故なり。惣じて妙法蓮華経を上行菩薩に付属し給う事は、宝塔品の時事起り、寿量品の時事顕れ、神力・属累(ぞくるい)の時、事竟(ことおわ)るなり。
 如来とは上の寿量品の如来なり。神力とは十種の神力なり。所詮(しょせん)妙法蓮華経の五字は神と力となり。神力とは上の寿量品の時の如来秘密・神通之力の文と同じきなり。今日蓮等の類(たぐ)い・南無妙法蓮華経と唱え奉る所の題目なり。
 此の十種の神力は在世滅後に亘(わた)るなり。然りと雖も十種共に滅後に限ると心得可きなり。
 又云く妙法蓮華経如来と神との力の品と心得可きなり云云。如来とは一切衆生なり、寿量品の如し。仍つて釈にも如来とは上に釈し畢(おわん)ぬと云えり。此の神とは山王七社等なり。此の旨・之を案ず可きなり云云。

 第二 出広長舌(すい・こうちょうぜつ)の事
 御義口伝に云く、広とは迹門、長とは本門、舌とは中道法性なり。十法界妙法の功徳なれば広と云うなり、竪(たて)に高ければ長と云うなり。広とは三千塵点(じんてん)より已来の妙法、長とは五百塵点已来の妙法。同じく広長舌なり云云。

 第三 十方世界 衆宝樹下 師子座上の事
 御義口伝に云く、十方とは十界なり。此の下に於て草木成仏・分明なり。師子とは師は師匠、子は弟子なり。座上とは寂光土なり。十界即本有の寂光たる国土なり云云。

 第四 満百千歳の事
 御義口伝に云く、満とは法界なり。百は百界なり。千は千如なり。一念三千を満百千歳と説くなり云云。一時も一念も満百千歳にして十種の神力を現ずるなり。十種の神力とは十界の神力なり。十界の各各の神力は一種の南無妙法蓮華経なり云云。

 第五 地皆六種震動 其中衆生〇衆宝樹下の事
 御義口伝に云く、地とは国土世間なり、其中衆生とは衆生世間なり、衆宝樹下とは五陰世間なり。一念三千分明(ふんみょう)なり云云。

 第六 娑婆(しゃば) 是中有仏 名釈迦牟尼仏の事
 御義口伝に云く、本化弘通(ほんげ・ぐつう)の妙法蓮華経の大忍辱(にんにく)の力を以て弘通(ぐつう)するを娑婆と云うなり。忍辱は寂光土なり。此の忍辱の心を釈迦牟尼仏と云えり。娑婆とは堪忍世界(かんにんせかい)と云うなり云云。

 第七 斯人行世間 能滅衆生闇の事
 御義口伝に云く、斯人とは上行菩薩なり。世間とは大日本国なり。衆生闇とは謗法の大重病なり。能滅の体は南無妙法蓮華経なり。今日蓮等の類(たぐ)い是なり云云。

 第八 畢竟(ひっきょう)住一乗〇是人於仏道 決定無有疑の事
 御義口伝に云く、畢竟とは広宣流布なり、住一乗とは南無妙法蓮華経の一法に住す可きなり、是人とは名字即の凡夫なり、仏道とは究竟即(くきょうそく)なり、疑とは根本疑惑の無明を指すなり。末法当今は此の経を受持する一行計りにして成仏す可しと定むるなり云云。

[御義口伝 下 本文]その十一に続く






by johsei1129 | 2019-11-05 06:53 | 御義口伝 | Trackback | Comments(0)


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