2019年 12月 01日
若し末法に於て本迹一致と修行し・所化等に教ゆる者ならば、我が身も五逆罪を造らずして無間に堕ち、其れに随従せんともがらも阿鼻に沈まん事・疑ひ無き者なり。 此の書一見の人人は、理 普賢 智 文殊 一言の薩埵(さった)・生死絶断の際、定光覚悟の大菩薩なり。 伝教云く「文殊の利剣は六輪に通じ、十二の生類を切断す。一刀 妙法 を下して万方に勑(ただ)すに自然(じねん)に由(な)お三諦を出だすこと、見聞覚知に明らかなり」 此の一言の三際を示すに一言に如かず。若し未達の者も一頌(じゅ) 題目 を開くに三般 三諦 同じく通知せざること無し。 生仏自(おのづか)ら一現なる、是を一言の妙旨・一教の玄義と謂う云云。天台の云く「一言三諦・刹那成道・半偈成道」と云云。 伝教の云く「仏界の智は九界を境と為し、九界の智は仏界を境と為す。境智互ひに冥薫(みょうくん)して凡聖常恒(ぼんしょう・じょうごう)なる。是を刹那(せつな)成道と謂う。三道即三徳と解すれば諸悪・儵(たちまち)に真善なる。是を半偈成道と名く」 今会釈(えしゃく)して云く、諸仏菩薩の定光三昧も凡聖一如の証道・刹那半偈の成道も、我が家の勝劣修行の南無妙法蓮華経の一言に摂し尽くす者なり。 此の血脈を列ぬる事は、末代浅学の者の予が仮字の消息を蔑如(べつじょ)し、天台の漢字の止観を見て眼目を迷わし、心意を驚動(きょうどう)し、或は仮字を漢字と成し、或は止観明静(みょうじょう)・前代未聞の見に耽(ふけ)り本迹一致の思ひを成す。我が内証の寿量品を知らずして止観に同じ、但自見の僻見(びゃっけん)を本として予が立義を破失して悪道に堕つ可き故に天台三大章疏の奥伝に属す。 天台伝教等の秘し給える正義・生死一大事の秘伝を書き顕はし奉る事は、且(かつ)は恐れ有り、且は憚(はばか)り有り。広宣流布の日、公亭に於て応に之を披覧(ひらん)し奉るべし。会通(えつう)を加える事は且(かつ)は広宣流布の為、且は末代浅学の為なり。又天台伝教の釈等も予が真実の本懐に非ざるか。未来嬰児(えいじ)の弟子等、彼を本懐かと思うべきものか。 去(いぬ)る文永の免許の日、爾前迹門の謗法を対治し本門の正義を立て被(らる)れば、不日(ぶじつ)に豊歳(ぶさい)ならむと申せしかば、聞く人毎に舌を振い、耳を塞(ふさ)ぐ。其の時、方人(かたうど)一人も無く、唯我と 日蓮 与我 日興 計りなり。 問うて云く、寿量品・文底の大事と云う秘法如何。 答えて云く、唯密の正法なり。秘す可し・秘す可し。一代応仏のいきをひかえたる方は、理の上の法相なれば一部共に理の一念三千・迹の上の本門寿量ぞと得意(とくい)せしむる事を、脱益の文の上と申すなり。 文の底とは久遠実成の名字の妙法を余行にわたさず、直達の正観・事行の一念三千の南無妙法蓮華経是なり。権実は理 今日の本迹の理 なり。本迹は事 久遠の本迹の事 なり、亦権実は智に約し・教に約す 一代応仏の本迹、本迹は 久遠の本迹 身に約し 名字の身 位に約す 名字即の位 。亦云く雖脱在現・具騰本種といへり。 釈尊、久遠・名字即の位の御身の修行を、末法今時・日蓮が名字即の身に移せり。「理は造作(ぞうさ)に非ず、故に天真と曰い、証智円明(しょうちえんみょう)の故に独朗と云う」の行儀、本門立行の血脈(けちみゃく)之を注す。秘す可し・秘す可し。 又日文字の口伝・産湯(うぶゆ)の口決(くけつ)の二箇は両大師の玄旨にあつ。本尊七箇の口伝は七面の決に之を表す。教化弘経(きょうけ・ぐきょう)の七箇の伝は弘通者の大要なり。 又此の血脈並びに本尊の大事は日蓮嫡嫡座主(ちゃくちゃく・ざす)伝法の書、塔中(たっちゅう)相承の稟承唯授一人(ぼんじょう・ゆいじゅ・いちにん)の血脈なり。相構え相構え、秘す可し・秘す可し、伝う可し。 法華本門宗血脈相承事 弘安五太歳壬午十月十一日 日 蓮 在御判
by johsei1129
| 2019-12-01 18:58
| 血脈・相伝・講義
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