日蓮大聖人『御書』解説

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2014年 07月 03日

唯受一人本門弘通の大導師と定めた直弟子日興上人に与えられた血脈相承書【法華本門宗血脈相承事】一

【法華本門宗血脈相承事(別名:本因妙抄)(ほっけほんもんけちみゃくそうじょうじ)】
■出筆時期:弘安五年十月十一日(西暦1282年)  六十一歳御作
■出筆場所:豪信徒 池上宗仲の館にて
■出筆の経緯:弘安五年十月十三日に池上宗仲の館にて大聖人がご入滅なされる。その二日前に、唯受一人本門弘通の大導師と定めた直弟子日興上人に、大聖人の法門を血脈相承するために認められた書である。
■ご真筆: 現存しておりません。時代写本:日時書写本(大石寺所蔵)


[法華本門宗血脈相承事(本因妙抄) 本文]その一

本因妙の行者日蓮 之を得、之を記す。

予が外用の師・伝教大師生歳四十二歳の御時・仏立寺天台山仏隴寺の大和尚に値い奉り義道を落居し生死一大事の秘法を決したもうの日、大唐の貞元二十一年太歳乙酉五月三日・三大章疏を伝え各七面七重の口決を以て治定し給えり、所謂玄義七面の決とは正釈五重列名に約して決したもう。

一に依名判義の一面・名とは法の分位に於いて施設す・体とは宰主を義と為す・宗とは所作の究竟なり、受持本因の所作に由つて口唱本果の究竟を得、用とは証体本因本果の上の功能徳行なり、教とは誡を義と為す誡とは本の為の迹為れば迹は即ち有名無実・無得道なるを実相の名題は本迹同じければ本迹一致と思惟す可き事を大に誡んが為に三種の教相を起て種熟脱の論不論を立つる者なり、経文解釈明白なり、此くの如く文文・句句の名・妙正の深義・本迹勝劣の本意を顕し給う者なり、然りと雖も天台伝教の御弘通は偏に理の上の法相・迹化付属・像法の理位・観行五品の教主なれば迹を表と為して衆を救い、本を隠して裏に用る者なり甚深甚深秘す可し秘す可し。

二に仏意・機情・二意の一面、仏意は観行・相似を本と為し機情は理即・名字を本と為す、何れも体用を離れず体用は法華の心智に依つて一代五時の次第浅深を開拓す、次に機情とは大通結縁の衆の為に四味の調養を設け法華に来入す、本迹二門乃至文文・句句此の二意を以て分別す可き者なり。

三に四重浅深の一面、名の四重有り・一には名体無常の義・爾前の諸経諸宗なり、二には体実名仮・迹門・始覚無常なり、三には名体倶実・本門本覚常住なり、四には名体不思議是れ観心直達の南無妙法蓮華経なり、湛然の云く「雖脱在現・具騰本種」云云次に体の四重とは一に三諦隔歴の体・爾前権教なり、二に理性円融の体・迹門十四品なり、三に三千本有の体・本門十四品なり、四に自性不思議の体・我が内証の寿量品・事行の一念三千なり、次に宗の四重とは一に因果異性の宗・方便権教なり、二に因果同性の宗・是れ迹門なり、三に因果並常の宗・即ち本門なり、四に因果一念の宗・文に云く「芥爾も心有れば即ち三千を具す」と、是れ即ち末法純円・結要付属の妙法なり云云、次に用の四重とは一に神通幻化の用・今経已前に明かす所の仏・菩薩・出仮利生の事、二に普賢色身の用・即ち一身の中に於て十界を具する事なり本迹一代五時に亘る、三に無作常住の用・証道八相有り無作自在の事なり、四に一心の化用・或説己身等なり、次に教の四重とは一には但顕隔理の教・権小なり、二には教即実理の教・迹門なり、三には自性会中の教・応仏の本門なり、四には一心法界の教・寿量品の文の底の法門・自受用報身如来の真実の本門・久遠一念の南無妙法蓮華経・雖脱在現具騰本種の勝劣是なり。

第四に八重浅深の一面なり、名の八重とは一に名体永別の名・二に名体不離の名・三に従体流出の名・四に名体具足の名・五に本分常住の名・六に果海妙性の名・七に無相不思議の名・八に自性己己の名・乃至教知る可し云云、文に任せて思惟す可きなり。

第五に還住当文の一面、四八の浅深を以て本迹勝劣を知る可し。

第六に但入己心の一面、始め大法東漸より第十の判教に至るまで文の生起を閣おき一向に心理の勝劣に入れて正意を成ず可し、謂く大法とは即ち行者の己心の異名なり云云、釈の意は文義の広博を離れて首題の理を専にすと釈し給うなり。

第七に出離生死の一面、心は一代応仏の寿量品を迹と為し内証の寿量品を本と為し釈尊久遠名字即の身と位とに約して南無妙法蓮華経と唱え奉る是を出離生死の一面と名く、本迹約身約位の釈之を思う可き者なり已上。

玄文畢る。

[法華本門宗血脈相承事(本因妙抄) 本文]その二に続く


by johsei1129 | 2014-07-03 00:24 | 血脈・相伝・講義 | Trackback | Comments(0)
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