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日蓮大聖人『御書』解説

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2014年 06月 27日

法華経計りこそ最後の極説なると説き明かした書【持妙法華問答抄】一

【持妙法華問答抄(じみょうほっけもんどうしょう】
■出筆時期:弘長三年三月(西暦1263年) 四十二歳御作      
■出筆場所:鎌倉の草庵
■出筆の経緯:本御書は弘長三年二月二十二日、一年九ヵ月振りに伊豆流罪が赦免になり鎌倉の草案に戻ってきた直後にしたためられた。大聖人は鎌倉幕府と念仏宗僧俗の画策による伊豆流罪で、法華経勧持品十三に説かれている『濁世の悪比丘は仏の方便・随宜所説の法を知らずして悪口して顰蹙し数数擯出せられん(所を追われる)』の文言を身をもって読まれ、末法の法華経の行者としての確信を深められその確信を伝えるため弟子・信徒一同に宛てて書かれたものと思われる。 
■ご真筆: 現存していない。

[持妙法華問答抄 本文]その一

抑も希に人身をうけ適ま仏法をきけり、然るに法に浅深あり人に高下ありと云へり何なる法を修行してか速に仏になり候べき願くは其の道を聞かんと思ふ、答えて云く家家に尊勝あり国国に高貴あり皆其の君を貴み其の親を崇むといへども豈国王にまさるべきや、爰に知んぬ大小・権実は家家の諍ひなれども一代聖教の中には法華独り勝れたり、是れ頓証菩提の指南・直至道場の車輪なり、疑つて云く人師は経論の心を得て釈を作る者なり然らば則ち宗宗の人師・面面・各各に教門をしつらい釈を作り義を立て証得菩提と志す何ぞ虚しかるべきや、然るに法華独り勝ると候はば心せばくこそ覚え候へ、答えて云く法華独りいみじと申すが心せばく候はば釈尊程心せばき人は世に候はじ何ぞ誤りの甚しきや、且く一経・一流の釈を引いて其の迷をさとらせん、無量義経に云く「種種に法を説き種種に法を説くこと方便力を以てす四十余年未だ真実を顕さず」云云、此の文を聞いて大荘厳等の八万人の菩薩・一同に「無量無辺不可思議阿僧祇劫を過ぐるとも終に無上菩提を成ずることを得ず」と領解し給へり、此の文の心は華厳・阿含・方等・般若の四十余年の経に付いていかに念仏を申し禅宗を持ちて仏道を願ひ無量無辺・不可思議・阿僧祇劫を過ぐるとも無上菩提を成ずる事を得じと云へり、しかのみならず方便品には「世尊は法久くして後要当に真実を説きたもうべし」ととき、又唯有一乗法・無二亦無三と説きて此の経ばかりまことなりと云い、又二の巻には「唯我一人のみ能く救護を為す」と教へ「但楽いて大乗経典を受持して乃至余経の一偈をも受けず」と説き給へり、文の心はただわれ一人して・よくすくひ・まもる事をなす、法華経をうけたもたん事をねがひて余経の一偈をも・うけざれと見えたり、又云く「若し人信ぜずして此の経を毀謗せば則ち一切世間の仏種を断ぜん乃至其の人命終して阿鼻獄に入らん」と云云、此の文の心は若し人・此の経を信ぜずして此の経にそむかば則ち一切世間の仏のたねを・たつものなりその人は命をはらば無間地獄に入るべしと説き給へり、此等の文をうけて天台は将非魔作仏の詞正く此の文によれりと判じ給へり、唯人師の釈計りを憑みて仏説によらずば何ぞ仏法と云う名を付くべきや言語道断の次第なり、之に依つて智証大師は経に大小なく理に偏円なしと云つて一切人によらば仏説無用なりと釈し給へり、天台は「若し深く所以有り復修多羅と合せるをば録して之を用ゆ無文無義は信受す可からず」と判じ給へり、又云く「文証無きは悉く是れ邪の謂い」とも云へり、いかが心得べきや。

 問うて云く人師の釈はさも候べし爾前の諸経に此の経第一とも説き諸経の王とも宣べたり若し爾らば仏説なりとも用うべからず候か如何、答えて云く設い此の経第一とも諸経の王とも申し候へ皆是れ権教なり其の語によるべからず、之に依つて仏は「了義経によりて不了義経によらざれ」と説き妙楽大師は「縦い経有りて諸経の王と云うとも已今当説最為第一と云わざれば兼但対帯其の義知んぬ可し」と釈し給へり、此の釈の心は設ひ経ありて諸経の王とは云うとも前に説きつる経にも後に説かんずる経にも此の経はまされりと云はずば方便の経としれと云う釈なり、されば爾前の経の習として今説く経より後に又経を説くべき由を云はざるなり、唯法華経計りこそ最後の極説なるが故に已今当の中に此の経独り勝れたりと説かれて候へ、されば釈には「唯法華に至つて前教の意を説いて今教の意を顕す」と申して法華経にて如来の本意も教化の儀式も定りたりと見えたり、之に依つて天台は「如来成道・四十余年未だ真実を顕さず法華始めて真実を顕す」と云へり、此の文の心は如来・世に出でさせ給いて四十余年が間は真実の法をば顕さず法華経に始めて仏になる実の道を顕し給へりと釈し給へり。

[持妙法華問答抄 本文]その二に続く




by johsei1129 | 2014-06-27 23:03 | 重要法門(十大部除く) | Trackback | Comments(0)
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